すち
それは俺が、高校3年の頃のこと。
その日は冬で、 みんなマフラーとかコートとか着て 学校に来ていて。
俺も当然、暇ちゃんから誕生日にもらったマフラーとコートを着て 学校に来ていた。
俺にはここ、学校に来たくない 理由があった。
ビシャ、と不快な音
すち
俺の頭上からは 冷たい水が落ちてきた。
さっきまで外でキンキンに冷えた 耳が、悲鳴をあげた。
コソコソと何かが聞こえる。
すれば、教室の端で固まって 話をしていた元友人が来て
元友人(あきら)
と言ってそのビシャビシャになった俺の頭の上から教科書やノートを落とした。
すち
元友人(あきら)
元友人(あきら)
周りのみんなは俺のその 情けない姿を見て笑った。
『なんであんな奴が来てんだよ』
『人殺しがうつるーw』
『学校が可哀想だw』
などと好き勝手言って。
入り口から見える俺の席には、 プリントがぐちゃぐちゃに置いてあった。
すち
あーあ、マフラーも濡れた。
せっかくくれた、宝物なのに。
元友人(あきら)
元友人(あきら)
…もういいじゃんか。
すち
放課後になった。
そこにはまだあの人たちの姿は見えず 俺はフェンスに体を預けて空を見た。
空は少し曇っていた。
そこには一羽鳥が飛んでいた。
すち
その時ガチャ、と扉が開いた。
元友人(あきら)
元友人(みつき)
友人の友人(ひなた)
友人の友人(せな)
この4人の他にもまだ もう2人が入ってきた。
いつの間にか鳥がいなくなっていた。
すち
正直怖かった、
…殴られたり、蹴られたり、
脱がされたり、レイプされたり。
今まで体の痣がバレないように 暇ちゃんと接してた。
けどなんだか今日は
そうもいかないらしい。
ガンッ、と言う嫌な音。
すち
気がつけば、視界は逆転していた。 頭を、フェンスに打った。
ぐっと、襟を掴まれ首が締まる。
すち
元友人(あきら)
元友人(あきら)
元友人(あきら)
すち
俺が悪いんじゃない。
あの子が勝手に、 俺を好きって言ったんだ。
それに、俺の恋愛対象は…
元友人(みつき)
元友人(あきら)
それからしばらく、嫌な音が 絶え間なく聞こえた。
体中が痛かった。
多分血が出てた。
友人の友人(ひなた)
友人の友人(せな)
友人の友人(せな)
友人の友人(ひなた)
友人の友人(ひなた)
女は笑った。
俺はそれが悔しかったのかもしれない
すち
苦しかった。
息がうまくできなかった。
ぐっと顎を上げられる。
あきらの顔はすぐそこにあった。
元友人(あきら)
元友人(あきら)
俺の前にしゃがんだあきらの手には 俺のスマホがあった
すち
元友人(みつき)
腹のあたりが蹴られる。
心地の悪い、感じがした。
元友人(あきら)
元友人(あきら)
元友人(あきら)
あきらは笑った。
俺に向かってスマホのカメラを向ける
だめだ、バレたくない
暇ちゃんも大変なんだ。
暇ちゃんに知られれば 確実に広まる。
俺は重い体を力尽くで押し上げ したくもない相手に
土下座をした。
すち
すち
すち
すち
すち
すれば、あきらたちは顔を見合わせて 嬉しそうに笑った。
元友人(みつき)
元友人(みつき)
友人の友人(ひなた)
友人の友人(せな)
元友人(あきら)
元友人(あきら)
元友人(あきら)
元友人(あきら)
俺のスマホは宙を舞い フェンスへと叩きつけられた。
元友人(あきら)
すち
と言ってあいつらは出ていった。
明日…、
床についた手の甲には血が垂れた。
あれ、何か溢れてくる。
すち
すち
コメント
24件
すっちー、、、すゆさんの作品毎回感情移入するんダケドナンデ、、神だわ
いや〜、すゆち…まじで神だよ!泣きそうになった…(泣)