月見。
月見。
月見。
月見。
月見。
月見。
月見。
月見。
月見。
月見。
月見。
月見。
月見。
月見。
月見。
月見。
月見。
月見。
月見。
注意!! ・地雷さんはUターン! ・青黒&黒さん愛されです ・最近寒いよねって感じのネタです(?) ・nmmn
月見。
寒い。
・・・寒過ぎる。
黒
さっきからこれしか言ってない。これしか言えない。
昨日の夜からなんだか寒さは感じていたし、今日が寒くなるのは天気予報のお姉さんが言っていたから知っていたが、ここまで寒いなんて誰が考えた。
ついこの間まで暖かかったじゃないか。この時期にしては珍しい暖かさ、なんてテレビが騒いでいたのが遠い昔のことの様に感じる。
え、マジで寒いな。寒過ぎんか?ここは北極か??
最早命の危険すら感じる。俺って去年の冬どうやって過ごしてたっけ。てかまだ10月やろ?本格的に冬始まったらどうやって生きて行けばええの??
暖房つければええやんって?10月で暖房なんて使ってたらいよいよ12月とか生きられないしこの時期はまだ電気代節約してたいんよ分かれ!!
よくもまぁ数十年生きて来れたわ。何十もの冬を生きて来たんやろ?過去の自分に尊敬しかないんやけど。
・・・とまぁ、そんな考えをぐるぐる繰り広げ始めて約数分。
黒
意識も身体も大分起きて来たが、くるまった布団から抜け出す気力なんてない。
ちらっと時計を見れば、いつも起きている時間からもう既に10分以上が経過していた。
朝食、作らなければ。そのうちあいつらも起きてくるだろうし、その時に飯が出来てなかったらがっかりするだろうし・・・。
そう考えはするけれど、考えるだけで体は全くベッドから出ようとはしなかった。なんなら隙間を無くそうと布団を改めて掛け直した。
そろそろ、起きないと。
黒
朝食作って洗濯機回して、それから、それから。
黒
そんな考えに、至ってしまった。
だって、寒過ぎるのが悪い。それにいつもいつも俺が一人で早起きして朝食作って他の家事もやって。
・・・いや、朝食作るのはアイツらが俺の料理好きって言って任せてくれてるから別に苦でもなんでもないし、他の家事だって勝手に俺から始めたんやけど。
こんな寒い朝に、冷たい床を踏み締めて早起きなんてしていられるものか。
一度やる気を無くしたら、取り戻すのなんて難しいもので。
黒
改めて布団をかぶり直し、俺は考えるのをやめた。
寒さに捕まらないようにと、布団の中の温もりに身を任せ、俺は夢の中へと沈んで行った。
桃
最近は来ていなかったパーカーを引っ張り出し、早速それを羽織った俺は、体を縮こませながら廊下を歩く。靴下越しに伝わってくる床の冷たさに足が悲鳴を上げていた。
リビング、暖房付いてたりしないかな。あにきまだ付けたがらないかな。いやでもこの寒さだしもしかしたら。
今日は寒いし、体の芯からあったまるようなスープとか味噌汁とか、作ってくれてるのかなぁ。
なんて、今日の朝食のことを考える。あにきは俺達のことをよく分かってるし色々考えてくれるからな。
考え出したらあにきの朝食が恋しくなって来た。いや昨日も一昨日も食べたけどね。
リビングにはまた食欲を誘う香りが充満しているのだろうと思うと、それだけで満たされる気持ちになる。この寒さでも生きて行けそうだ。
なんて呑気に考える俺は、この寒さにも関わらず上機嫌でリビングのドアを開けた。
桃
温かい布団の中。こういう寒い朝はここが格別である。
今日は休日だから無理に起きる必要もない。こんな時の二度寝が本当に罪で幸せなんよな。
桃
そのうちあにきが優しく起こしに来てくれるんよ。朝食出来たから起きて来い、なんて愛らしい笑みを浮かべながら。
それまでもう少し、この温もりに包まれていよう。
桃
青
バシン!と大きな音が部屋の中に鳴り響く。
それと同時に襲ってくる痛みに、思わず鈍い声と共に体を起こした。
突然の出来事に混乱している俺の目の前に、恐らく全力で俺を叩いたないこが立っていた。
え、何?何事?どういう目覚めこれ。
青
ハッと我に帰れば襲いかかって来た寒さに、すぐさま布団の中へ逆戻り。
・・・とは、いかなかった。
桃
青
桃
青
桃
青
その口から飛び出した予想外の言葉に、ポカンと口を開けた。
ないこは何処か深刻そうな、焦った顔をして、もう一度口を開いた。
桃
その時、さっきまで感じていた寒さなんて一瞬にして吹っ飛んでしまった。
水
白
赤
白
水
白
赤
白
赤
青
若さ故のうるささだろうか。と言うか子供組っていつもこんなうるさかったか??なんかいつにも増してギャイギャイ騒がしいんやけど。
赤
青
まぁまろは彼氏やしな!まろが行くのは妥当だと思うけど。
それでも俺が起きる前にみんな起きていた訳だし、態々俺を起こす前にないこ達が行ったっていいだろう。
赤
青
白
青
あにきが、部屋に鍵?
そんなこと今までにあっただろうかと思考を巡らせてみるが、そんな記憶は無かった。
桃
青
それは心配にもなる。寝坊なんて殆どしない彼がここまで寝ているなんて、それはそれでなんだか信じ難い。
桃
子供組の3人もじっと俺を見つめてくる。
青
愛しいお姫様を、迎えに行こうか。
暑い、・・・寒い?
ぼんやりした意識の中、今は何時だろうと考える。もう全員起きたんかな。朝食大丈夫だったんかな。なんて、自分から放棄しておいてそんな心配をした。
布団の中が、あったかいような、暑いような、寒いような。
起きたいけど、起きたくないなぁ。
二度寝ってなんて罪なんだろうか。いつも朝食を作る為に早く起きるから、こんなにもゆっくり寝ていたことなんてない。幸せ過ぎる。二度寝最高。
なんて、普段はしない二度寝に満足しながらも、心の何処かで物足りなさを感じていた。
黒
そんな言葉が自分の口から漏れて、我ながらびっくりした。
ほぼ息のような、実声と言って良いのかすら分からないような声だった。
・・・いつもなら、もうあいつらと一緒にいるからな。
自分から朝食を作るのを放り出して眠りについたくせして、寂しいなんてどの口が言うのだろうか。
青
黒
廊下から聞こえて来た聞き慣れたその声に、ぴくっと体が揺れた。
青
黒
まろ起きれたんか。いつもは朝食出来た後に俺が起こしとるし、ないこにでも起こされたんかな。
二度寝前までは、もう意地でもベッドから出ない。なんて思っていたのに、彼の声に誘われるようにして体を起こしベッドから降りた。
あ、やっぱり寒い。寒過ぎる。朝起きた時よりは少なからず気温が上がってるはずなのに、寧ろ寒くなってる気がする。
・・・と言うかなんか、体が怠いような。
上手く力が入らない手で鍵を開け、ドアノブに手をかけた。
青
部屋の中に声をかけるが、返事は返って来なかった。これは不安にもなる。ただ寝てるだけ、なのだろうか。
青
その時、扉の向こうから微かに音が聞こえて来た気がした。
起きたのだろうか。なんともないなら良いのだが。
もしかして出て来てくれるのかと思って、少し待ってみる。ここで追い打ちのように声をかけたら急かしているみたいになってしまうし。
少しの間そうしていると、カチャ、と軽い音がした。鍵が開いた。
そして、ゆっくり開く部屋の扉。
青
開いた扉の隙間からあにきの顔が見えた瞬間、ぱっと声を上げた俺だったが、彼の名前を最後まで呼ぶことは出来なかった。
一歩踏み出した彼の体が、力が抜けた様に俺の方へ倒れ込んで来たから。
青
どうやら意識を失ったらしい。必死に彼の名前を呼ぶ中、ふと触れた彼の手の平に、俺は目を見張った。
そして、彼の額へと手を当てる。
青
──誰か、いる。
黒
深い眠りからなんとか抜け出した俺は、まだ焦点が定まらない目をぼんやりと開いた。
俺、何してたんだっけか。と言うかここは・・・。
白
黒
白
黒
白
初兎が手に取ったリモコンが、ぴ、と音を立ててる。ここは、俺の部屋か。
黒
白
黒
気付かなかったが、額には冷えピタが貼られていた。
・・・もしかして、異常な程の寒さは熱のせいだったのか。
白
黒
風邪。
思えば最近は引いてなかったな。まさかここまで拗らせるとは。
白
漢気ジャンケン一人勝ちしてたで、と笑う初兎に、自分の表情が緩むのを感じた。
黒
白
黒
そう言って片手を初兎の方に伸ばせば、初兎は一瞬目を丸くした後、すぐに笑ってその手を両手で包み込んでくれた。
白
黒
白
冗談や、と言う意味を込めて笑みを溢す。
この温もりがあれば、寒くなんかないな。
黒
握られている手の感覚が、次第にはっきりしてくる。
赤
黒
赤
さっきまで白い彼がいた筈の場所に座り微笑む最年少と、繋がれた手に俺は瞬きを繰り返す。
黒
赤
黒
赤
黒
全然そんなことはない。人が変わっていたのに驚いただけだ。起きた時に誰もいないより断然嬉しい。
赤
黒
手繋いで欲しいとは言ってない。・・・え、言ってないよな?
それでも、繋がれている手の温もりに、心の何処かで安心している俺がいた。
初兎とはまた違う手。初兎ほどあったかくはないが、りうらの優しさと安心感は充分に感じられた。
赤
黒
赤
もう日課みたいなものだし、慣れたから別にいいんだけどな。
赤
自業自得やな。
赤
今度は初兎かよ。お前ら朝から何しとんねん。
心の中でりうらの話に突っ込んでいると、また睡魔が俺を引っ張って来る。
変にうるさくないし、落ち着いたりうらの声が耳に溶ける様だった。
赤
穏やかな寝息が、小さく耳に届く。
その手を改めてしっかりと握り直し、そっと口を開いた。
赤
早く元気になってね。
あったかい。
なんだろう、手を繋がれているのとはまた違う、まるごとあっためてくれるような。
黒
薄らと開いた目の隙間から、淡い水色を捉える。
水
黒
水
黒
何故、ほとけが同じベッドの中で寝ているのか。
水
黒
そもそもなんだマウントって。
水
黒
ニコニコと表情を緩ませるほとけに、視線を逸らしながら答える。正直に言うと、滅茶苦茶あったかい。
不服だが、ほとけは俺よりでかい。まろやないこと比べたらそこまで大差は無いが、それでも身長差はある。不服だが。
だから包み込まれる様にして寝ていれば、その分の温もりはしっかり感じる。朝の寒さなんて、何処かへ行ってしまった。
水
黒
水
黒
水
デコピンでもかましてやろうかと思ったが、生憎そんな力は風邪を引いた体に残っていなかった。残念。
水
黒
と言うかないこクレーム貰いすぎな。可哀想に。
水
黒
水
内緒話をする子どもの様に、声量を抑え楽しそうに話すほとけ。その話を聞いていたら、なんだかご飯を作りたくなって来た。1日作らないだけで物足りなくなるとか、俺も存外ハマってるんやな。
ほとけと話しながらゆったりとした時間を過ごしていれば、俺はまたいつの間にか眠りに着いていた。
次に目覚めた時、触れる温もりは無かった。
1人になったベッドも、誰とも繋がれていない手も、なんだか物足りなくて。そこまで寒くない筈なのに、朝よりも寒く感じた。
黒
そう言えば、まろと会っていないな、と思った。
部屋から出ようとした時に一瞬だけ顔を見たが、すぐに俺は倒れてしまったらしいし。
いつもなら、朝食を作り終えて部屋に起こしに行って、おはようとまろからハグされるのだが。
・・・彼の温もりが、ない。
いつもならこんなこと考えない筈なのに、ぼんやりと考えて、寂しくなった。
風邪のせいだ、こんなことを思うのは。
黒
ふと見渡した部屋の中、しまうのが面倒臭くて放置していた服の山の上に、一着だけ、俺のではないパーカーを見つけた。
それが誰のものかすぐに理解し、俺はベッドから降り床に足を付けた。
そのパーカーを手に取り、なんとなしに羽織ってみれば、ふわりと漂って来たのは彼の匂い。
黒
じわりと、目頭の奥が熱くなる。
やっぱり今日自分はおかしいようだ。寂しさに温もりを求めて、彼の匂いに泣きたくなる。
・・・こんなにも、会いたいと願う。
その時、扉がガチャ、と音を立てて開いた。
ハッと顔を上げれば、顔を覗かせ部屋に入って来たのはないこだった。
桃
ベッドで寝ている筈の病人が床に座り込んでいたことに最初は驚いていたないこだったが、俺が握るそのパーカーを目にして、声を小さくしていった。
桃
黒
この状況を持ってして何が違うと言うのか。我ながらよく分からないことを口走る。
桃
黒
ないこが手渡して来たのは、ココアの入ったマグカップだった。
桃
黒
昔、眠れなかった夜。そんな俺に気付いたまろがココアを作ってくれた。
肌寒い夜だった。でもそのココアを飲んだら、一瞬で体の中からあったまるような感じがして。
一口、飲む。
黒
桃
思わず、笑みが溢れてしまった。
───あぁ、あったかい。
青
遠くから、誰かの声がする。この声は凄く、聞き覚えのある、
青
黒
青
黒
微笑む彼に、目を開けて閉じてを繰り返す。
今俺はベッドの上だ。あれ、俺どうしたんだっけ。ないこが部屋に来てココアを貰って、それを飲んでから・・・。
どれだけ頭を働かせても、全く記憶に残っていなかった。でもまた寝てしまったんだろう。今日寝過ぎじゃね俺。
のそっと体を起こす。体の怠さはほとんど残っていなかった。額に貼られた冷えピタがぬるくなってる感じがしないことを考えれば、きっとみんなが代わり代わりずっと看病してくれたんだろう。
そしてふと、自分の右手が彼の左手と繋がれているのに気付いた。
じんわりと伝わってくる彼の体温が、心を落ち着かせる。
青
黒
急になんのことだろうと考えすぐに心当たりを見つけた俺は、恐らく顔が真っ赤になったことだろう。
黒
あの野郎ないこ言いやがった!!と心の中は大慌て。なんて誤魔化そう、いやもうどうしようもないんやけど。
青
黒
握られた手の力が強くなる。
青
ここぞとばかりに付け足して来るまろに、ふっと思わず笑ってしまう。
でも、そうだな。
黒
青
黒
じゃあ、今日くらいわがままの1つや2つ、言ってみようか。
黒
青
威勢の良い返事がなんだか可笑しくて、愛しくて、表情が緩むのを感じる。
今の最大限のわがままを、君に。
黒
青
俺の言葉を聞いて目を丸くしたまろはすぐに表情を緩ませ、ばっと腕を広げた。
青
体を包む彼の温もりに、思わず口元が緩むのを自覚した。
あぁ、好きだなぁ。
・・・もう二度と寒さなんて感じないくらいに、君の温もりで俺を。
コメント
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初コメ失礼です もうやばい初見で死ぬとか最高かよ(?)
なるほど、線のところがタイトルに繋がるんですね...てか何コレ尊い...