僕は夙夜夢寐、ずっと将来について考えてしまう。
もっと絵が上手くなって、 ファッションデザイナーになって、幸せになるんだ。
とにかく書け。ペンを進めて。
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僕は寮に住んでいて、それも無料。
子供の夢を応援するという方針で、国からお金が出ているらしい。
……てか
寮の家、みんな先生なんだよなあ。
何でこうなったかと言うと
僕は元々転校生で、途中から寮に住む形になった。
けれどまさかの定員オーバー……。
しかたなく、先生の寮。転校生なもので、先生がどんな人なのかも分かんないから、正直寮に戻りたくない。
寮は、1班、2班…と、班に別れていて、班ごとに家がある。
そして僕が今いる場所は、寮の隣の自習用の建物。
自習ができるようにと、自習室だけがある建物だ。
動物のいる部屋、水槽で囲まれた部屋、本に囲まれた部屋、ゆったりできる温かみのある部屋、
そして
今僕のいる、人気のない、壁が真っ白で机以外何も無い部屋だ。
だから、僕以外誰もいないし、先生も見に来ない。
でも、
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寝ちゃいそうだ。でも、もっと頑張らないと、もっと頑張って、そうじゃないと、今までの人生無駄じゃんか。
ぐぅぅ~……
そう思って、また。 やる気を出した後にお腹から情けない音が鳴る。
もう6時半だし、食堂行こうかな。確か無料だったし、と。 僕は文房具を片付け、トートバックに入れ、部屋を出た。
そういえば、食堂ってどこだっけ……?
寮の外には出れたものの、肝心な目的地が分からない!
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漏れ出す独り言からして、僕はとても焦っていた。
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周りをキョロキョロしていた僕を見つけて、誰かが話しかけてきた。先生か?
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大丈夫、笑顔は作れている。そして元気な少年に見えるだろう。
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先生と2人、気まずい
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こういう時、なんて答えたらいいんだろう。
そういえば、 友達とか、先生、人とまともに話したこと無かったなあ。
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いじめられてばっかりだったなあ
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いじめっ子から逃げ回ってただけだけど……
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思わず声を出してしまったけれど、テレビで見た、レストランみたいだった。
行ったことがなかったから、毎日ここで食事が出来ると思うと胸が踊る。
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お母さんはご飯を作ってくれなくて、毎日給食を食べて生きていた。
土日は床に落ちた親の食べかすを食べて生きのびたけど、さすがに長期休みは死にかけだったなあ……。
お小遣いもまともにくれないし、床に落ちた小銭を盗んで、スーパーに売っているパンを食べていた。
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給食のおばあちゃんだけは、僕の家庭環境に薄々気づいていたのか、自らオカワリをさせに来てくれた。
給食って、全部難しい名前をしているけれど、頭に残った、とってもおいしい給食、それがカレーライスだ。
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嘘、着いちゃった。
でも、
ご飯を作ってくれる家庭に生まれた、幸せな子供に、やっとなれた気がして。
嬉しくなった。
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久しぶりに見たなあ。カレーライス
スプーンも、あの日食べたカレーライス以来だ。
ぱくっ
美味しかった。久しぶりにあ字のするごはんを食べた。
床に落ちたかすなんて、味がするわけない。
そして、生ぬるい感覚が頬を辿る。
これは、涙?
涙が出てるのに、拭う隙もない速さでスプーンが進む。
止まらない。涙も、スプーンも、誰も取りに来る人なんていないのに、なんで
涙、とまってよ
そして僕は、また自習室に戻って、22時まで勉強をした。
お風呂も入っていないし、寮。戻らないと……
ズキッ
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「あたし、当分帰ってこないから〜……、 百円玉、置いとくからなんか買いなさいよね、死なれたら困るし」
「ゆめ追うために関西行く? あー、勝手にしなさいよ、あんた居なくなってくれるお祝いに、必要な分だけ仕送りしてあげるわー!」
「ママが不倫してる? 名誉があるしめんどくせぇんだよ……、知らなかったフリしろよ?」
なんで、なんでそんなこと言うの、まま? ぱぱ? どこ行くの?
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頭が焼けるように痛い。終われ、終わってくれ。
そして、5分間の頭痛が終わると、また、希死念慮の僕が現れる。
切りたい、手首を切りたい
こうなってしまうと、自分で自分を制御出来ない。
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手首を通るカッターの刃は冷たく心地よかった。
また、また切っちゃったなあ。
真っ暗でよく見えないけれど、ここで合ってるのかな。
とりあえず鍵はあるしかけてみる……? いやでももし違ったら気まずいしなあ
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ほっとした僕だったけれど、七人先生がいるの忘れてたあ……!
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元気に振る舞わないとなのに、緊張で声が震える。
自分以外先生でその上イケメンで、違う苦しみが僕を迫った。
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そして、七人の先生が自己紹介をしてくれた。 どうしよ、上手くやって行ける気がしないんだけど……
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そして、僕の先生に囲まれた寮生活が始まった。
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