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苅込一輝
キッチンの惨状(さんじょう)を見て、辟易(へきえき)とした様子の苅込が、浅倉に進言する。
浅倉潤
浅倉潤
苅込一輝
何時もは整頓され、塵(ちり)一つないというのに、今のキッチンは、その面影すらなく、泥棒に入られたんですか?と尋ねられてもおかしくない程に、散らかっていた。
苅込一輝
浅倉潤
苅込一輝
苅込一輝
浅倉潤
苅込一輝
浅倉潤
苅込一輝
浅倉潤
苅込一輝
浅倉潤
苅込一輝
自分でも思うところがあったようで、何時もは言い返す、浅倉が言葉に詰まる。
苅込一輝
浅倉潤
浅倉は力なく頷く。
苅込一輝
浅倉潤
浅倉潤
苅込一輝
乗り掛かった船だ。落ち込む浅倉に、俺は協力を申し出た。
浅倉潤
欺(か)くして、俺は浅倉と共同で、城戸の兄貴誕生日パフェを作る事となった。
浅倉の想像を絶する程の料理音痴ぶりに、何度も心が折れかけたが、なんとか土台は完成した。
後、残すは生クリームと盛りつけだけだ。
苅込一輝
浅倉潤
苅込一輝
浅倉潤
流石に、生クリームの泡立て作業くらいは出来るだろうとメモ書きだけ渡し、俺は守代の徴収作業のため、席を外した。
徴収作業が終わり戻ってくるとキッチンには、既に浅倉の姿はなかった。
城戸の兄貴に完成品を届けに行ったのだろう。
キッチン台の上には、使った調味料と調理器具が、そのままになっており、完成と同時に飛び出していったのが、丸分かりだ。
城戸の兄貴を祝いたい、一心で頑張ってた浅倉に免じて、片付けは自分が引き受けようと調味料に手を掛けた時だった。
苅込一輝
苅込一輝
泡立てし過ぎてボソボソの生クリームが残る、ボールの中に指を入れて、生クリームを一掬いすると確認の為、口に入れる。
苅込一輝
生クリームからは、予想通りの味がした。
苅込一輝
苅込一輝
浅倉の目的は、城戸の兄貴の誕生日を祝うこと。つまり、この塩辛い生クリームは城戸の兄貴のパフェに盛り付けられているに違いない。
苅込一輝
俺は慌てて、事務所に駆け込んだ。
俺が駆け込んだ時、ちょうど、城戸の兄貴は、生クリームをスプーンで掬い、口に運ぶ手前だった。
苅込一輝
浅倉潤
しかし、俺の制止は聞こえてたはずなのに、城戸の兄貴は塩まみれの生クリームを食べた。
城戸丈一郎
そう言いながら、城戸は、また一口と次々と口に運ぶ。
浅倉潤
自分の失態で、城戸に無理をさせている事を悔いてか、浅倉は苦虫を噛み潰したような表情を浮かべている。
城戸丈一郎
城戸丈一郎
城戸丈一郎
浅倉潤
君が想いを込めてくれて作ってくれたのなら、少々しよっぱくても平気。
だって『俺への想い』という最高の調味料が掛かっているのだから、不味いわけがない。
おわり
あとがき 他人の投稿みて、城戸ニキ誕生日だと知り、他の作りかけの小説ほっといて、急遽あさきど作った。城戸=苺パフェの印象だから、浅倉に作らせてみた。