海花(うか)
海花(うか)
海花(うか)
海花(うか)
海花(うか)
通報❌ アンチ❌
海花の父
の二択をお父さんから迫られて
海花(うか)
と考えた末の、消去法の選択だった
本当は春休みの間に引っ越して入学式から登校する予定だったけれど、 わけあって1ヶ月遅れて、ゴールデンウィークに入った今日から鳥鳥浦に住むことになった。
長い連休が明けたらとうとう初登校ということになる。 入学以来ずっと欠席していて、休み明けに突然教室に入ってきた人間を、 クラスメイト達はどんな目で見るのだろうか
想像しただけでも気が重くなった。 しかも、地元から遠く離れた祖父母の家にお世話ににお世話になりながら学校に通うというのは、表面上はお父さんのすすめと言う形ではあったけれど、実際には体のいい厄介払いのようなものだ。
それは、私が中学で問題を起こしたからだった。 手のかるい娘だから家を追い出されたのも同然なのだと、私はちゃんと分かっていた。祖父母だって、娘婿からの頼みを断り切れずに 面倒な孫を押しつけられてしまった、と思っているに違いない。
そういう状況だったから、高校生活への期待や新天地への希望なんて、持てるわけがないことだ。憂鬱になって当然だ。 そんなことを思いながら、もうすぐ迎えにくるはずの祖父母をぼんやりと 待っていたときだった。
???
突然うしろから声が聞こえてきて、私は驚いて振り向いた。 そこにいたのは、自転車にまたがって無表情にこちらをじっと見ている、 同い年くらいの男の子だった。
第1印象は、瞳が強い、だった。 頭上から燦々と降り注ぐ太陽の光を全部集めて詰め込んだような、 強くてまっすぐな瞳。
今にも射抜かれそうな眼差しに、思わず硬直してしまう。 こういうふうに真正面から見つめてくる視線が、私は苦手だった。
どうして私に声をかけたんだろう。 どうして私の名前を知っているんだろう。 疑問に心を奪われて無言で立ち尽くしていると 彼は軽く眉をひそめて首を傾げながら自転車を降り、また口を開いた。
???
海花(うか)
ぼそりと答えると彼は小さくうなずいて言った。
???
蓮斗(れんと)
それから彼がずっといっと右手を差し出してくる。まさか握手を求めているのか。嫌だ。戸惑って黙り込んでいると、彼はぶっきらぼうな口調で
蓮斗(れんと)
と言った。自分の勘違いに気づいて、恥ずかしさに私は首を振る。
海花(うか)
すると彼は苛々したように眉根を寄せ、
蓮斗(れんと)
と旅行鞄を奪い取った。 慌てて取り返そうとした私に背を向け、自転車の荷台に鞄をのせてバンドで留める。そして無言のままハンドルをつかみ自転車を押して歩き出した
全く状況を理解できていなかったし、正直、 知らない男の子についていくのにも抵抗がある。 でも荷物を取られてしまったから、仕方がない。
海花(うか)
渋々あとを追いながら背中に問いかけると、 彼はどこかうざったそうな顔で振り向いて足を止めた。 なんか、怖い、この人。
蓮斗(れんと)
海花(うか)
ほんとに同い年だ。嫌だな。 私はこっそり、ふぅっと息を吐く。 今日だけで何回ため息をついただろう。
海花(うか)
コメント
20件
最高です❤︎
初コメ失礼します 最高です!
最高すぎて言葉にならん()