ーこれは、僕がすとぷりをやめようと思っていた時のお話ー 「いや!るぅと君が悪いんだよ!」 「ねぇ!やめてよぉ、そんな事ないよ!」 こんな何気ない会話。 でも、僕は少し苦しかった。 おふざけだってことは分かってても、辛かった。 時は流れ 僕達すとぷりは有名になった。 有名になるにつれて僕へのおふざけもだんだんエスカレートしていった。 嘘を言われるようにもなった。 それもおふざけ。全て冗談なんだって心に言い聞かせても無駄だった。 辛くて辛くて。 僕はすとぷりをやめようと思った。 これ以上居ると僕が居なくなってしまう。 「ななもりさん、僕すとぷり辞めたいんです。」 「え?」 とても驚いていた。 今までの事を全て話した。 「そっか。分かった。いいよ。」 ……… 「…はい。」 他のメンバーにはどうやって話そう。 引かれるかな。冗談だったのにって。 怖いなぁ。すとぷりを辞める以上に 怖いなぁ。 最初は莉犬に話した。 「莉犬、僕ね…」 「うん!どうしたの??」 「……」 「?」 ダメだ。言えない。 莉犬にだけは言えない。 「やっぱり、なんでもないよ!」 「えぇ?気になる!」 その頃ななもりは。 「もしもし、ジェルくん?」 「あ、ななもりさん!どうしました?」 「相談なんだけど…」 かくがくしかじか… 「……止めなくていいんですか?」 「大丈夫。るぅと君なら大丈夫。」 「なんで言い切れるんですか?」 「……」 「さとみ君!」 「お?どーした莉犬?」 「なんか、るぅちゃんがおかしい」 「はい?」 「なんか、おかしいんだよ。」 「気のせいじゃないのか?」 「放送でも普通だったし。」 「…そうかな。気のせいなのかな」 「そうだよ。」 ころちゃんに言おうかな。 言えるかな、また莉犬みたいにならないかな… 「もしもし、ころちゃん?」 「うん?なに?」 「話があるんだけど」 「なに?」 「…もしかして今忙しい?」 「…まぁ、うん。」 「そっか、じゃいいよ。」 「…うん。じゃあね。」 また言えなかった。どうしよう。 最近怖い夢を見るんだ。 すとぷりからるぅとくんが居なくなる夢。怖くてるぅとくんと話せてない。 今日もるぅとくんから電話あったのに 忙しいって嘘ついちゃった。 「ななもりさん。最近夢を見るんです。」 「え?」 「るぅと君がすとぷりを辞めるんです。」 「…それで?」 「すとぷりをやめて、作曲家になるんです。」 「とっても有名な作曲家になって、すとぷりの事を忘れてしまうんです。」 「…僕の事も。」 「…」 「会いに行くんです。いつも。僕が。そしたら、誰?って聞いてくるんです。そんな夢を見るんです。」 「…そっか。」 るぅとがおかしい… 莉犬が言うからには相当なんだろう。 気にはなるが、それどころじゃない。 正直。でも、一応聞いておくか。 「るぅと?なんかあったか?」 「え?何もないよ?大丈夫!」 「そうか。」 「うん!さとみくんの方こそ大丈夫?」 「おう。俺は大丈夫だ。」 なーくんが言った、 「大丈夫。るぅとくんなら大丈夫。」 なんでだろう。なーくんが言うと大丈夫な気がする。 でも… 「もし、本当に辞めるってなったら一緒に止めてね?」 あんなに自信のないなーくんも初めてだ。困惑してるのかな。 俺のせいなのかな。 るぅとくんなら大丈夫って言ったけど 正直不安だ。 ジェルくんなら分かってくれると思って話したけど大丈夫だよね。 るぅとくんはきっとすとぷりを辞めない。辞めれない。そもそもメンバーにこの事を言えない。と思う。 どうしよう。 全然言えない。 ジェル君にも言える気がしない。 さとみ君は…無理だ。 誰にも言えない。 どうしよう。。 やっぱりるぅとくんおかしい。 何か隠してる気がする。 そんなに後ろめたい事なのかな。。 「るぅとくん!!」 え…ころちゃん? 「るぅとくん!大丈夫?」 「なんでここに居るんですか?」 「ごめんね、るぅとくん」 「助けてあげられなくて。」 「え?」 「じゃあね。」 「まって!ころちゃん!」 …夢か。 あぁ。このまま僕みんなに何も言わずにすとぷり続けるのかな。。 そんなのおかしいはずなのに。 なんで言えないんだろう。 「ななもりさん。やっぱり気になります。なんでるぅと君が言えないって分かったんですか?」 「…」 「ななもりさん?」 「…るぅと君はね。すとぷりの事やめたくないはずなんだ。」 「え?」 「ああ言ってるだけで本当は分かってるんだよ。自分が本当にすとぷりをやめたい理由。」 「ななもりさんは分かるんですか?」 「るぅと君が本当にすとぷりをやめたい理由」 「…分かるよ。けど言わない。」 「なんでですか?!解決しませんよね?」 「ちゃんと見つけてあげて。ジェルくん。」 「そんな事言われても…」 「ねぇ、さとみ君。」 「あ?」 「るぅと君最近おかしなことあった?」 「…莉犬も同じ事言ってたぞ」 「え、莉犬くんが?」 「あぁ、莉犬に聞けば??」 「うん、そうする。」 「ねぇるぅと君。」 「どうしたの?莉犬?」 「隠し事してる?」 「…してないよ?」 「嘘だね。最近おかしいもん。」 「大丈夫だよ。」 「るぅと君!」 「大丈夫だって…」 「ちゃんと相談してよ!」 「……」 「るぅとくん?」 「…関係ないでしょ、大丈夫だから」 「わかったよ。もう知らない。」 るぅとくんと喧嘩しちゃったや。 いつぶりだろう。こんなにも自分が絶対に正しいと思う喧嘩は。 「莉犬くん?」 「どしたの、ころちゃん」 「るぅと君最近おかしくない?」 「…そんな事ないよ。るぅとくんなんか知らない。」 「え?どうしたの?喧嘩でもした?」 「……」 莉犬が気にかけてくれてるのは分かってる。けど、いえないよ。。どうしよう。 「ななもりさん。僕皆んなにすとぷり辞めたいって言えないんですよ。」 「……なんで?」 「だって。。怖いんです。」 「なんで怖いの?」 「引かれるんじゃないかって。」 「なんで引かれるの?」 「冗談だったのに。って」 「されてるるぅと君が嫌だったらダメな事なんだよ。」 「?」 「だからね。皆んなが冗談だと思っててもるぅと君が冗談じゃないって言うなら冗談じゃないんだよ。」 「だとしても…!」 「これで引かれる理由はないでしょ?」 「確かにそうですけど…」 「そしたら、なんでるぅと君はみんなに言えないの?」 「…たとえみんなが冗談じゃないと思ってても、僕は冗談だと思われてると思うんです。」 「そこまで言い切れるなら、みんながるぅと君に対して言ってる言葉は冗談だって分かってるんじゃないの?」 「その冗談が辛いんです。」 「本当に?」 「はい。」 ななもりさん。あー言ってるけど、るぅと君が辞めたい理由なんてるぅと君しか知らないじゃないですか。。 なんで俺達が考えなきゃ… 俺。今仲間に対してめんどくさいって思ったのか…? 1週間が経ってしまった。 莉犬とも口を聞いていないし。。 みんな、雰囲気が良くない…気がする 苦しいなぁ。。 るぅと君、気使ってたな。分かるんだよ。こんなに長く一緒にいたらさ。同級生だし。相談、あるのかな。なーくんとかには言ってるのかな。俺頼りないかな。。 やっぱりるぅと君おかしい。莉犬くんも。なーくんもなにかおかしかったし、ジェルくんも。空気が重い。。 なにかあったのかな。。 みんななにが起きているだ。なんでこんなことになってるんだ。今日の放送酷かった。こんなに酷い放送初めてだ。おかしい。何かがおかしい。 今日酷かった。俺ほとんど喋ってなかった気がする。ななもりさんはるぅと君が辞めたい理由は他にあるって言ってたけど、気使いすぎてなんも喋れんかった。本当に。俺達って案外弱いんかな。。 やっぱりこんな事があったらこうなるよね。でも、俺達ちゃんとした喧嘩した事ないんだよね。どこか他人行儀なんだよね。いつも。これはいいチャンスかもしれない。けど一つ間違えると最悪すとぷり解散になってしまう。 不安だ。とても。 「みんな。一回集まろう。」 「急にどしたの?ころちゃん。」 「この前の放送。酷かったよ。」 「………」 「一旦話そう。みんなで。」 すとぷりハウスこと莉犬家にて。 「じゃ。まず、なにも知らない人いる?」 「……」 「正直俺はなんも知らない。るぅとが最近おかしいぐらいしか知らん。」 「そしたら、莉犬君から。なにがあったの?」 「…最近るぅと君がおかしかったから大丈夫?って聞いたら、ほっといてって言われた。だからもう知らないって言って、喧嘩したの。」 「そういうつもりは…!」 「わかってる。なかったんでしょ?」 「…うん。」 「それでも、傷ついたから。勝手に。そして勝手に喧嘩した。」 「じゃ、次ころんな。」 「僕は…」 「ころちゃん?」 「…変な夢を見るんです。るぅと君が "すとぷりを辞める" 夢。」 「!?」 「そして、作曲家になるんです。その時会いに行ったらすとぷりの事も僕の事も忘れてるんです。なんで覚えてないの?って聞くと "自分が嫌だった記憶は消えるんです。" って。いつもそんな夢を見るんです」 「……るぅとくん?」 「なにその夢…」 「!?ご、ごめん。泣かないでよ」 「…え?」 「泣かないで。」 気づけば僕もころちゃんも泣いていた。 「…るぅとくん。もしかしてすとぷり辞めたいの?」 「そんな事ない!!」 「……」 「はい。重い空気はおしまい。 これでわかったでしょ?るぅとくん。ジェルくん。」 そっか。合ってたんだ。るぅと君がすとぷりを辞めたい理由はるぅと君しか知らないんだ。それでいいんだ。 「…るぅとくん?なんですとぷりを辞めたいの?」 「…怖かったから…」 「?」 「怖かったんです。僕みたいななにもできないのがすとぷりにいる事。ずっとずっと悩んでた。なーくんと違って沢山の事を背負えない。さとみ君ころちゃんジェル君と違って毎日投稿なんてできない。莉犬と違って沢山沢山歌えない。そんな僕がすとぷりにいる事が怖かった。怖かったです。」 「すとぷりという幸せな場所に居ていい人間じゃないんです。僕は。」 ふと顔を上げるとみんな泣いていた。 「…るぅと君。俺、るぅとみたいにゲーム上手くないし、曲も作れない。音楽にも詳しくないよ。」 「そうだよ。なにもかも完璧にできる人なんて数限られてるんだから。」 「それがたまたま俺達は毎日投稿だっただけ。」 「怖いのはみんな同じだよ。」 「みんな違った色でいいんだから。」 視界が見えなくなる。 みんながぼやけていく。 僕、ここにいれて幸せだなぁ ここに居たら怖いもの無しだよ。 なにも怖くない。 みんながいるから。 この思い出が「大好きになればいいんじゃない?」のセリフ部分の参考になったのはまた先のお話ーー ーーーーーーーーーーーーーーーーー ありがとうございました!! 本当に久々ですいません🙇♀️🙇♀️🙇♀️ 「すとぷり魔法学園!」は少しお休みさせていただきます。すいません🙇♀️ 不定期に投稿させていただきます。 そしたらまたお会いしましょう。
コメント
1件
( *˙0˙*)۶オーーーーーーー