今も、思い出してしまう。
あの日の記憶が頭から離れない。
最近は夢にまで出てくる。
……いつになったら、忘れることが出来るんだろうか…。
翔斗
…。ん、朝か…
翔斗
確か今日、新しい学校に行く日だったよな…?
翔斗・瑠璃の母・父
翔斗ー!起きたー?
リビングから、聞き慣れた声が飛んできた。きっと母だろう。
翔斗
あぁ、今起きた…
翔斗・瑠璃の母・父
おはよう。この地域に慣れてないんだから、早めに出発するんだよ?迷子になるからね、
翔斗
するかよ…。
瑠璃
兄さんー!
俺が起きていることを聞きつけてか、妹の瑠璃が部屋のドアから顔を覗かせていた。
瑠璃
おはよぉ、( ¯꒳¯ )ᐝ
翔斗
…、おはよ
翔斗・瑠璃の母・父
ちょっと、あんたら、時間ヤバいよ!?急いだら?
翔斗
道になんか迷わねーから大丈夫だって…
いつものようにバタバタして、いつも通りに生活していく…そのはずだったのに…。
瑠璃
わぁー…僕らが前居たとこより車が多いね!
翔斗
…、そりゃそうだろ。ここ、どうみても都会だからな。
瑠璃
でもさ、同じ県なのに、市が違うだけで車の数も変わるんだね!
悠斗
お、お前らー!
翔斗
悠斗か!おはよ!
瑠璃
悠斗くんおはよ( ¯꒳¯ )ᐝ
悠斗
おい、お前の妹まだ眠そうだなw
翔斗
いい加減そろそろ起きろよ…?
瑠璃
起きてるよ!でも、やっぱり緊張して…いつも通りにいかないよ…
悠斗
ははっ、まぁ、そうだよなw
悠斗
俺ら、小4にして初の転校だしな。
翔斗
おう…
そう、小4の俺らは。
訳あって転校してきている。
今日がその初日だ。
瑠璃
待って…あと5分で着かないとヤバいよ…!?
悠斗
えぇっ!?ヤベェ!走るぞお前ら!
翔斗
えぇー…
俺は、脳裏に焼き付いて離れないあの記憶を振り捨てるようにして、走り出した。