レイ
ニコ
がらくたの山の上で嘆く少年ニコと、
先ほど彼にぶん殴られ、がらくたの山の上で大の字に倒れているレイ。
レイ
レイ
レイ
ニコ
倒れているレイに馬乗りになり、ゼラの名前を呼びながら泣くニコ。
恐らく、見たのだろう。
ジャイボとゼラのアレを。
レイは既に知っていたので、スルーしていたのだが、ニコにとってはショックだったのかはわからないが
茫然としている彼を見て、話しかけたら。あの場所から遠ざかるように
このがらくたの山へ連れられたかと思えば、フルスイングでぶん殴られた。
右頬が痛い。口の中が血の味でいっぱいだ。
突然殴られて痛みが体の自由を奪うように、麻酔がかかったように
レイは倒れたまま動けないし、動こうと思ってもニコが邪魔だ。
ニコ
レイ
顔の向きを変えられない。
というより、体がニコの顔を見たくないと拒絶しているのかもしれない。
そのせいで、彼の顔が見れない。
ニコ
レイ
泣いているのだろうか。ニコはそのままレイの首に顔を埋めた。
首に、肩にニコの泣いている声と涙を感じる。
そして、レイを殴った手はレイの髪を触り、もう片方の手は目に近い位置に置かれた。
ニコ
レイ
息づかいが荒い。性のソレではなく、
殺意からなる動悸、だ。
レイ
ニコ
レイの瞳はニコの顔を捉え、映した。ニコの左目もレイを捉えている。
ニコ
レイ
噛みつくような口づけをされた。下唇にニコの歯が食い込む。
レイ
乱暴に口づけされながらも、レイは十二支を頭の中で唱えていた。
ニコ
レイ
やっと唇が離れたと思えば、今度は眼球を舐められた。右目の眼球を。
ニコ
レイ
どうして、彼は『ゼラ、どうして』を繰り返し言葉にできるのだろう。
眼はレイを捉えているのに、こんなにも近くにいるのに。
それは忠誠心?それとも....
レイ
あの後、数時間くらいニコはひたすら泣いたり、怒ったり。
それはもうぐちゃぐちゃになった。
気が済んだのか、自分のしたことに頭を抱え、去り際。
レイに軽く口づけして逃げるように帰った。
最低な口づけだった。
レイ
レイはがらくたの山に放り投げられている割れた鏡で自分自身を見る。
レイ
割れた鏡に写る自分はいっそう歪んでいた。
吐き気を催すくらいに。
レイ
レイは基地内で吐いてしまった。
口の中が胃酸と鉄の味で、レイもぐちゃぐちゃだった。
ふらついた足取りで洗面所に行き、口や顔を洗って
レイは気絶するようにその日は眠りについた。
タミヤ
カネダ
ダフ
タミヤ
カネダ
ダフ
ダフ
タミヤ
タミヤ
カネダ
タミヤ
自分の名前を呼ばれた少年は、すっきりした顔でタミヤ達の方を見る。
ニコ
完
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