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『夜の悪意から、君を引き上げる作戦だ』___

中原 中也

さく、せん…?

太宰 治

うん、腐っても元構成員、彼処は家の庭のようなもの…

太宰 治

それに、君とならきっとやれる

中也は笑む太宰に、思わず問いを投げかける。

中原 中也

何で、其処までして…

太宰 治

…生徒が苦しんでるのは、見たくない

中也の瞳に、光がはっきりと映った。同時に「生徒」という言葉に変な違和感を覚える。

太宰 治

…実を云うと、私の為でもある

太宰 治

私のあの過去も、消してしまいたいんだ

そう云って力無く笑う太宰。

中原 中也

そっ…か…

太宰 治

…一緒に、やってくれるかい?

中原 中也

…やる

中原 中也

もう、殺しはやめたい

きっぱりと声を出し、同意を示す中也。

もうその眼に迷いは無かった。

太宰 治

決まりだ

太宰 治

此方、おいで

太宰はそう云うと、保健室の戸の鍵をかちゃり と閉めた。

中也は少しぎこちなくお気に入りの場所の寝具に座る。

日が程よく当たって心地よい。

鍵を閉めると云う太宰の行為に 何も無い、と分かって居てもどぎまぎして仕舞う。

そんな様子に太宰は ふはっ、と吹き出し云った。

太宰 治

何も疾しい事はしないから大丈夫だよ

中原 中也

べっ…別に、そう云う事じゃ…!

自分の考えて居た事を見透かされた様で、中也は自分の顔に熱が集まるのが分かった。

同時に太宰は、『何故こんな事を云ったのだろうか』と軽く自責の念に駆られる。

太宰 治

却説…冗談もそこそこに、さっさと済ませて仕舞おうか

ちらりと時計を見乍ら太宰は数枚の用紙を持って来た。

太宰 治

君は頭領に会った事はある?

中原 中也

あ、嗚呼…一応

太宰 治

君が嫌なら無理にとは云わない

太宰 治

君の最後の殺しは、此奴だ

太宰 治

私が殺されたいっていうのは山々だけどね

中原 中也

俺の…最後の、殺し…

想像したことも無かった。

自分の業なのだと、妙に納得して仕舞って居たから。

太宰 治

…殺したく、無いかい?

中原 中也

…俺は

中原 中也

…彼奴を

如何すべきなのか。 如何したいのか。

云い吃る中也。

中原 中也

…太宰は、殺したいのか?

太宰 治

…!

太宰の肩がほんの少し、強張る。

中也はその眼に、悲しみの色を見た気がした。

太宰は云う。

太宰 治

 ・・・・・
…殺したいよ

太宰 治

憎い…彼奴が、途轍も無く

中也が無意識に身を引く。

太宰から此処迄の殺気を感じたのは初めてだった。

太宰 治

…本当は、私が殺るべきなんだろうけどね

太宰 治

生憎その術を持ってない

太宰は自身から滲む殺気を宥め乍ら、曖昧に笑む。

中原 中也

…なら

中原 中也

俺が殺してやるよ

中原 中也

お前からの依頼として

中也の目が、殺し屋の色へと変わる。

中原 中也

でも…タダでとは云わねェ

中原 中也

仕事が終わったら、俺の頼みを一つ叶えて貰う

太宰 治

そんな事なら、喜んで

自分でも真意の分からない言葉を云った中也。

それを聞いた太宰が何を感じたのかは分からない。

数秒の後、太宰が口を開く。

太宰 治

…一応もう一度云う

太宰 治

無理にとは云わないよ

中原 中也

無理に、じゃねぇ

中原 中也

俺だけじゃ決心が付かなかっただけだ

太宰 治

…御免ね

中原 中也

謝るなよ

中原 中也

それだけの理由があるんだろ?

先刻とは打って変わって、労わる様な中也の目。

太宰は無理矢理に封をして居た自身の記憶がフラッシュバックしてくるのが分かった。

太宰 治

っ…

中学生殺し屋は養護教諭に恋をした。  太中※学スト改変

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