かわいい妹

江藤ユウキには妹がいる。

四つ年下の中学一年生、アカリだ。

出かけとしたユウキに、アカリが大きな声で言った

ゲームをしているアカリは、テレビ画面を見つめたまま、振り向きもしない

ユウキの文句をさえぎって、アカリはまた大声を張り上げた

ユウキはぶつぶつ言いながら、コンビニに向かった

ユウキは、妹には逆らえなかった

昔から両親に[女の子には優しくしてあげなさい]と教えられている。

すぐに見つけたが、棚にあるカフェラテは残り一つしかない。

慌てて手を伸ばすと、同じタイミングで延びてきた手とぶつかった。

[[わ！]]

横を見ると、セーラー服を着た少女が、気まずそうにたっていた。

コンビニから出ていく時も、ユウキに向かって、ニコニコとお辞儀をした

家に帰ると、アカリに怒鳴られた。

翌日

ユウキはコンビニの自動ドアの前に立ち、ハァっとため息をついた

すると、ラケットケースを持った後ろ姿が目に入った

昨日のあの少女だ。

[[あ......]]

そう言ったとたんに、少女は抱えていた、ジュースを落としそうになった。