聖蘭
大丈夫?
美空
うん…
聖蘭
大丈夫じゃないでしょ。
午後の静かな病室で妹の美空は姉の聖蘭と話していた。
美空
んー。
美空
思ったこと話しても怒らないって約束する?
聖蘭
うん!話してくれるの?
美空
私って生まれてきた意味なかったよね。体が弱いから今もこうやって入院してる。お姉ちゃんたちに迷惑かけてる…
聖蘭
そんな事言わないで!お姉ちゃん怒るよ?生きたくても生きれない人だっているんだから。
美空
そんなの…関係ない
聖蘭
美空、話を聞きなさい!
美空
お姉ちゃんに私の事なんてて分からない!ほっといて。
聖蘭
美空落ち着いて。きっとまたお出かけ出来るから。
美空
出来ないよ。私の病気は進行してる!もう治らないんだよ。この点滴だって病気の進行を遅めるだけ。落ち着いてなんか居られないよ!
聖蘭
美空?誰がそんな事…
美空
お医者さん!だからもう無理なんだよ。私はもうやり残すことなんてないよ。お姉ちゃん…
聖蘭
嫌だ。別れたくない。
美空
これ以上は無理なんだよ。最前を尽くすって言って数回にわたる手術をしたけど結局こういう結果に至ってる。私は本当に大丈夫だからさ…お姉ちゃんは楽しんでよ。私の分まで精一杯生きてね!
聖蘭
美空…
聖蘭はこのニュースを観て泣きながら外に出た。そして復讐しに犯人を探した。
聖蘭
(ざまぁみろ。
美空、ごめんね…お姉ちゃん犯罪者になっちゃった。美空も1人で寂しいだろうし…今からお姉ちゃんもそっちに行くね。)
父
ただいまー。?どうしたんだ?
母
聖蘭が…美空を追いかけて…
母に連れられて父が聖蘭の部屋に行くと動かなくなった聖蘭がいた。
父
嘘だろ…
娘を2人も失った悲しみは大きかったが犯人が殺されたのはひとつの救いだった。もう、2度とこんな事が起こって欲しくないから。でも自分の娘が犯人を殺したとは想いもしなった。
母
これから私たちどうしよう。
父
2人には悪い気がするがペットを飼わないか?新しい家族を迎えよう。そうしたらきっとまた家庭が華やかになり、笑顔が生まれるはずだ。
母
そうね…
葬儀などを終わらせ、落ち着いた時にペットショップに行った。
父
可愛いなぁ
母
そうね…あなたは美空!
父
そっちは聖蘭だ。
夫婦の目には笑顔が浮かんでいた。そしてそのペットをまるで自分の子供のように育てそれからは笑顔の絶えない家庭となった。
近所の中学生
おはよーございます。
母
おはよー。学校?頑張ってね。行ってらっしゃい!
近所の中学生
ありがとうございます。行ってきます。
母
(あの子が…欲しい。美空が生きていたら…)
女子大生
おばさん!おはようございます
母
あら、紗夜(さや)ちゃん。おはよう。今日は一段と冷えるわね。
女子大生
そうですね…あ、時間!で、では!
母
(あの子も欲しい。)
母
やっぱり人間の方がいいわね。2人が戻ってきたみたいで嬉しいわ。
父
そうだな!でも時間の問題だぞ。家には犬だけでも十分じゃないか?せっかくあの子達の名前にしたんだぞ?
母
あなたは寂しくないの?もう忘れたの?2年前の悲しみを…
父
いや、そうじゃないんだ…
母
じゃあ、この子達を家族として受け入れましょうよ。
母
これからよろしくね。紗夜と加恋。