テラーノベル
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帰宅してすぐ、4人は無理に何も聞かなかった
代わる代わる優しく触れて、声をかけ、そして──リビングのソファに、麗央をそっと座らせた
膝には柔らかい毛布
抱き上げてくれたのは蓮で、その隣に座っているのは零斗と朔矢
龍牙はキッチンでホットミルクを用意している
麗央は、まだぽやんとしていた
顔は泣き腫らし、目の縁は赤いまま
でも、その表情はどこか甘えていて、幼い
麗央
ぽつりと、小さな声が落ちた
蓮の腕に寄りかかりながら、麗央は上目遣いで呟く
麗央
麗央
麗央
その瞬間、4人の誰もが息を呑んだ
零斗
零斗が、眉を寄せてその言葉を止めようとする
でも、麗央は震えたまま、それでも言い切った
麗央
膝の上でぎゅっと毛布を握る指が、震えている
自分の体を“汚された”と思い込んでいるその姿が、あまりにも痛ましかった
蓮
そう言ったのは蓮だった
優しい声で、でもはっきりと
蓮
蓮
零斗
零斗が、そっと笑った
龍牙
朔矢
蓮
麗央は目を潤ませたまま、こくりと頷いた
でも次の瞬間、蓮の胸に顔をぐずっと押しつけて、小さな声でむくれた
麗央
麗央
泣いてしまう自分に戸惑いながらも、涙が止まらない
その小さな背を、零斗がそっと撫で、朔矢が毛布をかけ直した
龍牙が、ちょうどミルクを運んできて、そっとテーブルに置いた
龍牙
朔矢
そう言いながらも、どこか愛おしそうで
麗央は涙目のまま、差し出されたカップを受け取り、ちゅっと口をつける
麗央
少し甘めのミルクが、優しく喉を通った
あたたかさが、心までじんわり染みていく
麗央は、小さく囁く
麗央
その一言に、4人全員の胸がぎゅっと締めつけられた
零斗
零斗の言葉に、他の3人も無言で頷いた
静かな夜
もう、二度とこの手から放さないと――誰もがそう誓っていた
朔矢
ぽつりとそう言ったのは、朔矢だった
あのいつも軽くてチャラついた態度はどこにもなく、今は静かで優しい眼差し
朔矢
朔矢
麗央は、ちゅっとミルクを飲み終えたあと、朔矢を見上げて小さく頷いた
体のどこもかしこも、まだ痛い
立ち上がるだけで膝が震える
でも、朔矢が何も言わずにお姫様抱っこをしてくれて、麗央は少しだけ安心した
麗央
朔矢
ぽんと頭を撫でて、朔矢はバスルームへと運んでくれた
お湯は、ちょうどよい温度だった
白い湯気に包まれた空間は、しんと静かで、誰も咎めない
朔矢
湯船には入らず、洗い場でそっと体を支える
麗央の震える肩をタオルで隠しながら、
朔矢はスポンジに泡を立てて、傷のついていない場所からゆっくり洗い始めた
背中、首筋、肩、腕、指先……
触れる手は、どこまでも丁寧で、どこまでも優しい
麗央
最初は少し怯えていた麗央も、泡と湯のぬくもりに包まれて、ふっと力を抜いた
朔矢
そう聞かれた瞬間、びくんと体が跳ねる
けれど、朔矢の手がすぐにそっと握られて
朔矢
朔矢
唇を噛みながら、麗央はこくりと頷いた
タオルの陰で、そっと膝を開かせる
朔矢
滑らかなお湯と泡が触れた瞬間、麗央は少し声を漏らした
けれどそれは痛みというより、くすぐったさと恥ずかしさの混じったもの
麗央
朔矢
泡をすくって、そっと中まで流す
指先で直接ではなく、スポンジ越しに、慎重に
“そこ”に誰かのものが入ったことを、優しく洗い流していく
朔矢
朔矢の声がそう言った時には、麗央の目にまたうっすらと涙が浮かんでいた
でもそれは悲しい涙ではなく、ほっとした安堵の色が強かった
お風呂を出て、脱衣所の明かりの下で
朔矢は、優しく麗央の濡れた髪をタオルで包み込む
朔矢
麗央は小さくうなずき、震える手でタオルの端を握りしめていた
朔矢は薬を手に取り、指に少しずつとっていく
朔矢
太ももに塗った薬はひんやりとして、少しだけじんわり染みた
痛みを嫌がる麗央の顔を見て、朔矢は柔らかく微笑んだ
朔矢
朔矢
薬を指に付けて、ゆっくりと、慎重に、膝を開く麗央の内側へと手を伸ばす
そこはまだ傷ついていて、触れられると本当に痛い部分だ
朔矢
麗央
朔矢
優しく、優しく
薬は肌に馴染むように塗られていく
麗央は目をつぶって、小さくうめき声を漏らした
朔矢
麗央
薬の処置が終わった頃、麗央の顔には安堵が浮かんでいた
ただ、身体はまだ震えていて、朔矢はそっと彼を抱き寄せた
朔矢
そっと麗央を抱き上げ、脱衣所からリビングへと運ぶ
ふわりと暖かなブランケットが待っている場所へ
だいふく
だいふく
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コメント
17件
上書きシーン楽しみ!零央くん無理せずに頑張って! 早くなおると良いね❗グヘッグヘヘ 零斗の名前無意識に言ってる 所とかめっちゃ良いよ! 可愛いよ!可愛すぎてシニソウ うわーもう私が朔矢に なりたい~!💖 やっぱり私的には夜中に見る ビーエルが一番良い!
最高に優しいですね🥹ᩚ上書きシーンいつでてくるかな🤭💕続き楽しみにしてます!