大森元貴side
よかった、?
涼ちゃん、よかったってどういうこと?
今の会話の流れだと、若井が透明になってよかったってことだよね
どういうこと?
どうして?
大森.
藤澤.
大森.
藤澤.
大森.
涼ちゃんはにっこり笑っている
言葉にできなかった
涼ちゃんの言葉が、頭を巡っている
涼ちゃんは俺の手を掴んで「早く戻ろう」と言った
そして笑った
いつもと同じ、綺麗で可愛い笑顔で。
涼ちゃんは若井の家を出てから俺の手を離してくれない
そのことよりもさっきの涼ちゃんのことの方が気になった
若井が死んでよかったって、どういうこと?
俺と涼ちゃんを引き裂く人って誰?
若井はそんなことしないよ?
むしろ、若井と涼ちゃんを引き裂いたのは、俺だよ
ねぇ、涼ちゃん
前みたいに、戻ってよ
言いたいことは沢山あるのに言葉にできない
口を開けてもみっともない掠れ声が出てくるだけ
涼ちゃんは家に着くなり玄関のドアを閉めた
チェーンをしっかりかけ、涼ちゃんは俺に笑いかけた
藤澤.
大森.
藤澤.
前にも聞かれたことがある質問。
その答えは決まっている
大森.
藤澤.
大森.
藤澤.
涼ちゃんはにっこり笑っている
どうしよう
どうすればいい?
この今までと違う涼ちゃんを、どう変えればいい?
なんて、声をかければいいの?
でも、ひとつだけわかったことがある
これ以上、涼ちゃんといたら駄目だ
これ以上といたら、涼ちゃんはもっともっと壊れていってしまう
人の死を喜んでしまうような、悲しい人になってしまう
でも、そうさせてしまったのは他でもない俺。
俺も本当は涼ちゃんと一緒にいたい
でもこれ以上涼ちゃんと一緒にいたら俺まで若井の死を喜んでしまうような人になってしまう
それは、駄目だ
大森.
藤澤.
大森.
藤澤.
大森.
藤澤.
藤澤.
大森.
藤澤.
涼ちゃんは俺の手にしがみついて早口で捲し立てる
でも、俺はこの意見を変えない
大森.
涼ちゃんは俺の言葉にリビングに走っていった
その間に荷物をまとめて玄関に向かう
靴を履いて、荷物を持って、行こうと玄関のドアノブに手をかけた瞬間だった
背中に鋭い痛みと熱を感じた
後ろを振り向くと口元を歪に歪ませながらも泣いている涼ちゃんがいる
その手には血のついたナイフ。
涼ちゃんは形のいい唇を動かして俺に謝った
藤澤.
藤澤.
涼ちゃんのその言葉を最後に、俺は意識を失った
こんにちは✨
1000いいねありがとうございます😭 感想も嬉しいです✨
この作品もいいねと感想よろしくお願いします🤲
これで君に求められたい人生だった最終回です✨ 今までいいねと感想をくださった皆さん、ありがとうございました🎶
それではまた!
コメント
12件
うわぁお、3人とも死んだのか… これはこれで、良かったのかな? なんだか考えさせられる作品です🤔
ファ?涼ちゃんヤンデレなっちゃってるやん?バッドエンドやん、3人とも死んじゃったやん…
前回の「良かった」で「???」なのに今回の最後で「え?」って声素で出たよ?え?バッドエンド?若井さんも大森さんも藤澤さんもあっちにいっちゃったよ…