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榛稀
祝福のメシアとアイの塔
終焉の大地の果て 残された子らは
頼りなく小さな手を重ねて
健やかなる時も 病める時も ただ信じて……
｢共に分け合っていこう｣
人の智を超えて
思い上がった愚かな羊に
神の裁きが下った
滅びゆく｢アイの塔｣には
世界の寿命が灯る
涼夜
若者の村に
瑠花
王国の使徒がもたらした
予言の報
裕斗
針子の少年に
氷郎
誉れ高き
遥輝
【次のメシア】
こうた
へと
雅
神託が
こうた、雅｢降りた｣
遥輝
塔の中に守られし【祝福】は
遥輝
9つの
陽蓮
メシアだけが賜う【栄光】
百合
君と共に
莉奈
私達も塔へ連れ立とう
滅びゆく楽園の命繋ぐため
祝福をこの手に心、打ち鳴らし
栄光を掴み取れ 懸命に……
信じ合う仲間とともに 助け合えば
恐れるものは、なにもない
遥輝
最初の祝福を
遥輝
命が渦巻く【華やく波】の扉へ手を伸ばす
遥輝
ふと、大きな手を重ねて青年が言った
陽蓮
共に分け合っていこう
メシアを押しのけ 横取られた最初の
祝福
遥輝
仲間達はいがみ合い
遥輝
2つ目の扉 赤き目を血走らせ
雅
剣士は【炎の宴】に興じる
百合
【恵みの陽光】勝ち取って
百合
悦になる姉の手を振り払い
莉奈
悔しげな顔で妹は
莉奈
【安息の闇】へ
莉奈
息巻いて進む
遥輝
選ばれたのは僕なのに……
独リ占メハ許サナイ……
遥輝
｢欲｣は人を変えてしまうの？
こうた
僧は祝詞を【揺蕩う大地】に捧げて
裕斗
詩人(うたびと)は【雷鳴の囃子】口遊ぶ
祝福をこの手に……心、研ぎ澄まし
栄光を奪い取れ
我先に……
遥輝
信じ合う仲間は、何処へ……誰もが、敵？
遥輝
断ち切りなさい 過ぎた愛を
氷郎
【旋風のロンド】に踊り子が舞う
瑠花
双生の姉は片割れを押しのけ
瑠花
【白銀の園】へ
瑠花
歓喜の雫は流れる間もなく 凍てた
遥輝
９つ目の祝福は眠れる
涼夜
【マグマの胎動】
涼夜
双生の弟は
遥輝
メシアを欺いて
誇らしげに笑った
遥輝
信じた仲間に裏切られ
遥輝
【祝福】は全て横取られた
遥輝
灯らぬトーチ掲げながら
遥輝
祈りの祭壇へ
遥輝
塔の中に封じられし【祝福】
……という名のメシアに課せられた【贖罪】
榛稀
【贄】と共に乗り越えたメシアよ
榛稀
今こそ新しい楽園の命、繋ぎ足せ
陽蓮
荒波に溺れ沈み
雅
業火の海を舞い
百合
無慈悲な干天に崩れて
莉奈
永遠に明けぬ闇に狂い
こうた
大地に呑まれても
君独りで、いかせはしない
裕斗
裁きの雷に打たれ
氷郎
風刃(ふうじん)に裂かれて
瑠花
心ごと凍らされても
涼夜
灼熱を這う
健やかなる時も病める時もただ信じて……
共に分け合っていこう
榛稀
導きの灯繋げ
遥輝
尊き贄の果て
榛稀
愚かなる連鎖は
遥輝
永遠に
遥輝、榛稀｢繰り返す……｣
遥輝
信じあった仲間達に
遥輝
助けられて
遥輝
勝ち取った灯を高く掲げて
榛稀
暁の鐘が鳴く栄光の調べ
榛稀
神の威を授けられたメシアは
榛稀
独り静かに笑いながら
遥輝
9つの【哀】を生みて
全員｢祭壇に手を伸ばした｣
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