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蘭side
1時間程でラスト1問を 残すのみとなった。
てっきり夕方まで 潰れてしまうかと思っていたが 相変わらず威榴真の教え方は上手い。
英語を大の苦手としている私でも 魔法にかかったかのように回答まで 辿り着いてしまう。
桃瀬らん
専門学校への進学を希望している私も それなりに勉強しているがあくまでも 内申書対策という面が大きい。
弟がいる身としては推薦入試で 特待生を狙っていきたいからだ。
威榴真も同じような理由で 公立を目指していると言っていた。
私立か公立かいむちゃんの選択肢を 奪いたくないから、と。
桃瀬らん
それでも否応なく 進路の話題はついて回る。
威榴真に告白した後輩も 春には会えなくなるという事実が 背中を押したのかもしれない。
毎日のように顔が見られるのは 高校生でいる間だけなのだから。
紫龍いるま
私の集中力が途切れたことに 気がついたのか威榴真が 徐に口を開く。
長い時間見つめていた プリントに肩を竦め 私はシャーペンを手放した。
桃瀬らん
桃瀬らん
桃瀬らん
改めて声に出したところで私は 気分が急降下していくのを感じた。
須智の映画は私も好きだしこれまでも 小道具の手伝いなど買って出てきた。
だが今回はこれまでとは 求められることが桁違いだ。
桃瀬らん
紫龍いるま
桃瀬らん
桃瀬らん
桃瀬らん
作品の為に、と力を込める 私だったが威榴真は納得が いかないのか首を傾げる。
紫龍いるま
紫龍いるま
紫龍いるま
落ち着いた口調なのに威榴真の言葉は ぐいぐいと迫ってきた。
私は何も言えなくなり 「そっか ... 」と呟くので精一杯だ。
紫龍いるま
桃瀬らん
紫龍いるま
紫龍いるま
紫龍いるま
桃瀬らん
紫龍いるま
紫龍いるま
余裕たっぷりに笑う威榴真を前にして 私はぐっと唇を噛み締めて俯く。
そうでもしないとなんだか 泣きそうだったからだ。
桃瀬らん
いつだって私に自信を 持たせてくれるのは 威榴真の言葉だった。
私自身気付いていないような 良い所を見てくれる。
そして、きちんと言葉にして 褒めてくれるのだ。