バァンッ
五条
亮(リョウ)
先輩の部屋に入ると先輩は裸で 隣には知らない女が寝ていた
まだ寝ぼけている先輩の事は 放っておいて隣に寝ていた女を叩き起した
ぇ、なに!?誰こいつ!!
五条
はぁ"!?出ていくのは あんたでしょ!!
五条
ちょっと亮!!どーにかしてよ!!
五条
きゃァッ!!!何すんのよ!!
亮(リョウ)
五条
亮(リョウ)
五条
...笑,かわいそぉ ~
こんな女に負けたことが悔しかった
顔も権力も地位も全て俺の方が優れているのに
先輩は決して,そんなものに興味はなくて
ただ先に居たのが あの女だったって だけで あの女を優先した
その事実を しっかり認識すると 何だか涙が溢れてきた
ぇ...急に泣き出したんだけど
亮(リョウ)
亮(リョウ)
え,急に ~ ?
まだイチャイチャしよ ~ よ
亮(リョウ)
もぉ ~ 仕方ないなぁ...
亮(リョウ)
い ~ よ,亮の頼みだもん
愛してる,またね
亮(リョウ)
早く諦めなよ, 亮に捨てられた子犬さん
俺を小馬鹿にし嘲笑った女が部屋から 居なくなったのを確認すると先輩は俺へ目を向けた
亮(リョウ)
先輩への怒りが収まることはなく 今更,先輩の方へ行こうとは思わなかった
そんな俺を見かねてか先輩は 俺の方へ来て腕をグイッと引っ張ってきた
バランスが崩れ,倒れ込むように先輩に 抱きつかれると あの女の濃い香水の匂いが 微かに先輩からした
それが嫌で苦しくなって突き放した
亮(リョウ)
亮(リョウ)
不意に先輩の顔を見ると 何時になく悲しそうな顔をしていた
決して表情が歪むことなく 雰囲気だけで先輩の感情が伝わってきた
五条
亮(リョウ)
決して何か行動を起こす訳では無いのだろう
だけど俺に嫌われることで悲しくなると 言われたのは何だか嬉しかった
亮(リョウ)
でも,その言葉が本音ではないと知っていた
五条
初めて先輩の表情が微かに動いた
何時も変わらない笑みを浮かべていて 先輩の表情が歪んだり変化することは無い
でも,この時だけは確かに先輩の表情が動いたんだ
それは図星を突かれたからなのか 俺がそんな事を言うとは思わなかったのか
何方なのかは知らない,知りたくもない
五条
亮(リョウ)
五条
これは妬みだ,醜い嫉妬
先輩の唯一無二でありたいという 強欲な望み故に先輩に八つ当たりしてるだけ
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