ゆう
なぁ聞いてくれよ
やす
どうした?
ゆう
俺昨日から新しい家に引っ越したんだけど
やす
そういえば言ってたな。
やす
どうだ?新しい家、快適か?
ゆう
それがさ、今日夜中に目が覚めて
ゆう
パッと見たら
ゆう
知らない女の子がニタって笑ってきたんだよ
やす
マジか
やす
事故物件だったりして?
ゆう
今年の春に新しく建ったマンションだからそれはないと思う
やす
じゃ、マンションの前にお墓があったとか?
ゆう
いや、俺この辺は小さい頃よく遊んでたから憶えてるけど
ゆう
ここ昔田んぼだったから
やす
そっか。
やす
じゃなんか心霊スポットで肝試しとかした?
ゆう
ゆう
そういえば
やす
それだな。
やす
お祓いしてもらったら?
ゆう
でも、あーいうの結構金かかるだろ?
ゆう
引っ越して金ないわ
やす
じゃ金貯まるまで諦めるか、引っ越すかだな。
やす
まぁ、夢でも見たかもしれないから少し様子でも見れば?
ゆう
そうだよな。
ゆう
あれは夢だ、多分。
ゆう
夢じゃなかった!
ゆう
今日は足掴まれた!
やす
マジ?
ゆう
それに、今日駅で階段から踏み外して、
ゆう
足捻挫しちゃった
ゆう
これ、呪いだよな?
やす
今すぐお祓い行けよ!
やす
次もあるかもだし
ゆう
ちょっと調べてみる
やす
おーい
やす
どうなった?
ゆう
今病院
やす
なんで?
ゆう
またあの女の子が出てきて
ゆう
首絞められたさ
ゆう
怖かったから、警戒してたんだけど、道歩いてたら
ゆう
いきなり前からトラックが突っ込んできて
ゆう
そのまま入院になった。
やす
大丈夫なのか??
ゆう
とっさに頭を手で覆ったから
ゆう
そのおかげで大事には至らなかったよ
ゆう
明日には退院できるらしいし
やす
そっかならよかった。
やす
でもマジでお祓いに行けよ
ゆう
そうするわ
老婆
あのぉすいません。
ゆう
えっ?俺ですか?
老婆
はい
老婆
あなた、憑かれてますね?
ゆう
えっ?
老婆
幽霊か妖の類の何かの気配がする
ゆう
あなたは?
右翼陸愛
これは失礼。
老婆
私は、霊媒師をしておらはます
右翼陸愛
右翼陸愛と申します。
右翼陸愛
まぁ、悪い霊に名を取られぬよう、源氏名のようなもので真名ではありませんがね。
ゆう
そうなんですね。
ゆう
実は、少し気になることがありまして。
右翼陸愛
なるほど。では早速お話わや聞かせてもらいましょう
ゆう
ここが俺の部屋です
右翼陸愛
なるほど
右翼陸愛
ゆうさん、あなた中々の悪霊を招かれたようだ
ゆう
やはり、そうでしたか
ゆう
なんとか除霊できませんか?
右翼陸愛
ふむ、これはかなり手こずりそうですが、やりましょう。
右翼陸愛
ここからは危険な行為になるので、ゆうさんは一旦この家を離れてください
右翼陸愛
一時間後、戻って来ていただければ
右翼陸愛
無事除霊は終わってるでしょう
ゆう
わかりました。
一時間後
ゆう
どうですか?
右翼陸愛
はい、無事お祓いできましたよ
ゆう
本当ですか!ありがとうございます!
ゆう
あっ、でも費用はなかなかしますよね?
右翼陸愛
あぁ、それなら問題ありませんよ
右翼陸愛
私はお金に興味ありませんから
ゆう
ってことは無料ですか?
右翼陸愛
えぇ
右翼陸愛
その代わりに頂きたいものがありまして。
ゆう
この部屋にあるものであれば、持って帰ってもらって大丈夫ですよ!
右翼陸愛
そうですか。では、遠慮なく、、、
右翼陸愛
あなたの肉体を頂きますね。
ゆう
えっ?
ゆう
何を言ってるんですか?
ゆう
冗談ですよね?
右翼陸愛
あの霊の除霊はなかなか骨が折れました。
右翼陸愛
なんせ、座敷童子だったのでね
ゆう
座敷童子?
右翼陸愛
えぇ、あなたを悪いものから守るための子供の精霊です。
ゆう
でも、あの女の子は俺を不幸にして来た
右翼陸愛
まだ気付きませんか?
右翼陸愛
不幸は私があなたを殺すために招いたもの
右翼陸愛
私は初めから、あなたの命を狙っていたんですよ
ゆう
そんな。
右翼陸愛
だがあの座敷童子はそれを阻止しようとしていた。
右翼陸愛
この部屋に入ることすらできないほどに
右翼陸愛
あなたが招いてくれたおかげで、あの座敷童子を退治することができましたがね
ゆう
俺は死ぬんだな。
ゆう
でもおかしい、
ゆう
さっき身体をもらうって
右翼陸愛
はい
右翼陸愛
あなたは私に真名を教えてくれた
右翼陸愛
真名は魂と身体を定着させておくための鍵のようなもの
右翼陸愛
それを知れば、あなたの身体と魂を切り離して
右翼陸愛
その身体の中にはいることができる。
右翼陸愛
なので命をもらわず、身体をもらうことにしました。
ゆう
か、身体が勝手に、、、
ゆう
あっ
ゆう
ゆう
さて、まずは手始めに
ゆう
私を殺したあの男を殺しにでも行きましょうかね。