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『今日で最後です。』

『空にゆくのです。』

理由?そんなのないよ?

病気?いえ、私は元気です。

さぁ、なんで死ぬんだろう。

人は必ず空にゆくのです。

だから早めに空に行きたいんだ。

少しだけ…ほんの少し…辛いから。

空って楽しい?

誰に聞いても答えはない。

分かるわけが、

ないのです

一度行ったことのある人が、

私と同じ地球にいるわけがない。

空…………そう。

私はこの場所から姿を消します

私は決めた。

今日死ぬ。

今日はよく星が見える。

青空が目立った時間よりも

くらい時間に飛ぶのが1番。

理由は…

特にない、

でも夜だと人混みが少ないから…

って理由は少しある…、

今から死ぬんだ。

3…、

2…、

1…?

ん?何故か生きている。

「ねえねえ!こんな時間に何してるの?」

…は?

え…?

誰かに邪魔された…?

「もしかして死ぬの?」

そんなに軽く言わないでよ…

私は空に行くだけ!!

少女

空に行くだけ!!

少年

簡単に言えば死でしょ?

少女

…っ。

何なのこいつ…

少年

邪魔したらごめん

少女

いや、謝るだけですまないから。

少年

少女

謝る気あるなら
私の事、空に案内して?

少年

…殺すって意味?

少女

そんな簡単に言うのやめてくれる?

少年

でも合ってるんだよね?

少女

…なんなの

少年

合ってるんだよね、

少女

うるさい…
誰の声も聞きたくないのに

少年

あー…じゃあ、

少年

君のこと、空に案内?
無理無理、僕は絶対に反対。

少女

…なんで?

少年

君には死んで欲しくないな

少女

ただそれだけ?

少女

別に良くない?

少女

ってか空気読んでよ

少年

空気読めないんだ。

少年

悪いけど。

少女

少しも読めないの?

少女

ただの子供じゃん

少年

そうだね、
たしかにただの子供だよ?

少女

自覚するんだ。

少女

じゃあ、空気の読めないただの子供は、おうちに帰りましょう。

少女

私は続きを実行する

少年

少女

謎なのはあなたの方でしょう?

少年

わかった、謎でもなんでもいいや

少年

とりあえず、僕反対する。

少女

私がしたいこと、していいでしょ?

少女

私は空にゆくって言ってるだけ

少女

今から死ぬなんて言葉 口に出してないし

少年

そっか。

少年

そうだよね。

少年

でも…言わせて。

少年

君は空になんて行く意味が無い。

少年

悪いけど、死ぬのは向いてないよ?

少女

少年

僕は空から来ました。

少女

は?

少年

いじめが原因で空に…行った。

少年

その時は、空に行って意識を失いたいと、しか思わなかった。

少年

かなり、辛かったからね。

少女

…意味わかんない。

少年

そんなのいるわけない、
そう思ってるよね?でも違う。

少年

僕は空の住人です。

少女

空の住人?なんでここにいるのさ

少年

僕は君が死ぬのを止めに来たのです。

少年

僕は空に行って、
ろくなことがないことに気づいた。

少年

生きてる方がまだマシだって思ったんだ。‪

少女

…え?

少年

生まれ変わっても自分は自分。

少年

結局一緒だった。

少女

…ふ、ふーん

少年

君が今、1番大切なのは

少年

辛くないって思うことかな。

少女

少年

辛いって思ってるんでしょ?

少年

ほんとは、毎日毎日すごく辛いんでしょ?

少女

そうかもね

少年

じゃあ、辛くないって思おうよ。

少年

辛いって言葉 思うのやめてさ…
元気に…楽しく…

少女

…私の事心配して言ってくれてるのかもしれないけど

少女

その、元気に…楽しく…が出来ないから今、空に行こうとしてるの…!

少年

うん。

少年

じゃあ、
僕の目の前で飛び降りて?

少女

…は?

少年

君は、ここから自殺しようとしてる。

少女

少年

そんな勇気があるなら
僕が目の前にいてもいいでしょ?

少女

っ…、

少年

言葉を詰まらせることもないと思うけどなぁ?

少年

僕は君より年下。

少女

で……?

少年

年上の人に生きてて欲しい…
って思うのってダメ?

少女

別に……

少年

だよね?

少女

だからなにって言うの?

少年

早く飛び降りなよ!!!

少女

少年

死にたいんでしょ?

少年

だったら
僕の目の前でもいいよね?

少年

僕がいる目の前で
君は、自殺する。

少年

それでいいって…ことでしょ?

少年

違う?

少年

結局死ぬなら

少年

僕がいても変わらないよねえ?

少女

少年

…早く!!

少年

空に行きなよ!

少年

そしたら、
天国でまた会えるんだね

少女

…うるさい

少女

せっかく…せっかく、今日は暗くて星が綺麗で…最高じゃん?

少女

死ぬのに…

少女

死ぬのにいい日じゃんか!!!

少年

うん、早く飛びな?

少女

さっきからうるさい!!

少女

なんなの?

少女

私の事、さらに辛くさせる気!?

少年

あー悪いね、
そんなつもりはなかったなぁ?

少女

飛び降りるとこ見たいつもり?

少年

ううん、見たくなんかないよ?

少年

人が死ぬところ
なーんて誰が見たいって思う??

少年

僕は絶対に嫌

少女

じゃあ、なんで私に飛び降りてっていうの…、

少年

さぁ?

少年

まぁ、1つ理由があるとして

少年

君には死んで欲しくないから。

少年

ただそれだけだよ。

少年

君は死ぬ気ないでしょ?

少女

は?…

少年

死ぬ気ないよね?

少年

僕の話を聞いて、死ぬ気がなくなったでしょ?

少年

だから君は死なない。

少女

そうとは、限らないよ?

少年

…え?

彼女は飛んだ。

彼女は飛び降り自殺をした。

少女

んっ……

少女

少年

…死んでない?

少女

…死んでない。

少女

生きてるの?私…

少年

生きてるよ、君は。

少年

僕はもう、死んでるけど……

少女

なんで生きてるの?

少年

僕の力だよ。

少年

最後に君に使ったんだ。

少女

何をしてるの?どういうこと…?

少年

君には絶対に
生きて欲しかったんだ。

少年

だから僕の生きている少しの命…。
君に渡したようなものさ。

少年

簡単に考えればね。

少女

…意味わかんない

少女

なんで?私を助けるの?

少女

だったら病気とか…

少女

そういう人を助けなよ!!

少女

なんで…?

少女

ってか…私死にたかった…

少年

僕は死んで欲しくなかった。

少年

“初恋”の人だから。

少女

え…?

少女

ちょ…ちょっと待って…

少女

あなたって…

少年

ごめん、もう時間。

少年

僕は、君を助けられてすごくよかったよ。

少女

君って…

青空が広がっていた。

なぜ私はここに?

…思い出せな…………

少女

少年!!!!

少年

君を助けられて本当によかった。

少年

いつか君、生きる意味が見つかるよ。

少年

今までありがとう。

少年

後輩の僕だよ。

少女

…やっぱり

少女

そうだったの……?

少年

うん。そ…。

少女

なんで…?

少年

なんでかなぁ?

少年

僕がいじめられてたこと
知ってたんでしょ?…

少女

…なんと…なくね。

少年

君らしいよ。

少女

え?私…らしい…?

少年

そう、君は君だよ!

少年

生まれ変わっても、君は君!

少年

僕は僕!

少女

強い…ね。

少年

弱いんだ。僕は。

少女

どうして?

少年

負けたから。

少女

少年

自分の気持ちに負けたんだ。

少年

辛い思いしても
頑張ろうとしてた、自分と

少年

辛いからってすぐ、
自殺を考えた自分。

少年

僕は負けたんだ。

少年

辛いからってすぐ、
自殺を考えた自分の気持ちに。

少女

何それ…

少年

だから僕は弱い。

少年

さぁ、行かなきゃ…、

少女

…命、大切にします…

少年

もしも君が辛かった時、
自分を信じて…頑張れ…

少年

負けた僕はただの弱いもの。

少年

後悔はして欲しくないから。

少年

僕と…同じ痛み…
味わって欲しくないから。

少年

僕と…同じ経験なんて
させたくないから。

少年

じゃあね、僕の初恋さん

少女

……、

少年

君は君ってこと。

少年

絶対に忘れない…で───

少女

…なんなの

少女

…私だって…

『本当は好きだったのに…』

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