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七海
七海
私はそう言って、彼と同棲していた家を飛び出した。
海斗
彼は、気にする素振りも見せず、そう言うだけだった。
ー近くの公園にてー
七海
私は1人、飛び出したすぐ先の公園でため息をつく。
七海
不意に独り言が出て、慌てて周りに誰もいないかを確認する。
だが、今は午後11時。真夜中だ。
誰もいるはずがない。
いるとしても、酔っ払いのサラリーマンぐらいだろう。
そんなことを考えつつ、海斗とのこれまでの1週間を振り返る。
七海
七海
そう。元はといえば海斗が悪いのだ。
連絡もなしに、夜遅くに帰って来た彼氏を心配しない彼女はいない。
つい先週、一週間前、海斗は酔っ払って帰ってきた。
海斗はお酒はあんまり飲まないから、泥酔している姿を見るのはあれが初めてだった。
その日、海斗にお酒について注意したが、次の日もそのまた次の日も海斗は泥酔して帰ってきた。
七海
そんな呑気なことを言いつつも、これは大問題だと今更ながらに自覚する。
七海
浮気を疑ったのはつい先日のことだった。
浮気に関しては盲点だった。
海斗が私以外の女を選ぶはずが無い。そう確信していたのだ。
そして、魔が差してしまった私は、つい先日、海斗のスマホを覗いてしまったのだ。
七海
七海
そして、海斗のスマホには嫌なものしか無かった。
すみれとかいう女とのチャット内容は、壮絶だった。
今夜どこどこで飲もうとか、これって浮気にならない?とかどうとか。
これは完璧に浮気だ。
私はショックのあまり、立ち直れる気がしなかった。
そして、浮気について問いただしたら、彼はこういったのだ。
海斗
海斗
そして、現在に至る。
七海
もしかしたら、彼は私がスマホを覗くという前提で簡易的なパスワードに設定したのかもしれない。
2年半付き合っていたとはいえ、そこまではわからないが。
七海
大きなため息をつくと、いつの間にか目の前に人がいたということに気がつく。
七海
今までの独り言が漏れていたと思うと少し気まずくて、思わず息をのむ。
よく見ると、目の前にいる人は、黒いコートを着ているようだった。
顔は見えない。
こんな真夜中に公園にいるなんて、私みたいに悩み事でもあるのだろうか。
???
突然、目の前にいる人がそう言葉を発した。
七海
???
???
変な口調のその人は、自分のことをこう名乗った。
???
七海
内心笑いそうだった。 けど、そんな気分でも無かったので笑えなかった。
七海
七海
アイツというのは、もちろん海斗だ。
千咲
七海
海斗の事は身近な人にしか伝えてないはず。
まだ家族にも伝えてないのに、こんな見ず知らずの他人が海斗のことをしってるなんて。
七海
私がそう聞くと、死神と名乗る千咲は妖しげに微笑んでこう言った。
千咲
千咲
千咲
七海
千咲
千咲
千咲
千咲