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夜、学院の屋上

昼間の喧騒が嘘のように静まり返り、 薄雲の向こうに月がぼんやりと滲んでいた

風が吹き抜けるたび、屋上のフェンスがかすかに軋む音が響く

藍川真流

やっぱ、夜の屋上って妙に落ち着くね

藍川真流

授業も人もいないってだけで、こう……解放された感じ?

如月 幸斗

落ち着くか?俺は風強すぎて髪グチャグチャなんだけど

如月 不稲

ふふ、でもこうしてまた集まれてよかったよね。昼間はバタバタしてたから……

如月 漣夜

で、探索の話だが

如月 漣夜

……まずは図書館だろ。
んで、その次に職員室。センサー付きらしいが、誰もいないなら問題ねぇ

如月 幸斗

職員室に行く前にデータ的なものを集めたほうが効率的だしな

如月 幸斗

……まぁ、今のうちにわかること全部洗い出しとこうぜ

幸斗がポケットからメモ帳を取り出してパラパラと確認する

如月 幸斗

とりあえず、西棟三階。
図書館はそこ

如月 不稲

じゃ、行こっか

不稲が頷き、四人は屋上を後にする

西棟の廊下は薄暗く、夜間照明がほとんど機能していないのか、 足元さえ見えにくい

誰もいない校舎は、昼とは打って変わってまるで別世界のようだ

(背景は真っ昼間だが....)

やがて、図書館の重厚な扉の前に辿り着く。 漣夜が無言でドアノブを回す

如月 漣夜

……鍵だ。開かねぇ

カチャリという音だけが虚しく響く

如月 漣夜

……で、どうする?
鍵開け?ぶっ壊す?

如月 幸斗

は?なんでそんな面倒なことする必要があるんだよ

幸斗がため息をつくように呟いた

内ポケットから小瓶を取り出し、中の液体を一口だけ口に含む

如月 幸斗

……門の創造、【 】

空間がぐにゃりと歪む

扉の前、宙にうっすらと青白い光の裂け目が開き、 静かに門が出現した

如月 漣夜

おいおい、便利すぎだろそれ……チートか?

如月 幸斗

俺の場合、マナ薬飲まなきゃ使えねぇし、詠唱短くするには訓練要るんだよ

如月 幸斗

バカでも使えるもん
じゃねーし

幸斗が軽く笑い、門をくぐる

如月 不稲

はいはい、ありがと、
天才さん

中に入ると、図書館の空気はひんやりと湿っていた

照明は消えていたが、 窓から差し込む月明かりが書架の間を淡く照らしていた

如月 幸斗

よし、それぞれ手分けして調べようぜ

如月 幸斗

とにかく、校長が言ってた“真白晴”の情報を追う

幸斗が指示を飛ばし、一同は散らばって資料を漁り始める

数分後、不稲が棚の奥からファイルを取り出し、声を上げた

如月 不稲

これ……! 見つけたかも

集まってきた三人に、不稲は開いたページを見せた

そこには、真白晴の芸能活動に関する詳細な資料が記載されていた

如月 漣夜

男の娘……系アイドル?

藍川真流

うわ、めちゃくちゃ人気だったっぽいじゃん

藍川真流

SNSのフォロワー数エグ……

如月 幸斗

見た目、悪くないな。
てか普通に女顔すぎる

幸斗が資料の中の写真を見つめて言う

そこには、ふわふわの白髪と少女のような 笑顔で微笑む晴の姿があった

藍川真流

でもさ……ここ。
『活動休止』ってなってる

藍川真流

しかも“運営の都合により”って曖昧すぎ

藍川真流

ファンから理由を求められても、回答なし

藍川真流

まるで……強制的に消されたみたいな

藍川真流

それとも……アイドルやってること自体、まずかった?

真流が腕を組み、考え込む

幸斗はしばらく資料をじっと見つめていたが、ふっと吐息をついた

如月 幸斗

……これ、多分、裏あるな。普通に病気とか事故ならそれ書くだろ

如月 幸斗

あえて何も言ってないってことは、言えない理由がある

如月 漣夜

まあ、そうだろうな。人気絶頂だったんならなおさら

如月 漣夜

他には……書いてねぇか

如月 不稲

関係者に聞くしかないかもね

如月 不稲

例えば……校長とか、
本人とか

如月 幸斗

本人に会えりゃ一番早いけどな。生きてりゃ、だけど

幸斗の言葉に、全員が一瞬黙り込んだ

藍川真流

ま、調べりゃ出てくるだろ

藍川真流

隠してるなら、暴きゃいい

如月 漣夜

……よし、次は職員室だな

【参加型】残響のアンノーン

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