テラーノベル
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夏休み初日
と、いうことは…
夏祭りがあるということ
今日のためだけに
白い布に淡い水色の花が柄の浴衣をレンタルしたり
髪をお団子にして首元を出したり
いつもとは違う雰囲気の私にした
et
et
鏡の前で最終確認をして
そっと時計へ目線をずらすと
et
急いで荷物を持って
小走りで部屋を出る
集合場所は私とyanくんの家の中間辺りの公園
et
そこのフェンスにもたれながらスマホを見ている人
街灯に照らされて綺麗な横顔が見える
あれは、もしかして
et
yan
et
yanくんが私を見てまるで時が止まったかのように動かなくなる
et
yan
et
yan
et
yan
et
こんなにべた褒めされるとは思ってなくて
身体がゆっくりと熱くなっていく
yan
et
yan
yan
et
yan
et
yan
et
yan
そう言って指先で優しく頬を撫でられたかと思ったら
そのまま下におろされて
指を滑り込めらせて手が繋がれる
yan
et
yan
et
yan
yan
et
たこ焼きを一つ買ってきて
人混みから少し抜けたところで食べる
yan
yanくんがたこ焼きに爪楊枝を刺して
そっと私の前に差し出す
yan
et
yan
そう言われ
恐る恐るたこ焼きを齧ると
et
yan
yanくんが心配して、顔が近づくのと同時に
私との距離もぐっと縮まる
et
et
言葉を失った姿を
焦って取り繕うとすると
yanくんが私が一口食べたたこ焼きを食べる
yan
そう言って優しく微笑む
et
心臓の鼓動が速くなる
あれ、なんか私おかしい
前までももちろんドキドキしていたけど
こんなに胸がドキドキと鳴ってはいなかったはず
yanくんの微笑みとか
間接キスとか
何度も何度も見たはずだし、キスもしたことあるし
なんでこんな、鼓動が速くなって…
yan
et
yan
et
et
et
yan
et
yan
ポイをゆっくりと金魚に近づかせ
ヒョイッと手を上げると金魚が落ちる
et
yan
et
yan
et
理解できずにいると
ポイを持っている手にyanくんの手が重なる
yan
私の耳元のすぐそばにyanくんの顔があって
時々吐息がかかる
yan
et
yanくんのことを意識しすぎてしまって
思わず両目をぎゅっと閉じる
et
自分の鼓動の音で耳がいっぱいで
もう他に何も考えられない
yan
et
皿を見ると、赤色の金魚が泳いでいる
et
yan
et
yan
yanくんに心配させてる
やっぱり私おかしいのかな
なんかいつもと違う
手が重なったぐらいで
耳元にyanくんの顔があったぐらいで
最近はこんなにドキドキしなかったのに
どうして
et
もうそろそろで花火が上がる時間帯になり
人気があまり無い場所まで移動する
et
ベンチに腰を下ろして
背もたれに上半身を預けると
すぐ隣にyanくんが腰をかける
yan
et
yan
et
思いがけない返答に首を傾げる
yan
yan
et
et
yan
yan
yan
yan
et
そんなに私のこと想ってくれてたんだ
そう思うと、心臓が締め付けられる
yan
yan
yanくんが私の方へ顔を向け
私と目を合わせる
そして、優しく微笑む
et
心臓が飛び跳ねて、思わず目をそらす
すると、yanくんの手が私の頬に添えられて
私と目を合わせてくる
そして、顔の距離が近づいて
et
まって、まだ心の準備ができてない
まだできないよ、私
心臓の鼓動が速くなる
キスでこんなに緊張するのは久しぶりで
なんか、なんか…
et
yanくんを止めるために
「まって」と口を開こうとすると
yan
et
yanくんがキスをしようとするのをやめ
私を見つめながらそう伝えられる
yan
et
やっぱり、私おかしいんだ
yanくんにも気づかれちゃうくらい
yan
yan
et
やっぱり、そうだよね
でも、なんでこうなったのかわからないの
なんでだろう
どうして、
最近…私の中で変わったこと
なんかあったかな
『yan先輩っ!』
et
かな
かな
かな
かな
あぁ…そうだ
ここ最近、かなさんとyanくんの距離が縮まってるような気がして
不安だったんだ
yanくんと抱きしめ合ってるときは
気持ちが和らぐ…けど
結局また、一人になったら心にモヤがかかって
et
不安
だったからこそ
手を重ね合ったり
距離が近かったり
キス…しそうになったり
前よりも一つ一つの行動や言動に
すごい敏感になって
et
だから、私おかしかったんだ
yan
et
yan
yan
et
言ってしまったら
yanくんに迷惑かけるかもしれない
呆れられるかもしれない
でも
言いたい
本音をぶつけたい
もう、一人で抱え込むのは辛いから
yanくんなら、受け止めてくれるって知ってるから
et
et
yan
yan
et
et
et
そっと目線を上げると
yanくんと目が合う
優しくて、温かくて
やっぱり、心が落ち着く目をしてる
et
安心して、一気に涙腺が緩む
零れそうになる涙を必死にこらえながら
この目を見られたくなくて
ぼやけた視界のなかで目を隠せる位置を探している
et
et
et
et
次の瞬間
温かいなにかに包まれる
それがyanくんだと気づく前に
上から声が降ってくる
yan
yan
その言葉に安心して
堪えきれなくなった涙が溢れる
et
頭を優しく撫でてくれる
まるで、足りなくなっていたものが戻ってきたような感覚で
yan
yan
et
心が満たされていく気がする
安心して、自然と涙が止まった
yan
yanくんが抱きしめている腕の力を抜き
そっと私の顔を合わせる
頬に手を添えられて
指先で涙を拭き取ってくれる
そのまま、数秒間見つめ合った後
yanくんの顔が近づいてきて
今度は私も、そっと目を閉じる
唇に柔らかいものが優しく触れ
ゆっくりと目を開けると
yanくんと目が合う
yanくんが優しく微笑んだのと同時に
花火が始まる
et
なんだか照れくさくなって
急いでyanくんから花火へと顔を向ける
yan
優しい声につられて
そっとyanくんに視線をずらすと
yanくんが私のことを見ていることに気がついて
et
顔が熱くなり
視線をそらそうとすると
yanくんが私の手の上に自分の手を重ね
ぎゅっと握られる
yan
視線が絡み合って
yanくんから離れない
yan
yan
et
もしかして、私のことを安心させるためにやってくれたのかな
そう思うと
et
やっぱり、好きだな
と、実感する
et
二人の想いを再確認するように
何度も何度も気持ちを伝え合う
yan
et
yan
et
yanくんが満足したように微笑んで
yan
もう一度優しく包まれる
普段よりちょっと熱い体温も
少し早い鼓動の音も
yan
大好きな言葉も
全部が全部、心地よくて
愛されてるんだなと身に染みて思った
コメント
6件
お久しぶりです!!とっても楽しみにしてましたほんとに最高でした‼️💖💖
ぴぎゃあたたあああああああああああ もうやばい最高すぎます😭😭😭😭😭😭😭😭😭😭😭😭😭😭😭😭大好きです(大声)(迷惑)
一つ一つの言葉とか表現がほんとに最高です!!本音をぶつけるのって結構難しいですよね…yanくんとetさんの信頼関係憧れます✨