中学生類
……冬弥。身体の調子はどうだい…?

その言葉に反応するように、病室のベットで絵本を読んでる少年が、ゆっくりと絵本から顔を上げる。
ショタ冬弥
…あ、にぃに……。えっと…昨日にくらべたら……。

中学生類
そっか…それは良かったよ。

ショタ冬弥
心配かけて…ごめんなさい………。

中学生類
いや、大丈夫だよ。

そう会話を交わした類は、冬弥の病室のベットの近くにある椅子に腰かける。
ショタ冬弥
……にぃに…。

ショタ冬弥
……今日は…中学校……お休みの日じゃないよね…?

中学生類
……そうだよ。

中学生類
冬弥の言う通り、今日は…お休みじゃないよ。中学は……

ショタ冬弥
……え?…。

ショタ冬弥
あ、にぃに…。

ショタ冬弥
もしかして……制服のまま……?

中学生類
フフ、その通り。

中学生類
制服のまま、学校をサボって来たんだよ。

類はそう言って『学校をサボるのは当たり前』のように軽く笑う。
ショタ冬弥
……にぃに……。

ショタ冬弥
おサボりは…いけないって…ぼくは思う……。

中学生類
そうは言われてもね……。

中学生類
…学校にいても、つまらないんだよ……。

ショタ冬弥
……にぃに……。

ショタ冬弥
…なんのための学校なの…?

中学生類
サボるための学校。

ショタ冬弥
……にぃに……ねねさんはどうするの……?

中学生類
寧々とは家が隣家同士だから、いつでも会えるってこと…、冬弥もわかっているだろう?

中学生類
だから、学校で会わなくてもいいんだよ。

ショタ冬弥
……?…。

ショタ冬弥
でも…にぃにの…お話し相手になってくれる……あきやま?さん?は……どうするの…?

冬弥は類の話しを聞いて、頭に疑問符を浮かべながら言う。
中学生類
……あの子だって……学校をサボってるよ。

中学生類
……それに、あの子とはクラスも学年も違うからね…。

中学生類
……あの子と話すのは……お互いの話し相手が、お互いしか居ないから話してるんだよ。

ショタ冬弥
……そうなんだ…。

ショタ冬弥
でも…にぃには……それでいいの…?

中学生類
…………。

中学生類
…僕からしたら、あの子と話すより、冬弥の方が“大切で大事な存在”なんだよ。

ショタ冬弥
…そう…なの……?

中学生類
そうだよ。

中学生類
僕は…冬弥に会いたいから……学校をサボって、冬弥が入院してる病院に来るんだよ。

ショタ冬弥
……にぃにらしいね…。

中学生類
そうだろう?…それに、冬弥に会えないなんて、俺からしたら地獄のような日々だからね……。

ショタ冬弥
……さすがに……それは…言いすぎだと思う…。

中学生類
俺からしたら、だよ。

ふと類の目に、冬弥の左手首に刺さっている点滴が映る。
中学生類
冬弥?…もしかして……

ショタ冬弥
……うん…。

ショタ冬弥
見てのとおり、てんてきだよ…。

中学生類
……そんな(点滴をする程まで)に……身体が…?

ショタ冬弥
……………。(黙って頷く)

ショタ冬弥
……もしかしたら……ぼく…たいいん……できないかもしれない…。

中学生類
そんな……っ!

冬弥のその言葉を聞いた途端、自分が造ったロボットやドローンで楽しそうに遊んでる時の冬弥の姿が過ぎる。
中学生類
それじゃぁ……冬弥は……っ!

ショタ冬弥
……うん……。

ショタ冬弥
ぼく、しんじゃうかもしれない…。

冬弥はそうに言うと、悲しそうに病室の窓から外を見る
中学生類
心『──弟の…冬弥の“生きる道”は……病気のせいで潰れた……。いや…潰されてしまった……。』

ショタ冬弥
……あのね…にぃに。

中学生類
…何……。

ショタ冬弥
ぜったいに…しんじゃうとはかぎらないんだって……。

中学生類
……え…?

ショタ冬弥
……ぼくをみてくれてる先生がね…。

ショタ冬弥
……心ぞうの手じゅつをすれば……ぼくのびょう気は…なおるかもしれないんだって……!(軽く微笑む)

中学生類
そうなのかい?…それは……本当のことなの…?

ショタ冬弥
……うん、本当だよ。

ショタ冬弥
心『……にぃに…。ごめんなさい…。』

ショタ冬弥
心『本当は……手じゅつをしても……治るか…わからないんだ……。』

ショタ冬弥
心『……今まで、ウソはつかなかったのに…今日だけ……ウソをついてごめんなさい…。』

ショタ冬弥
心『…でも……にぃにを心配させたくなかったから……。』

中学生類
そっか…それを聞いて安心したよ。

中学生類
でもね、冬弥。

ショタ冬弥
?…なあに?にぃに?

中学生類
心臓の病気が治ったとしても、

ショタ冬弥
うん…!

中学生類
…ちゃんと完治するまで大人しくしてるんだよ?

ショタ冬弥
ぅっ…。

ショタ冬弥
にぃには…ときどき…ぼくのいたいところをついてくる……。

中学生類
ふふふ、それほど…俺にとって、冬弥は“大切”で“大事”な“存在”なんだよ

ショタ冬弥
…それは…わかっているよ………。

中学生類
……そう言えば…今日ね、新幹線の中で…僕と同い歳くらいの男の人に声をかけられたんだ。

ショタ冬弥
……?……にぃにと…同い歳くらいの男の人?

中学生類
ああ、

ショタ冬弥
なんて声をかけられたの?

中学生類
そうだね……その男の人がね…「君も…誰かの見舞いか?」って、いきなり言ってきたんだ。

ショタ冬弥
そうなんだ…なんで……いきなり声をかけたんだろうね…?

中学生類
さぁね…

ショタ冬弥
……でも、その人も…にぃにと同じ、しんかんせんに乗ってたんだよね?

中学生類
そうだけど…それがどうかしたのかい?

ショタ冬弥
えっと……その人も…にぃにみたいに学校サボったのかなって……

中学生類
ああ…なるほどね……。

中学生類
でも、それは無いよ。

ショタ冬弥
……そうなの…?

中学生類
ああ、ちゃんと学校に休むと言う連絡をしたらしいからね。

ショタ冬弥
そうなんだ…でも……なんでその人は…にぃにに声をかけたの?

中学生類
実はね、その人の弟くんがサッカーをしていたらしいんだけど……

中学生類
大怪我をしてしまって…、冬弥と同じ、この病院に入院してるみたいなんだ。

ショタ冬弥
そうなの?

中学生類
ああ、名前は……天馬彰人くんと言うらしいよ。

ショタ冬弥
てんま…あきと……。

冬弥はそう言うと、心当たりがあるような表情をする。
ショタ冬弥
ねえ、にぃに。

中学生類
なんだい?

ショタ冬弥
その…、てんま…あきとくんって……オレンジ色の髪の毛に……黄色い瞳の男の子…?

冬弥は類にそう聞くと、類は驚いたように目を丸くする。
中学生類
そうだけど……冬弥…知ってるのかい?

ショタ冬弥
えっと…知ってるって言うか……よく、ぼくのお部屋に遊びに来てくれるの……!

中学生類
冬弥の病室に?

ショタ冬弥
うん…!そうだよ…!

ショタ彰人
とーや!きょうもきたぞ!

冬弥の病室の扉を開けて、オレンジ色の髪をした黄色い瞳の男の子が来る。
中学生類
…おや?君が……天馬彰人くんかな?

ショタ彰人
そーだけど……お兄さんだれだ?

中学生類
ああ、名乗り遅れたね……。

中学生類
…僕は、神代類というんだ。

ショタ彰人
かみしろ…るい?

中学生類
そうだよ。

ショタ彰人
かみしろ……かみしろ……もしかして、とーやのにーちゃん?

中学生類
ああ、その通りだよ。

中学生類
いつも冬弥と遊んでくれてありがとね。

ショタ彰人
ああ!

彰人とそんな風に話していると、1人の青年の声がする。
中学生司
彰人!

ショタ彰人
……げっ…

中学生司
また自分の病室を抜け出して、この病室に来たのか?

中学生類
……やあ、新幹線の中以来だね…。“君”。

中学生司
ん?おお!オレの反対側の席に居た君か!(病室なのに大声)

中学生類
…まぁね……。

中学生類
僕は…こんな形で、君とまた会うとは思わなかったよ…。

中学生類
……というか、ここ、病室なんだからさ……静かにしたらどうだい?

中学生司
そうだったな…悪かった……。

中学生類
まぁ、いいけどさ……。

中学生類
…でも、冬弥……。

中学生司
?…冬弥……?

中学生類
俺の弟。

中学生司
あ、あぁ…

中学生司
心『こ、呼称が変わった…?』

中学生司
心『彼は…二重人格なのか…?』

中学生類
俺の弟が驚いて、

中学生類
弟の心臓に何かあったら……どうしてくれるんだい?(大声を出した青年に威圧するように注意する)

中学生司
す…すまん…。

中学生類
ところで、君…名前は?

中学生司
ああ、オレの名前は天馬司だ。君は?

中学生類
……神代類だよ。

中学生司
そうか、なら…神代と呼ぶな!

中学生類
……天馬くんの好きにすればいいよ…。

お互いの自己紹介を終えると、類と司は、お互いの弟を見る。
中学生司
それにしても…彰人。

ショタ彰人
なんだよ。にーちゃん

中学生司
お前…いつの間に友人ができたんだ?

ショタ彰人
…おれがぐうぜん、この部屋をのぞいたんだ。

中学生類
冬弥も、いつの間に友達ができたんだい?

ショタ冬弥
え?……えっと…さいしょは…あきとくんが“このお部屋”をのぞいていたんだ…!

中学生司
なるほどな、それで気付けばそれが習慣づいて……

中学生類
知らない内に友達になっていたんだね?

ショタ冬弥
うん!

ショタ彰人
そうだぜ!
