ユラ
ミカ、起きてる?
ミカ
起きてるよう
ユラ
あのさ、ここつい最近の噂なんだけどさ。
ユラ
ほんと、昨日流れ始めた噂
ミカ
どっかしたの?
ユラ
何でもここら辺を幽霊が徘徊してるとか
ミカ
何それお馴染みすぎでしょ
ユラ
まあ所詮は噂なんだけどねぇ
ミカ
そうだよー。本気にする方がどうかしてるっしょ
ユラ
だよねぇ
ミカ
うんうん。そんなありふれてそうな噂信じるの正直バカでしょ。
ユラ
バカは言い過ぎだよぉ〜
ユラ
それよりさぁ
ミカ
何?
ユラ
おとといの殺人事件
ユラ
怖かったぁ
ミカ
ユラんちの近くだもんね
ユラ
そうそう
ユラ
あんなに怖かったことなかったよぉ〜
ミカ
まあ何もなくてよかったじゃん
ユラ
何もなかったことはなかったよ
ユラ
死人でてるし
ミカ
ユラには何もなかったじゃん
ユラ
まあね
ミカ
死んだ人も別にユラの知ってる人じゃないんでしょ?
ユラ
……
ミカ
ユラ?
ミカ
どうかしたの?
ミカ
ねぇユラってば
ユラ
……知ってる人だよ
ミカ
嘘?!
ユラ
私と仲の良かった人
ユラ
とっても大事な人
ミカ
……
ユラ
あんなノリだったけど、ほんとはめちゃくちゃ悲しかったよ
ユラ
話すので精一杯
ユラ
思い出したくない
ユラ
信じたくない
ミカ
あの、ごめんね、ユラ
ユラ
謝んなくても良いよ
ユラ
あの、噂のことだけどさ
ミカ
噂が何?
ユラ
あれ、本当のことだよ
ミカ
え?
ユラ
だって、私が今体験してるもん
ミカ
へ?何言ってんの?
ユラ
だってそうじゃん
ミカ
ユラ、頭おかしくなっちゃったの?
ミカ
幽霊なんてあるわけないじゃん
ミカ
そんな噂のこと信じてんの?
ユラ
信じないわけにはいかないじゃん
ユラ
だって、あの殺人事件で死んだのは、ミカなんだよ?
ユラ
あなたなんだよ?
ミカ
はっ?な、何言ってんの?
ミカ
私死んでないじゃん。
ミカ
今ここにいるじゃん
ユラ
成仏できなかっただけでしょ?
ユラ
死に損ないじゃん
ミカ
そんなわけないじゃん!
ミカ
私生きてるよ!ここにいるよ!
ユラ
私、ミカにきちんとあの世に行って欲しい
ユラ
この世に苦しみながらいて欲しくないんだ
ユラ
だからさ、認めてよ
ユラ
ちゃんと成仏してよ
ユラ
じゃないと、私悲しいよ?
ユラ
あなたに助けてもらった命なのに
ユラ
ほんとは私が死ぬはずだったんだよ
ユラ
私を命がけで守ってくれたのに
ユラ
……情けないよ
ユラ
あなたが自分で死なないなら私が殺してでもあなたを送る
ユラ
それで良いの?
ユラ
ミカ、
ミカ
ごめんね、ユラ
ミカ
情けないよね
ミカ
諦め悪いよね
ミカ
ごめんね
ミカ
ほんとにごめんね
ミカ
でも、最後に一言
ミカ
ほんとにありがと、じゃあね