月見。
月見。
月見。
月見。
月見。
月見。
月見。
月見。
月見。
月見。
月見。
月見。
月見。
注意!! ・地雷さんはUターン! ・青黒が付き合ってます(not同棲) ・青さんお誕生日おめでとう小説となっております(遅刻) ・nmmn
月見。
特別な人がいる。
その人がいなければ今の自分は絶対にいないと言えるような人で、その人がいないならきっと自分は今の場所から簡単に降りるであろうかけがえのない存在。
俺の黒い夜を照らしてくれる、綺麗な青空。
何よりも大切な、唯一無二。
そんな彼の特別な日が、一週間後に迫っていた。
桃
黒
赤
黒
どれだけ考えてもピンとくるものが思いつかなかったというあにきが項垂れるのを見て、俺はりうらと目を合わせた。
赤
りうらの言葉に俺は同意の意を込めて全力で頷くが、あにきの表情は依然曇ったままだ。
黒
・・・アイツがあにきからの贈り物を心から喜ばない日があったとでも???
桃
俺の言葉に、あにきはきょとんとして首を傾げた。
黒
桃
あにきを独り占め出来るなんて、まろからしたら本望以外の何者でもないだろう。
黒
桃
黒
桃
黒
あーもうどうすればええねん!と頭を抱えるあにきに、俺は暫く唖然としていた。
隣ではりうらが呆れた表情を浮かべてあにきを見つめている。
赤
桃
鈍感な最年長に痺れを切らした最年少が棘のある言葉を投げようとしたのを慌てて遮る。成人男性となったこの最年少はそれと同時に毒舌まで進化したのだろうか。
赤
桃
赤
桃
小声での言い合いを少々繰り広げ、目の前のあにきへと視線を戻す。あにきはまだ悩んでいるようだった。
黒
そう言ってあにきは机に突っ伏した。長い髪がサラリと流れる。
黒
俺は、それに見合ったものを返せない。
ぽつりと呟かれた彼の言葉に、俺とりうらは再び目を合わせた。
青
白
水
青
白
僕の問いかけに、まろちゃんは一瞬考える素振りを見せて口を開いた。
青
白
水
青
白
水
青
水
早速喧嘩になりそうな青組を、まぁまぁ、と宥める。
青
まぁ、確かに。6人で集まった時、悠くんは必ずまろちゃんと一緒にいる訳じゃない。時間があればないちゃん達に音楽関連の相談を受けてたり、僕もよくラップなんかの相談をしてる。
白
青
最近は忙しくて、きっと二人だけの時間もあまり取れていないんだろう。
早く同棲すれば良いのに。なんて考えてみるが声には出さなかった。
白
多分あっちはあっちでプレゼント困ってるやろうし。
青
水
げんなりした顔でいむくんが呟く。それにまろちゃんが反応してまた始まる喧嘩を眺めながら、僕はどうしたものかとぼんやり考えた。
水
青
水
青
水
青
桃
白
青
水
白
桃
今日も今日とて騒がしいいれいす。・・・え、俺も騒がしくしている要因の一部だって?知らんこっちゃ。
ちょっとプリンを食べたくらいでうるさいあほとけには耳を塞ぎたくなる。声がでかいんよこいつ。おい誰や今ブーメランって言ったの。
桃
そう言ったないこが視線を向けた先には、同じスマホを覗き込んで何やら喋っているぴよにきの二人。
おいそこの最年少!!あにきと距離近いぞ!おいコラ!!
ほら、やっぱりあにきを独り占めするのは難しい。最近はいれいすの活動がどんどん増えてるのもあって中々二人で出かけたり一緒に過ごしたりも出来てないし、いや忙しくなってるのは良いことなんやけど、う〜〜複雑すぎる!!
でもええもんな別に!俺明日あにきとデートやし!そう!!なんと!誕生日当日に!あにきと!デート!!!
しかも誘ってくれたんあにきからなんよ。え、もしかして命日?
これで悔いなく死ねるわ、と思わず合掌したのは言うまでもないだろう。
あのちょっと照れた感じで誘って来てくれたあにき世界一かわいかったわ、まじ世界平和。一生推す。
しかも何やら予定は向こうで全部考えてくれているようだった。え、何?俺の恋人もしかしなくても世界一。
だから今日くらいりうらに譲ってやろう。大人の余裕ってやつだ。隣でりうらに構いたそうに二人を見つめるないこはまぁ、とりあえず置いておこうか。
時間が過ぎるのはあっという間だ。
気付けば今日はまろの誕生日当日。昨日の夜永遠に考え続けても結局最後まで何も思い付かなかった挙句、途中で寝落ちて朝を迎えると言う始末。
黒
チュンチュンと外で軽やかに鳴く鳥が今や少しばかり恨めしい。
黒
今日はまろと出かける約束をしていた。所謂デートである。最近は予定を合わせられず一緒に出かけられていなかったから、こうやって彼の誕生日に一緒に過ごすことが出来て嬉しい。頑張って誘った甲斐があった。
けれど未だ決まっていないプレゼント。いや、一応物の準備はしているのだ。でもあれじゃ完璧とは言えない。
楽しみな気持ちと憂鬱な気持ちが入り混じって、最早よく分からなかった。
軽いような重いような、そんな足取りで俺は家の中を歩いた。
青
黒
待ち合わせ場所に着けば、もう既に着いていたあにきが俺に気付いてひらりと手を振った。
今日のあにきもかわいい。その笑顔百億点満点。
青
黒
うわ!見ました皆さん!!今の!照れながらも嬉しそうなその笑顔!!やばいってまじで!!好き!!
まだデート始まって間も無いというのに早速大荒れの心の中。落ち着けいふまろ。あにきの前、もっとかっこよく行かなくては。
青
自然な流れで彼の手を引こうとすれば、俺の体はぐいっと彼の方へ引っ張られる。
黒
青
黒
青
え、ちょっと待って、え、何?何事?え??世界平和??
恥ずかしそうに、けれど決心した様な表情で、あにきは俺の手をぎゅっと握り締めていた。
見ろ世界、俺の恋人がこんなにもかわいい・・・。
あにき普段こんなこと言うようなタイプじゃないのに。もしかして今日俺の誕生日だからって頑張ってくれてるん?は?好き。
因みにだが彼からの誕生日のお祝いメッセージは、日付が変わる前から彼と続けていた通話の中で日付が変わった瞬間に受け取った。
俺、一番?と聞いて来た時のあにきの破壊力と言ったらもう。言葉では表せない。彼だって月日を重ねて歳をとって行くと言うのに、年々かわいさが増していると思うのは気のせいだろうか。いや、気のせいではない。
「反語??」と脳ないこ(脳内のないこ)がツッコんでくるがここは無視で行こうと思う。あにきはかわいい。
青
黒
青
嘘偽りの無い本心を伝えれば、彼は少しの間驚いた様に目を丸くして、そしてふわりと花が咲く様な笑みを浮かべた。
黒
それからの一日は、これでもかと言うほどに充実していた。
最初に映画館へ。以前ちらっと「この映画おもろそうやな〜」と一緒にいる時に軽く呟いた俺の言葉をしっかり覚えていてくれたらしいあにきが、態々その映画のチケットを取ってくれていた。
俺もまろが好きなもの知りたいねん。と俺の手を引いて前を歩く彼の耳が赤くなっていたのを見逃さず、俺はその愛しさを全てぶつけるように彼に抱きついた。「街中!!」と怒られたが悔いは無い。
お昼は前から行こう行こうと約束していた店。「今日は俺が全部出す!」と意気込むあにきと、流石にそれは彼氏として頂けないと頑なにそれを拒む俺との攻防戦が少々続き、結局割り勘を許してくれなかったあにきの妥協案で合計の五分の一を出させてもらった。
最後まで出さなくて良いと言われたが、流石にそんなこと出来ない。誕生日だからって関係ないのだ。あにきにだけ財布を出させてたまるものか。
その後はカラオケへ。あにきのあのバチバチで最高な歌声を独り占めって、やばない?滅茶苦茶リクエストしたし一緒に歌った。何処のライブやねん特等席が過ぎたわ。
そんなこんなで色々と街の中を動き回り、最後に辿り着いたのはあにきの家。
青
黒
青
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お腹も心も満たされに満たされた俺は、満面の笑みで手を合わせた。向かいの席に座るあにきが嬉しそうにその表情を緩める。
ハンバーグを始めとした俺が好きな料理を沢山振る舞ってくれたあにき。いや、その料理が好きと言うよりかはあにきが作ってくれるから好きなんやけどな!
こんなこと言ったら分かりやすく照れるんやろうなぁ、とかわいいあにきを想像して思わず口元が緩む。
いかんいかん、と片付けを手伝う為に更に手をかけて立ちあがろうとした時、あにきが「まろ」と声を上げ立ち上がった。
黒
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黒
青
黒
青
ずるい。あにきは無意識だろうがそんな顔されたら頷く他に選択肢は無いだろう。最早脊髄反射だ。
皿を洗うあにきの方から、水の跳ねる音と皿がぶつかり合う音だけが響く。平和な一日。何よりも穏やかで幸せな、最高の日。
小さく鼻歌を歌いながら洗い物を済ませて行くあにきの姿をぼんやりと眺めていると、いつの間にか皿洗いを終わらせたあにきが何やら部屋の方へと引っ込んでいった。
青
この後構い倒そうと思っていたのに、何か用事でもあるのだろうかとあにきが消えたドアの方を見つめていると、あにきは割とすぐに戻って来た。
その手に抱えられた物に、思わず視線を移す。
黒
青
黒
青
勢いよく答えながら、おしゃれにラッピングされたその袋を受け取れば、「早っ」なんてあにきがくしゃっと笑う。
青
黒
ではお言葉に甘えて。彼の言葉を受けてすぐさまリボンを解く。
青いリボン。もしかしてそこまで考えてくれたんだろうかと胸が高鳴った。あにきのことだから、きっとそうなんだろうなぁとそれだけで心が温まる。
青
中から出て来たのは、俺が欲しいと思っていた洋服。自分で買うには値段が値段だったからずっと買うのを迷っていたやつだ。
黒
青
黒
青
袋の中を覗き込んだ時、底に入っている箱らしきものを見つけて声を上げた。この服だけでも結構な値段したよな??
青
取り出したその箱の中には、きらりと揺れる。
黒
少し恥ずかしそうに俯く彼の前で綺麗に輝くネックレス。
今日は一日あにきと過ごすからと、昨日一足先にメンバー達に祝ってもらった時にもネックレスを貰っていた。
黒
青
黒
青
きらきら輝くそのネックレスが、何よりも愛おしく感じられる。
あぁ、今日は本当に最高な日だ。
何よりも大切な人に、デートの予定を全て考えてもらって、大好きな手料理をお腹いっぱい振る舞ってもらって、こんなプレゼントまで貰えるなんて。実質今日一日彼を独り占め出来た訳だし、こんなにも幸せなことがあるだろうか。
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黒
最大限の感謝を込めて微笑めば、暫く黙っていたあにきが、「実は」と呟いた。
黒
青
予想外の言葉に思わず大きな声を出して驚く。まだ!?まだあんの!?やっぱ今日命日なん!?
流石にこれ以上の供給は幸せで死ぬ気がするんだが。大丈夫か俺。
そんな心配をする俺を前に、あにきは自分の服のポケットに手を突っ込んだ。
黒
青
あにきが差し出して来たのは、黒のネームペン。
黒
そう言って、あにきが右手の甲を俺に向けて出して来る。
青
黒
青
予想外の言葉と彼の行動に、開いた口が塞がらない。
青
急にどうしたというのだろうか。戸惑いが隠せず思わずたじたじになる。
でもあにきは俺の質問には答えず、右手を出したままじっとその場に座って待っているようだった。
何も分からないが、彼が望んでいるなら。と、俺はペンの蓋を取り、そっと彼の手の甲にペンの先を当てた。
綺麗な肌に黒い線を引く。書き上げられたIfという文字を見て、あにきはその頬を静かに緩めた。
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青
黒
青
俺の名前が記されたその右手を俺に見せるようにして、あにきが言う。
黒
青
黒
青
“自分のものにはしっかり名前書いとけ!”
以前自分が水色に放った台詞が、今蘇る。
黒
ぽつりぽつりと、彼が言葉を溢して行く。
黒
黒
青
黒
流石ないこ、よく分かっとるやん大正解。
黒
青
黒
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違う、と即座に否定したかったのだが、それをしなかったのは「けど、」と彼が言葉を続けたから。
黒
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あにきの両手が、俺の手を包み込む。照れたように頬を赤らめ、精一杯言葉を紡ぐあにきが、そっと俺を見上げた。
黒
一度、口を閉じる。は、と震えた息が吐き出され、あにきはまた言葉を紡ぐ。
黒
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黒
まぁ、・・・とっくにお前のやけど。俯き気味に視線を逸らすあにきの言葉に、俺は暫くその場から動くことが出来なかった。
黒
青
心臓が持たない。まだ全然心が追いついてないのに更に追い討ちをかけられると心臓がそろそろ爆発するからお願いちょっと待って。
バクバクとあにきにまで聞こえてるんじゃないかと思うほどうるさい心臓。口から心臓が飛び出そうってこのことか。初めてちゃんと実感した。
俺の制止の声に言葉を止め、きょとんと俺を見つめたあにきが、ふっとその表情を崩した。
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こんなにも。
こんなにも満たされる誕生日プレゼントが、他にあるだろうか。
世界でたった一人だけ。彼にしか出来ない、俺にとって世界一のプレゼント。
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あぁ、それは本当に。
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黒
するりとその頬に手を当て、静かに唇を奪う。
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急に素っ気ない返事をする時は、決まって照れてる時って、知ってる。
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心配そうにあにきが俺の表情を伺う。ここまで沢山のことをしてくれていながら、何を不安になることがあるんだろうか。
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黒
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付け足された俺の言葉に、あにきがぴくりと反応して、何?と尋ねる。
俺はそんな彼の手を取って、俺の名前が書かれたその甲にそっとキスをひとつ。
青
黒
実を言えば、ずっと前から考えていたことだ。
タイミングときっかけを見つけられず、ずっと言えなかったこと。
でも、今日なら良いでしょ?
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寝起きで寝ぼけてる君も、偶にはぐだぐだと一日リビングで過ごす君も、疲れたからお風呂入るの面倒臭いと駄々をこねる君も、全部全部、俺だけに独り占めさせて。
黒
大きく見開かれたその目が、次第に潤んで行く。
泣きながら細められた目は、なんて綺麗なんだろう。
黒
とある冬の日に、大きな一輪の向日葵が咲き誇った。
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((───知らないんやろうなぁ))
コメント
34件
呼吸を忘れてしまうほど見入ってしまいました、、、尊すぎます、、 1日じゃ安いから全部をあげる、なんというか自己肯定感低めな黒さんも青さんが大好きな黒さんもどっちも摂取できて幸せでしたෆ
ほんとに尊い青黒ありがとうございます! 伏線の回収が最高です!!! ブクマ失礼しますm(_ _)m
ひええええぇ!!ひぇええ!!あぁぁぁぁぁぁぁぁぁあ!!!! 最高💓💓💓🥰すぎて死にそうです🫶🫶🥰🥰😊💓☺️🥹🥹 見事なる伏線回収ッッッ✌✌✌✌ 自分のものに名前を書く……!!!! これで黒くんはもう青くんの物ですね!!!!💓💓💓💓 お幸せにハッピーハッピーしててほしいですね!!!!!!!