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この世の小説の中で、いちかの小説が1番好き!!!いのりちゃんおしにはまじでたまらなかった!!!いのりちゃんかわいい!!!しあわせになってほしいいいあと、いのりちゃんがお父さんに言う論破?的なの好きすぎるwwあとななしちゃんのワードセンスも好きww
放課後、学校帰り
今日は生徒会の仕事が直ぐに終わった
まだ少し時間があるし、こんな日は遊びに行こう。最近はそんな時間全然許されていなかったのだから
お父さんへの言い訳は…うん、「仕事が長引いた」で良いわ
そう思い私は携帯に手を伸ばす
場地圭介
「ひっ…!ごめんなさい!!」
葉桜祈励
場地圭介
場地圭介
場地圭介
そこには見知った顔があった
葉桜祈励
葉桜祈励
葉桜祈励
場地圭介
葉桜祈励
葉桜祈励
葉桜祈励
葉桜祈励
葉桜祈励
私は軽くお辞儀をする
場地圭介
場地圭介
葉桜祈励
場地圭介
場地圭介
場地圭介
葉桜祈励
葉桜祈励
場地圭介
葉桜祈励
場地圭介
場地圭介
葉桜祈励
葉桜祈励
場地圭介
場地圭介
葉桜祈励
葉桜祈励
場地圭介
葉桜祈励
場地圭介
葉桜祈励
葉桜祈励
場地圭介
葉桜祈励
場地圭介
場地圭介
葉桜祈励
不良って、楽しそうね
学校をサボって、喧嘩しに行くなんて
でも自分には、そんな度胸は、無い
それでも彼の話を聞いていると、心の底からわくわくするの
葉桜祈励
葉桜祈励
葉桜祈励
場地圭介
場地圭介
葉桜祈励
場地圭介
葉桜祈励
葉桜祈励
場地圭介
葉桜祈励
葉桜祈励
場地圭介
場地圭介
葉桜祈励
不在着信
葉桜祈励
葉桜祈励
場地圭介
場地圭介
場地圭介
葉桜祈励
葉桜祈励
場地圭介
葉桜祈励
場地圭介
場地圭介
葉桜祈励
場地圭介
場地圭介
葉桜祈励
葉桜祈励
葉桜祈励
場地圭介
場地圭介
葉桜祈励
不思議ね
本当に昔、ずっとこの時が訪れるのを望んでいたような気がする
胸の奥が熱い
なんとなく、私は歩く速度をゆっくりにした
直ぐ後ろをついてきてくれる熱と足音が、とても心地良い
私は直感する
…
場地圭介
葉桜祈励
葉桜祈励
場地圭介
葉桜祈励
場地圭介
場地圭介
葉桜祈励
場地圭介
葉桜祈励
場地圭介
場地圭介
葉桜祈励
葉桜祈励
ずいぶん遅かったな、生徒会の仕事か?
葉桜祈励
葉桜祈励
私は機械的に受け答えをしながら、さっきまでの事を考えていた
因みに私の家はお金持ちではない
ご先祖様の時代はかなり裕福だったらしいからこのお屋敷が立っただけ
巫女の神通力とかが信じられてた時代ね
それを盲信する一部の宗教的な団体とか神社とかには持て囃されたりするけど、今は平成だ
だから私が神聖で気高き“葉桜の長女”である必要は無いはずなのだ
…そうだ、ちゃんと言葉にして言ってみよう
生活を縛られるのが苦痛だって、試しにお父さんに伝えてみたら良いんだ
それを言葉にしなければいけない事に、私が今まで気付かなかっただけかもしれないんだから
もっと場地君とお喋りをしていたいって思った
だから勇気を出してみよう
「あのねお父さん」
「私、新しいお友達が出来たのよ」
「学友じゃなくてね」
「くす…、あの子勉強は全然ダメなのよ」
「でも一緒に居て凄く楽しいの」
…
「え、男の子だけど…」
「不埒な?浮気なんてしてないわ…許嫁?そもそも私その人知らない…」
「は、歯向かってなんか…やめて…叩かないで…」
「やめてください…ごめんなさい、ごめんなさい…ごめんなさい…」
「そんな友達、お前に要らない」
葉桜祈励
場地圭介
葉桜祈励
葉桜祈励
朝、登校中
突然後ろから声をかけられて、胸が跳び跳ねる
昨晩からの憂鬱を穿つような、そんな感じ
葉桜祈励
場地圭介
場地圭介
葉桜祈励
葉桜祈励
葉桜祈励
場地圭介
場地圭介
葉桜祈励
葉桜祈励
場地圭介
葉桜祈励
場地圭介
場地圭介
葉桜祈励
葉桜祈励
場地圭介
場地圭介
葉桜祈励
葉桜祈励
場地圭介
私たちは笑い合う
なんだか特別な感じだ
私はこれまでだって親に内緒で私の好きな人達と沢山遊んだ
でも、違う
みーこ達が手を伸ばせば直ぐに届く一寸先の光なのだとしたら、場地君は花惑う禁断の果実
昨晩確信した
全ては檻の外にある
でも、出られそうにないんだ
場地圭介
場地圭介
葉桜祈励
葉桜祈励
葉桜祈励
場地圭介
葉桜祈励
場地圭介
葉桜祈励
場地圭介
夜桜麗子
葉桜祈励
葉桜祈励
葉桜祈励
葉桜祈励
葉桜祈励
夜桜麗子
夜桜麗子
夜桜麗子
夜桜麗子
葉桜祈励
葉桜祈励
夜桜麗子
葉桜祈励
葉桜祈励
夜桜麗子
夜桜麗子
葉桜祈励
葉桜祈励
葉桜祈励
夜桜麗子
葉桜祈励
葉桜祈励
夜桜麗子
葉桜祈励
葉桜祈励
夜桜麗子
葉桜祈励
葉桜祈励
場地圭介
葉桜祈励
葉桜祈励
葉桜祈励
葉桜祈励
場地圭介
場地圭介
場地圭介
葉桜祈励
場地圭介
場地圭介
場地圭介
葉桜祈励
葉桜祈励
葉桜祈励
場地圭介
葉桜祈励
場地圭介
場地圭介
場地圭介
葉桜祈励
葉桜祈励
葉桜祈励
鞄からクッキーのお重をもう一箱出そうとして腕が当たって、場地君の鞄の上にあったペンを落としまった
慌ててそれを拾いハンカチで砂を落として手渡す
葉桜祈励
場地圭介
場地圭介
葉桜祈励
場地圭介
葉桜祈励
場地圭介
場地圭介
葉桜祈励
葉桜祈励
葉桜祈励
熱い
そうね、もし私がどこかの暴走族に虐められていて
それを場地君が格好良く助けてくれるなんて筋書きならとても素敵だわ
…なんてね♪
場地圭介
場地圭介
葉桜祈励
葉桜祈励
葉桜祈励
場地圭介
場地圭介
葉桜祈励
場地圭介
葉桜祈励
葉桜祈励
場地圭介
葉桜祈励
テスト云々は、咄嗟についた嘘だった
勉強なんて、親に言われたから仕方なくするだけで本当は嫌い
でもお勉強に自信が無かったなら、この時間は訪れなかったから
勉強に、目に見える価値が出来た
だから、最近は辛くない
葉桜祈励
通話
00:00
葉桜祈励
葉桜祈励
場地圭介
それは幸せな時間が途切れた事を告げる音
…なんて、大袈裟かもしれないけれどそれくらい言ってしまいたくなるくらい電話に出るのが嫌だった
お父さんからの電話
普段なら心の中ですらこんなに悪態をつこうなんて考えすらしないのにおかしいな
でも、場地君が“待っていてくれる”事が私に電話に出る勇気をくれたような
私は立ち上がり少し離れたところで深呼吸をして、携帯を耳に当てる
葉桜祈励
「今何処で何してる。今日は月曜だから、最終下校の時間はもうとっくに過ぎてる筈だが?」
葉桜祈励
葉桜祈励
「…」
「宜しい。6時までには帰ること」
葉桜祈励
ふぅ…
電話を切ると、安堵のため息を漏らす
私は今のこの幸せな時間を、お父さんから守り抜いた
ううん、違う
だって嘘は言ってないもの
まだ5時半、このまま場地君の元へ戻ることが許されたんだ
ポケットから手鏡を取り出して、眉間の皺をどうしかして笑顔を作ってから踵を返す
葉桜祈励
葉桜祈励
場地圭介
葉桜祈励
葉桜祈励
葉桜祈励
葉桜祈励
場地圭介
場地圭介
場地圭介
葉桜祈励
葉桜祈励
場地圭介
場地圭介
葉桜祈励
場地圭介
葉桜祈励
葉桜祈励
場地圭介
場地圭介
葉桜祈励
葉桜祈励
場地圭介
葉桜祈励
私は軽く返事を返し帰路につく
学校をサボって、暴走族のバイクに乗ってお出掛け
頭が痛くなりそう、なんて優等生を演じるのももう限界そうだ
正直とてもわくわくしてしまっていた
でも断らなくちゃいけないよ、祈励。分かってる?
…わかってるわ。今はちょっと、良い断り文句が思い付かないだけだって。
葉桜祈励
場地圭介
葉桜祈励
突然肩に、場地君の手が触れる
葉桜祈励
葉桜祈励
場地圭介
と言いつつ更に私の肩を揺らしてくる
葉桜祈励
ふふ、なんだか愉快だわ
今は場地君に甘えておくことにしましょうか
明日は…どうしよう
葉桜祈励
場地君のポケットから四つ折りの紙切れが落ちる
それを拾おうとして、私は身を屈めた
場地圭介
葉桜祈励
場地圭介
葉桜祈励
場地圭介
場地圭介
場地圭介
場地圭介
葉桜祈励
葉桜祈励
葉桜祈励
場地圭介
葉桜祈励
本当に、どうしよう
彩希刃七詩
夜桜麗子
何て電話しようか…
その時考えていたのは、「何て言って断ろうかしら」だった
あのお誘いは正直跳び跳ねたいくらいに嬉しかった
でも私に学校をサボる度胸は無い
だから、ごめんなさい
にしても今日は場地君に余計な心配をかけたかしら
あの子は優しくて、強い
友達の事を本当に考える子
だから気苦労が多い事とか、何故か容易に想像がつく
自惚れかもしれないけど、私の事で余計な迷惑をかけたらだめ
“だって私は、彼を助けたいんじゃなかったっけ?”
どうして?
どうしてだっけ…
場地圭介
通話
00:00
葉桜祈励
急に電話が鳴って、私の大好きな名前が表示される
流石に待ちくたびれたのかな、と思いさっきまでの独り善がりな考えを急いで頭から追い出して電話に出て、
だけど電話の向こうから聞こえてきたのは予想もしない声だった
葉桜祈励
???
場地圭介
場地圭介
私に集中しなくて宜しいのですか?
葉桜祈励
葉桜祈励
???
プツ。ツー。ツー。ツー。
は?
それは、聞き覚えのある女の声
その女が場地君の携帯から私に電話をかけた…?
少なくとも穏便な雰囲気は感じられなかった
遠くに聞こえた場地君の声は若干苦しそうで…?
つまりさっきの果たし状は…?
果たし状は、時代劇なら兎も角潔のいいものばかりではない
復讐してやるから来い、何て言う悪意を送りつける物もある
場地君が危ないかもしれない
どうしよう、れでぃりんの誰かに助けて貰う?
それとも松野君に連絡しようか…?
そもそも場地君が敵わない相手って…?
お願い神様、場地君を助けて…
祈祷師の力って、こんなときに使うんでしょ?
バカ、選択肢の何れにも自分が入っていないのが悔しい
仕方ないでしょ、こんな時間に外に出るなんてお父さんが許してくれる筈無い
なら見付からないように家を出れば良いでしょ、昔護励が使ってた抜け穴があったはずよ?
ダメよダメよ…閉じ込めた筈の不良の私が、どんどん場地君を助けに行ける案を並べていく
助けに行けない言い訳を探すのに、今回ばかりは勝てそうも無かった
私が、場地君を助けに行く
葉桜稔励
葉桜稔励
葉桜祈励
葉桜祈励
その抜け道へ行くには稔励の部屋を通る必要がある
葉桜稔励
葉桜稔励
葉桜稔励
葉桜稔励
葉桜祈励
葉桜祈励
葉桜稔励
葉桜稔励
葉桜祈励
葉桜祈励
葉桜祈励
稔励を味方につけて、外を目指す
蒸し暑い夏の匂いが肌に触れて、私は不思議な高揚感を覚えていた
鼓動が騒がしく鳴る
もう良い子ぶらないで正直に言おう
私は私を縛るお父さんと葉桜の家が嫌いだ
昔、誰かとても好きな人に、窮屈なあの家から連れ出して貰う夢を見たんだっけ
夢じゃない
それは言い訳ばかりして甘えようとしている弱い妄想
自分で叶えて初めて、その殿方の隣に立つ資格を得るんじゃないか
寝巻きでデートに行く女の子は居ないでしょ?
だってほら、覚悟を決めた途端にこんなにも容易に夜の外の風を浴びることが出来ているんだから
それに不思議と辛くないし、怖くない
“場地君を助けに行く”という後押しが加わった瞬間、自分の願いがこんなにも強く心地好く変わるなんて知らなかった
人のために動くという自己の正当化の庇護があってやっと行動を起こすんじゃ、臆病すぎるのは分かってる
でも、私は場地君が好きなんだと思う
さっき誰に電話をしようか考えたとき、私じゃない救世主を思い浮かべてぢくりと胸が痛んだから
忍び足で家の敷地を抜け、焦れた意識を静めるように昼間の公園へ走る
まるで漫画か何かのスパイみたいな気分…なんて、それに浸る余裕は無かった
葉桜祈励
葉桜祈励
葉桜祈励
数多の世界のヒロインが何度も口にした祈りが自分から出た事に一瞬驚き、苦笑する
でもそれが本心なんだと思った
だって今までに無い程信じられないくらい体が軽い
綺麗事とかじゃなく、ただ純粋に恋をしている自分を信じてみよう
急げッ!!!
???
???
場地圭介
場地圭介
???
???
???
彩希刃七詩
???
場地圭介
???
場地圭介
葉桜祈励
案の定、修羅場だった
ベンチに手錠とロープで縛り付けられている場地君
それを踏みつけ見下ろしている、右手に短刀左手にスタンガンを握った趣味の悪い仮面の女
さて、どうやって助けようか
場地圭介
葉桜祈励
場地君と目が合う
葉桜祈励
ウインクを返すと一瞬彼の眉間に皺が寄った気がしたが直ぐに仮面の女の方へ向き直る
場地圭介
???
???
場地圭介
場地圭介
???
女は武器をポケットにしまいしゃがみ込む
葉桜祈励
???
私は女の首筋に手刀を入れた
私の力でも気を失ってくれたようだった
葉桜祈励
葉桜祈励
葉桜祈励
葉桜祈励
電話越しに聞こえた声は2つだった
多分もう一人が場地君をボコボコにした人だと思う
場地圭介
場地圭介
葉桜祈励
私の足元に倒れている仮面の女をブーツのヒールで小突く
彩希刃七詩
場地圭介
葉桜祈励
葉桜祈励
葉桜祈励
彩希刃七詩
彩希刃七詩
彩希刃七詩
葉桜祈励
何処か、試されているような眼差し
彩希刃七詩
彩希刃七詩
葉桜祈励
彩希刃七詩
もう一人の女は言葉とは裏腹余裕そうに優雅に笑う
彩希刃七詩
彩希刃七詩
彩希刃七詩
彩希刃七詩
仮面の女の懐から鍵を出して此方へ差し出す
場地君をこんな目に遇わせておいて…と腸が煮え繰りそうだったが無駄にやり合う意味は無い
女は私にカーテシーで会釈をし、仮面の女をひょいと軽々しく背負って闇に消えて行った
葉桜祈励
腹立たしい
場地君に声をかけられるまで、私はどんな目でその背中を睨んでいたんだろう
場地圭介
葉桜祈励
葉桜祈励
葉桜祈励
場地君は泥だらけだ
殴られたような痕と切られたような傷が沢山付いてしまって、綺麗な顔が大変な事になっている
場地圭介
葉桜祈励
場地圭介
場地圭介
場地圭介
葉桜祈励
葉桜祈励
葉桜祈励
葉桜祈励
場地圭介
場地圭介
場地圭介
場地圭介
場地圭介
葉桜祈励
場地圭介
場地圭介
場地圭介
場地圭介
場地圭介
葉桜祈励
葉桜祈励
葉桜祈励
また、胸が熱い
私は場地君を縛っていたロープを横に置き、ポシェットの中を漁る
葉桜祈励
場地圭介
場地圭介
葉桜祈励
私はその答えを聞き、ポシェットの中身を取り出した
いつも持ち歩いている絆創膏類一色だ
葉桜祈励
葉桜祈励
場地圭介
葉桜祈励
葉桜祈励
場地圭介
場地圭介
葉桜祈励
葉桜祈励
葉桜祈励
場地圭介
消毒液でちり紙を濡らし、左手で頭を押さえてそっと顎に触れて
指先で髪の毛を軽く整えながら顔の傷を撫でる
場地圭介
葉桜祈励
にこり。
目が合ったので笑顔を返してみる
顔が近いわね
でもしょうがないじゃない、暗くてよく見えないんだから
テープを貼って、頬を撫でてみる
そしたら次は肩ね?、服をまくり上げて砂を払って…
場地圭介
葉桜祈励
場地圭介
場地圭介
葉桜祈励
葉桜祈励
葉桜祈励
葉桜祈励
葉桜祈励
場地圭介
場地圭介
場地圭介
葉桜祈励
葉桜祈励
場地圭介
場地圭介
場地圭介
葉桜祈励
葉桜祈励
葉桜祈励
場地圭介
葉桜祈励
葉桜祈励
葉桜祈励
場地圭介
場地圭介
…そうだ、どうしよう
傷の手当てが一通り終わり、今度は彼の乱れた髪を整えながら少し考える
このまま何事もなかったかのように家に帰って、明日も学校へ行けば私は優等生の平和な生活に戻る事が出来る
だけど、場地君は私が自由の道を踏み出すのを直ぐそこで待ってくれているの
不良だからじゃない、私を連れ出す為に学校をサボろうなんて言ってくれたのは勿論解ってるわ
だけどそれじゃお父さんにまた、叩かれて…
あれ、それだけ?
それだけ、なんだ
おかしいな、私が怖がっていたものはもっと大きいと思っていた
でも私はさっき場地君を助ける為に、彼を倒した女と戦って怪我をする覚悟をしたよね?
叩かれるのが怖いだなんて、それって、不良と戦うのと何が違うの…?
違いがあるならせいぜい飛んでくるのがグーかパーかくらい
確かにお父さんは小さい頃からお父さんで、偉大で、尊大で、それで…
でも、好きな人が差し伸べてくれる手を振り払ってまで優先すること?畏れること?
違う
葉桜祈励
葉桜祈励
場地圭介
葉桜祈励
葉桜祈励
葉桜祈励
葉桜祈励
葉桜祈励
葉桜祈励
葉桜祈励
場地圭介
葉桜祈励
葉桜祈励
葉桜祈励
葉桜祈励
葉桜祈励
葉桜祈励
場地圭介
場地圭介
場地圭介
葉桜祈励
改めて…絆創膏とテープまみれになった場地君の身体にくっつくようにして撫でてみる
一概に言うなら、抱き締めてみる…ね
場地圭介
葉桜祈励
葉桜祈励
「手当て」は本来“傷に手を当てて痛みを癒す”って意味で
昔誰かに教えて貰った…これをされると私は安心して、痛みが安らいだ
「痛いの痛いの、飛んでいけ」のおまじないは本来こうするんだそうよ
葉桜祈励
背中に暖かいものが触れる
抱き締め返された…?
また、急に胸が熱くなる
でも今は舞い上がる感じじゃない
これからお父さんと戦う
なんだか場地君が守ってくれるような
私は場地君を癒そうと思って、だけど自分も勇気付けられてしまった
絶対に、明日のデートの約束を守ろう
私は本当に、場地君の事が好きだ
葉桜祈励
さっき置いといた手錠とロープ
葉桜祈励
場地圭介
場地圭介
葉桜祈励
場地圭介
場地圭介
場地圭介
場地圭介
場地圭介
葉桜祈励
葉桜祈励
葉桜祈励
場地圭介
葉桜祈励
葉桜祈励
場地圭介
場地圭介
ソワソワする
だって、今日は特別な日になる事が約束されたんだから
だから、朝からお父さんに怒られても少しも落ち込んだりしない
いつものように家族にお弁当を作るのだけど、自分の分は今日は要らない
だって今日着るのは制服じゃないから
私は堂々と化粧をして、私服に着替えて澄まし顔
だってこれは、私が場地君とのデートを勝ち取る為の最後の試練なんだ
一緒に居たい人も、大好きな仲間達も、すべては檻の外に有る
自分で出るんだ
私は、不良になろう
葉桜稔励
葉桜祈励
葉桜祈励
葉桜稔励
葉桜稔励
葉桜稔励
葉桜祈励
葉桜稔励
葉桜稔励
葉桜祈励
葉桜祈励
葉桜護励
葉桜護励
葉桜護励
葉桜祈励
祈励っ!!これはどういう事だ!!?
ふざけていないで早く制服に着替えなさい!!
葉桜祈励
葉桜祈励
葉桜祈励
は、、、、?
葉桜護励
葉桜稔励
私は畳の上に正座したまま生意気な声で一息にそう言い切る
肩に力が入って、顔が引き吊りそう
でも昨晩の熱が私の決意を守ってくれているから怖くない、怯まない
そんな自分に、少し驚いていた
…何言ってる?
ーー君という婚約者が居ながら違う男と出掛けるだと?
そんなことが許されると思ってるのか!!?
葉桜の令嬢としての立場をわかっているのか!!
葉桜祈励
すごい形相で怒鳴り付けられる
でも、負けないで場地君を待つんだ
真っ直ぐ、お父さんを見据える
葉桜稔励
そうか、分かった
今日は学校に行かなくて良い!!
分かるまで俺が仕付けてやる!!
来いっ!!!
お父さんは私の髪を引っ付かもうとするが、そんなのは簡単に避けられた
葉桜祈励
葉桜祈励
その反動で滑稽に転んだお父さんは、更に鬼の形相でこちらへ向かってくる
祈励…!いい加減にしなさい!!
葉桜祈励
葉桜祈励
っ…!!!!
葉桜祈励
葉桜祈励
ドンドンドン!!!
葉桜祈励
場地圭介
場地圭介
…っ俺が出てくる
祈励は部屋に居なさい
葉桜祈励
私は暴れて乱れた身なりを整えて、部屋に鞄を取りに戻る
葉桜護励
葉桜護励
葉桜祈励
葉桜祈励
葉桜稔励
葉桜稔励
葉桜祈励
護励と稔励に、なんだかちやほやされながら私は優雅を装って玄関へ向かった
気持ちが急いて、気付けばドタドタと品の無い音を立てて駆け出していた
お前の事か?場地とかいう娘を唆した輩は
ヤンキーごときが祈励に近付く資格は無い!!帰れ!!!
場地圭介
っ…💢
お父さんがけたたましい声で何か言っているが耳に入らない
2秒で靴を履いて、玄関を飛び出すッ…!
葉桜祈励
勢い余って場地君の胸に飛び込む
場地圭介
場地圭介
場地圭介
葉桜祈励
場地君は少しもよろめかずに私を受け止めてくれた
前にか弱いって言われたのを思い出す…
場地圭介
葉桜祈励
こら待て!!!!まだ話は終わってないぞ!!
息を整えてからお父さんに振り返り、冷たい声で言う
葉桜祈励
葉桜祈励
葉桜祈励
はぁ…
祈励も、あの子のようになってしまうのか
葉桜祈励
実はね、祈励は長女ではないんだよ
覚えていないか?5つ上の、姉の事を
葉桜祈励
うん。悟励はね
付き合ってる男が居たんだ、その男に関しては護励の方が詳しいだろうが、年上の暴走族の奴だったそうだ
母さんは反対していたけど、そこの抜け穴から毎晩そいつに会いに行く悟励は本当に楽しそうでね
俺はその顔が好きで、応援してたんだ
想像できない
だけど、ある日抗争に巻き込まれて顔面に大きな傷を負った
そいつと付き合ってなかったら、巻き込まれなくても良い暴力事件だった
女の子の顔は大事だ
当主は、葉桜の令嬢が醜い姿であることを嫌って悟励を家から追放して“消した”んだよ
…それで、私が長女に“なった”
理不尽と思うかもしれないが、それが葉桜の家だ
場地圭介
だから不良は嫌いだ
今更こんなことをしても母さんは満足しないし、許してくれないのも分かってたんだけどな…
ずっと小さい時、突然私は長女と呼ばれ双子の護励と区別をつけられ、厳しい日々が始まった
両親に姉の行方を尋ねても、そんな人最初からいなかったかのように言われて、私もいつしかそれが当たり前だと思い込むようになっていた
悟励は可哀想だ
怪我をした事じゃない
悟励は悲しんでるわよ、彼に罪が擦り付けられている事を
きっと自分が捨てられた事よりも恨んでいると思う
お父さんが悟励と私を重ねているのだとしたら、私がそうだから
私は今までに無いくらい父親に腹が立っていた
自分達の責を認めたくないだけなんだから
場地圭介
葉桜祈励
場地圭介
場地圭介
場地圭介
場地君は頬のテープを擦りながらそう、凛々しく口にした
彼が周りを気遣って誰よりも苦労する人だって、私はよく知ってる気がする
思い出した
そんな彼の力になる為に、ここへ“出逢いに来た”んじゃなかったっけ…?
きっとそうだ、だからこんなに惹かれるんじゃないか
そうだろうな
場地圭介
さっき「祈励を出せ!」ってこの俺に向かって生意気利いたんだから
それくらい言って貰わないと困る
…信用するからな
場地圭介
うん、行ってきなさい
葉桜祈励
場地圭介
葉桜祈励
葉桜祈励
うん
あーそれと場地、
場地圭介
耳まで真っ赤だぞ?笑
場地圭介
場地圭介
葉桜祈励
葉桜祈励
葉桜祈励
お姫様抱っこでバイクに乗せて貰ってしまった…お父さんが見てるんだけれど
確かに、私の背じゃちょっとだけ足が浮く
詳しくないけど、頗る場地君はこの超格好良いバイクと似合うと思う
それに乗せて貰えるなんて光栄と言うか幸せと言うか、凄いんじゃない?
場地圭介
葉桜祈励
私は場地君の腰に手を回し、浮ついた気持ちでわざと「ぎゅう」ってしてみる…
のは正解だったようだ、私が思っていた以上に体感速度が凄くて、慣れるまでジェットコースターに乗れたらこんな感じなのかな、と考えていた
葉桜祈励
スピードにも大分慣れて、心地よく風を浴びれるようになったので回りの景色を見てみる
行き先はお任せで、って言ったけど
海…
私はここに覚えがあった
此処は、彼が大切な仲間達と一緒に来た海なんじゃないかな
そんな場所に連れてきて貰えるなら、私は彼の何を許されたんだろう
葉桜祈励
場地圭介
場地圭介
場地圭介
葉桜祈励
葉桜祈励
場地圭介
場地圭介
葉桜祈励
場地圭介
場地圭介
場地圭介
葉桜祈励
葉桜祈励
場地圭介
葉桜祈励
葉桜祈励
場地圭介
葉桜祈励
葉桜祈励
場地圭介
場地圭介
葉桜祈励
二人して黙り込む
爽やかな風が吹き付ける静寂が心地良い
会話の代わりに、暑いのは承知でその背にぴったりくっついてみる
頬にふわりと垂れた黒髪が触れた
この時間が、永遠に続きますように
作者
作者
作者
作者
作者
作者
作者
作者
作者
作者
作者
作者
作者
作者
作者
作者
作者
作者
作者
作者
作者
作者
作者
作者
作者
作者
作者
作者
作者
作者
作者
作者
作者
作者
作者
作者
作者
作者