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〜エレナside〜
妊娠が分かってから数日。
今日も無理をしない程度に仕事をし、安く買った古民家に帰ってきていた。
エレナ
ふう。
エレナ
これで今日やることは終わり。
エレナ
お風呂入ろうかな。
一通り家事をこなした後に入る、日々の疲れを癒すお風呂が好きだった。
エレナ
あー、さっぱりした。
コンコン
突然、家の戸がノックされた。
エレナ
はーい。
扉を開けるとそこには。
ネイ
…久しぶり。
愛しい人が、立っていた。
エレナ
ネ…イ？
ネイ
うん。
エレナ
嘘でしょ…あの時……
ネイ
上がってもいい？詳しい話は中で。
泣きながら、頭の整理が追いつかぬままネイを家にあげた。
エレナ
ほんとに、ネイなの？
ネイ
ああ。
エレナ
なんで…？
ネイ
あの時、少しの間お別れだって言っただろ？
エレナ
…そう、だけど…。
信じられない。その一言で充分だった。
ネイ
あの時、エレナを地下倉庫に閉じ込めたあと、
ネイ
俺は入口も裏口もない所に穴を開けて逃げた。
ネイ
途中で見つからなくて良かったよ。
笑いながらネイは言う。
エレナ
じゃあなんで今まで…
ネイ
それは、逃げ出したあと自分の家に戻って寝たら、
ネイ
思ってた以上に疲れたみたいでさ、
ネイ
丸2日寝てたんだよ。
ネイ
焼け跡見に行っても、地下倉庫見に行ってもエレナはいなくて。
ネイ
どこかで生きてるんだろうと思って稼ぎながら色んな土地を転々として探してた。
ネイ
そしたら今日、エレナを街中で見かけてさ、後ついてきた。
エレナ
すぐ話しかけてくれれば良かったじゃない。
ネイ
サプライズってやつ？
エレナ
そんなサプライズいらない。
エレナ
死んだと、思ってた。生きててよかった、安心した。
今更ネイに会えた嬉しさと愛おしさが込み上げて泣いた。
ネイ
大好きだよ
そう言ってネイはあの日と同じように抱きしめた。 私はそれに応えるように抱きしめ返した。
ネイ
…あれ？
エレナ
なに…？
ネイ
エレナ、妊娠してる？
エレナ
なんで分かるの！？
ネイ
妊娠3ヶ月ってとこかな。
ネイ
…てことは、俺の子ども…？
エレナ
なんでそんなことまでわかるのよ…
エレナ
そう、ネイとの子。
ネイ
！！
ネイ
産んでくれる、のか？
エレナ
産まない理由なんてないでしょう？
ネイ
ありがとう、エレナ。
エレナ
もう、いなくなったりしないでよね？お腹の子も心配するわ。
ネイ
ああ、居なくならないよ。
ネイ
これからはここで、3人で一緒に暮らそう。
エレナ
うん！
そうして君と過ごす月日は飛ぶように過ぎていった。
電車の中でも寝る前のベッドの中でもサクサク快適に。
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