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どんどんと視界が歪んでいった。 ゆあんくんの顔がよく見えない。
喉の奥はきゅっと閉まって 燃えるように熱い。
心臓の鼓動が速くなる。
あぁ…知ってる。
俺はこの感情を知ってる。
この短期間で何度も体験した。 この痛み。
何もできないという悔しさと 何も気が付けていなかった という無力感。 後悔、自分への失望。
ゆあん
じゃぱぱ
ゆあん
ゆあん
だからじゃぱぱは悪くないよって。 背中を撫でてくれたゆあんくん。
ごめん。ごめん。
辛いのはゆあんくんなのに。 何倍もゆあんくんの方が辛いのに。 俺が泣いて、慰められて。
あぁ…本当俺どうしようもないじゃん。
ゆあん
じゃぱぱ
じゃぱぱ
ゆあん
じゃぱぱ
ゆあん
勢いよくゆあんくんの手を握って 俺は力を込めた。
今まで辛い思いさせてごめん。
気付かなくてごめん。
これからは、絶対。 絶対俺が守るから。
一緒に行こう。
ゆあん
じゃぱぱ
ゆあん
じゃぱぱ
ゆあん
ゆあんくんが元気に笑うから 俺は泣きそうになる。
ゆあんくん。 こっちに来てから あんなに俺を避けてたけど 今は俺を信じてくれる。 自分の想いに正直になってくれて これを拒絶しないでくれて ありがとう。
ゆあん
俺も考えた現実世界へ戻る方法を 話すにあたってまず前提に置きたい 仮説がある。
まず満月の日から動き始めた月は タイムリミットを表してる。 それを俺は新月までのタイムリミット ではないかと考えた。
新月は俺たちはこの歪みに落ちた きっかけでもあるし どこかしら現実世界とリンクする だろうと考える。
月やあの事故も新月に向けて 現実との繋がりが強くなって いたことの表れだろう。
ゆあん
じゃぱぱ
俺が思うに新月に起こるのは リンクじゃなくて歪み。
ブラックムーンで一度歪んで 次の新月で歪みが現れるのは ほぼ確実だと思う。
ここだけが唯一の出口だ。
重要なのはその場所が何処なのか。
ゆあん
じゃぱぱ
「あの踏切だと思う。」
そうあの踏切に2人で飛び込む。
そうすれば現実世界に戻れる と俺は考えるのだ。
じゃぱぱ
明日は新月。つまりもう時間は無い。
そこで明日の過ごし方として ループが始まる前のきっかけの日。 そうゆあんくんが自ら命を断った あの日と同じ過ごし方をする 必要があった。
違うことをすれば きっとそれによって 起きた変化が未来に影響する。
過去を変える事はあってはならない。
ゆあん
じゃぱぱ
じゃぱぱ
ゆあん
あの日をよく思い出してみれば ゆあんくんは少し機嫌が良くなかった。
何かあの日にあったんだろう。
でも今それを聞くべきでは ないと思った。
じゃぱぱ
ゆあん
ちゃんとメッセージも送るから！ と笑って部屋を出て行った ゆあんくんの背中を眺めて 扉が閉まってゆあんくんが 見えなくなっても俺は木の扉を じっと見つめていた。
いつ言えばいいだろうか。
ゆあんくんに、
好きだって。
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