大切な人ｯて？

ある日突然

大切な人が

目の前から消えた。

血だらけの彼は

自分を心配させないためなのか

自分の大好きなその笑顔のまま

死んで行った。

俺は夢中になって

彼の名前を必死に叫んだ。

そんな中でも周りの人は

無視して歩いていく。

そんな人間が

憎くて嫌いだ。

あの出来事からもう2年。

2人で住んでた部屋は散らかっている。

この部屋を片付けたりでもしちゃったらあきなのことを忘れてしまうような気がする。

ご飯もろくに食べられない。

外に出たのは何年前？

そんな中突然

インターホンがなった。

俺はめんどくさいと思いつつも玄関に向かった。

……誰こいつ？

何言ってんだ。 こいつは

名前も名乗らないし。

保護施設？

そんな突然来て はい。住みます！っていう人なんてそうそういないでしょ。

俺はあきなとの思い出を忘れたくないから片付けたりしてないだけでさ

なに？こっちに住みませんか？って

そうだった。

あきにゃが死んじゃったのは

俺を庇ってだ。

勢いで決めちゃった……

あきにゃぁ……

俺どうしたらいいｯ…の？

荷物をまとめないと…

ついでに部屋も片付けて

めちゃくちゃ綺麗にした。

だけどあきなの部屋は片付けてもないし なんなら入ってもない。

なんか虚しいし悲しい。

部屋も広く感じて孤独な感じがしちゃって心が苦しくなる。

以外にそこは綺麗だった。

何個かホコリが被ってるものがある位で 入れないほどでは無い。

不破くんへ。

そこには確かにあきなの字で

手紙が置いてある。

あきなはその日死ぬのが分かってた？

どういうこと……？

覚悟を決めて開けた。

不破くんへ。

ごめんね！びっくりしたよね？

引かれた瞬間死んだと思ってた人間から手紙が来るって笑

あの後ね？

運ばれたあと少しだけ意識があって

治療を繰り返してたら少し大丈夫になって…

でも余裕はあんまりないから このうちに手紙を書いておこうって思って！

ごめんね。すぐ連絡出来なくて

あ、あとね？

これだけは、言っておきたいんだけど

自分がもし死んじゃっても

これは自分が今までの恩を返したって思って欲しいな。

まぁたったこれだけじゃ全部は返せてないとは思うけどね笑？

とにかく自分を責めないで？

大好きだよ！ 不破湊くん。

その日は1日中泣いた。

引越し作業なんて全く進まなかった。

大好き、大好き！ 愛してるｯ…あきなぁ……

気づいたらもう朝だった。

まだ日は登ってない。

重い体を何とか動かして

またあきなの部屋に進む。

って思いつつも目は涙目。

早くまとめて電話もしないとｯ

ようやく終わったｯ……

ふたりの思い出の写真や オソロで買った ネックレス

はぁ……もうここには帰って来れないのかなぁ…

なんか聞こえた気がする。

大好きな安心する声。

荷物は全部玄関に持って行った。

スマホ…スマホ。

ﾋﾟｰﾝﾎﾟｰﾝ

もう……この家とはお別れ…かぁ

大好きだよﾆｺ？

説明とかめんどくせぇ……

でも向こうで虐められないようにしないとｯ……！

・ ・ ・

自分が想像してたよりも設備がちゃんと揃ってるし

部屋も広いし必要最低限のものは元々置いてある。