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@dx'gJ6,'p6"i3r5;unr3y7!?!?!?!?!!!(言葉にならない叫び) こんなに切ないお話早々ないですよ! こりゃーブクマ案件だ ていうか、私も9年間くらい片思いしていた好きな人に、今年振られたんですよ… 自分のこと見透かされたみたいで、ドキッとしました… 流石です!
春海暗
春海暗
春海暗
春海暗
春海暗
春海暗
春海暗
春海暗
春海暗
春海暗
片想いが 1番甘くて 1番苦い
俺がそれを思い知ったのは 高校2年の時だった
いふ
ないこ
ないこ
いふ
ないこ
聞いていたラブソングを止めて イヤホンをしまう
いふ
ないこ
ないこ
いふ
幼なじみのいふまろ。 俺はずっとまろに片想いしている
小2くらいだから… ざっと9年くらい
ないこ
いふ
ここまで気持ちが変わらないのも中々凄いと思うけど
やっぱり実らなきゃ意味が無いか
︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎
︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎
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廊下ですれ違う 女子達の会話
でもそういう話をされるだけでも 嬉しく感じてしまっていた
まろは意外にもモテるようで 女子に限らず男子からも人気だ
りうら
いふ
ないこ
まろがりうらに抱きつく スキンシップだと分かっていても
りうらが頬を赤く染めたのを見て 胸がキュッとしまった
いふ
いふ
りうら
ないこ
いふ
ないこ
ないこ
予想外のことに混乱気味に話す
ないこ
絞り出した言葉がこれ。
「おめでとう」なんて 祝福の言葉は どうしても出なかった
いふ
それでも、喜んでくれるまろ こういう、優しいところに 惹かれたんだ
持っていたカバンをギュッと 握りしめた
あっという間に放課後
頭の中は ごちゃごちゃだった
いふ
ないこ
いふ
ないこ
作り笑いで返す こうでもしないと 顔が引き攣る
りうら
りうらが俺の方を心配の目で見た 俺はもう1回 笑って見せた
いふ
︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎
いふ
いふ
ないこ
まさかのりうらと2人きり
りうらは平気だろうが 俺はどうにも気まづくて 声が出なかった
りうら
ないこ
りうら
りうら
ないこ
なんで、俺を心配すんの……?
ないこ
りうら
ないこ
ないこ
ないこ
怒りなのか、なんなのか分からないが、本音がこぼれてしまった
りうら
りうらが申し訳なさそうに おどおどしている
ないこ
ないこ
ないこ
ないこ
声が震えそうで 笑顔が崩れそうで
とにかく、辛かった
いふ
りうら
ないこ
いふ
まろがりうらの手を取る
ないこ
呪文のように 自分に言い続けた
悪いのは、俺だ
既に爪がくい込んでいる拳に もっと力を入れた
それからと言うもの まろと会うことすら 気まづくなってしまった
俺はまろを 避けるようになってしまった
登校時間を早くして なるべく他の友達と過ごして
それでも…まろは
いふ
ないこ
いふ
ないこ
ずっと俺に 話しかけようとしてくる
ないこ
気づけば俺は 周りが心配するほど 体調がおかしくなっていた
ここ1ヶ月くらい まともに寝てないし 食欲もない
今日も授業の内容なんて ろくに頭に入らなかった
ないこ
いふ
初兎
ないこ
初兎
初兎
ないこ
初兎
いふ
ないこ
初兎
初兎
ないこ
初兎
ないこ
初兎
ないこ
初兎
初兎
ないこ
初兎
ないこ
自分でも分かっていた
ただ、逃げてるだけだって
だから、ちゃんと現実と向き合わないと…
ないこ
初兎
ないこ
イヤホンを片方初兎ちゃんに渡す
ちょうど9年前くらいから ずっと聞いてる 古いラブソング
初めて、誰かと聞いた
その日の放課後
まろに空き教室に 1人で来るように言った
まろが来るまでの時間 ずっとイヤホンを付けて ラブソングを聞く
たった10分くらいだったのに とても長く感じた
いふ
ないこ
ないこ
いふ
ないこ
いふ
いふ
ほんと…そういうところ
ないこ
いふ
ないこ
ないこ
ないこ
いふ
ないこ
ないこの震える声
急な事に すぐ返事ができなかった
ないこ
いふ
ないこ
ないこ
いふ
チュッ…
いふ
ないこ
ないこ
ないこが小悪魔っぽく笑った
ないこ
ないこ
俺があげたイヤホン 大事にしてくれてたのだろう 汚れひとつ無い
いふ
ないこ
ないこ
ないこ
ドアが閉まる音が 耳に残る
いふ
ないこの体は 小刻みに震えていた
以前より痩せて 目の隈も酷くて
何もしてあげられなかった 何もいえなかった
いふ
イヤホンを握りしめたまま その場に立ち尽くした
ないこ
頭がクラクラする中 無理やり足を進める
まろが追いかけて来るかも しれないから
早く、遠くに
ないこ
ないこ
屋上に着いた途端 動かなくなる足
小陰に腰を下ろした
ないこ
息が整わない。
ないこ
だんだんとぼやけてくる視界
ないこ
空は腹がたつほど晴れて 夏の熱い空気が入り込んでくる
ないこ
ないこ
頭に流れてくる音楽にのせて歌う
霞んだ声しかでなかったけど
ないこ
ないこ
ラブソングを歌っていた 口が勝手に止まる
俺は何かが切れたように 意識を手放した
俺の目にできた水たまりが 夕日に照らされた