夜、学院の屋上
昼間の喧騒が嘘のように静まり返り、 薄雲の向こうに月がぼんやりと滲んでいた
風が吹き抜けるたび、屋上のフェンスがかすかに軋む音が響く
藍川真流
藍川真流
如月 幸斗
如月 不稲
如月 漣夜
如月 漣夜
んで、その次に職員室。センサー付きらしいが、誰もいないなら問題ねぇ
如月 幸斗
如月 幸斗
幸斗がポケットからメモ帳を取り出してパラパラと確認する
如月 幸斗
図書館はそこ
如月 不稲
不稲が頷き、四人は屋上を後にする
西棟の廊下は薄暗く、夜間照明がほとんど機能していないのか、 足元さえ見えにくい
誰もいない校舎は、昼とは打って変わってまるで別世界のようだ
(背景は真っ昼間だが....)
やがて、図書館の重厚な扉の前に辿り着く。 漣夜が無言でドアノブを回す
如月 漣夜
カチャリという音だけが虚しく響く
如月 漣夜
鍵開け?ぶっ壊す?
如月 幸斗
幸斗がため息をつくように呟いた
内ポケットから小瓶を取り出し、中の液体を一口だけ口に含む
如月 幸斗
空間がぐにゃりと歪む
扉の前、宙にうっすらと青白い光の裂け目が開き、 静かに門が出現した
如月 漣夜
如月 幸斗
如月 幸斗
じゃねーし
幸斗が軽く笑い、門をくぐる
如月 不稲
天才さん
中に入ると、図書館の空気はひんやりと湿っていた
照明は消えていたが、 窓から差し込む月明かりが書架の間を淡く照らしていた
如月 幸斗
如月 幸斗
幸斗が指示を飛ばし、一同は散らばって資料を漁り始める
数分後、不稲が棚の奥からファイルを取り出し、声を上げた
如月 不稲
集まってきた三人に、不稲は開いたページを見せた
そこには、真白晴の芸能活動に関する詳細な資料が記載されていた
如月 漣夜
藍川真流
藍川真流
如月 幸斗
てか普通に女顔すぎる
幸斗が資料の中の写真を見つめて言う
そこには、ふわふわの白髪と少女のような 笑顔で微笑む晴の姿があった
藍川真流
『活動休止』ってなってる
藍川真流
藍川真流
藍川真流
藍川真流
真流が腕を組み、考え込む
幸斗はしばらく資料をじっと見つめていたが、ふっと吐息をついた
如月 幸斗
如月 幸斗
如月 漣夜
如月 漣夜
如月 不稲
如月 不稲
本人とか
如月 幸斗
幸斗の言葉に、全員が一瞬黙り込んだ
藍川真流
藍川真流
如月 漣夜