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暖かい風が俺達を迎え入れてくれるようなした入学式も終わり、学級内での役割決めも数十分の話し合いの末幕を閉じた
制服をきっちり着て眼鏡をしてる俺は それだけで学級委員に推薦された
最終的には成績にも関係するだろうしやっといて デメリットではないだろうから引き受けた
もう1人の女子の学級委員は空のような色の 髪を高くひとつにまとめている。 少し抜けていてムードメーカー的存在で既に クラスの中心人物だ
可哀想だと思った。なんせもう1人が俺なんだから 彼女はとことん運が無いのだろう。そう、哀れんだ
でもそんなこと考えていたのが恥ずかしくなるくらい 彼女はいい人だった。
この人は誰彼隔てなく優しくできる人だと話してわかった。中心人物になるのも頷ける
中学も高校も変わらないと改めて思った。 誰しもが『カースト』を気にして現在進行中で中心人物の彼女に言い寄ってる
根っから真面目な俺は彼らを横目に役割を決める際使った黒板を綺麗にしていた
少しして綺麗になった黒板を前に思わずため息をつきそうになる
様子を伺っていた担任も見計らったように話しかけてくる
どうやら職員室にある俺らに配る教科書を 運んで欲しいとのこと。
騒がしい教室から離れられるのなら、と思い頷き 担任の後を追った
クラスの人数分となるとかなり、いや結構重い
掴みどころがないダンボールを運ぶには底を持ち上げるしか方法が無い。仕方なくそうして持ち上げているが指が限界を迎えそうだ
今だけ俺の倍を持っているはずの担任は重いという素振りすら見せずそそくさと教室へ向かっていく
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俺よりも目線は下なくせに。なんて、 失礼なことを考えながら決して軽くはない足取りで後を追う
自分教室まであと少し…のところで周りとは頭ひとつ抜けてる長身の人物に目が行った
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mf
白く長い髪…タッパがなかったら後ろ姿は女性と間違われるだろう
だけど顔をよく見ると遠目からでも分かるキリッとした目つきで凛々しいという言葉が似合うだろう。
だが俺の目を引いたのはそれではない。俺以外も
何故なら彼には人間にはついていない耳と尻尾があるから
そのせいか入学式でも目立っており皆 彼のことはすぐ覚えただろう
俺もその1人
第一印象はただただ「変な人」だなって思った
でもそれは容姿についてじゃない
「気味が悪い」「キモイ」「化け物」「変」 「人間じゃないヤツがウチらのクラスにいるとか最悪」
今彼と話している女子達は入学式が終わった後陰で彼を散々馬鹿にしていた
彼女達は本人の耳に届かぬよう陰で言っていたつもりだろう。
だけど俺は知っている
彼はその近くに立っていた
偶然…たまたま居合わせてしまったのか、 立ち去ることもせず、ただ彼女達の死角である その場に立ち尽くしていた
自分を悪く言っていた人がまるで何も無かったように 自分に話しかけ触ってくる
普通なら怒りたくなるだろう、怒鳴りたくなるだろう
"陰であんなこと言ってた癖に" なんて、 言ってしまいたくなるだろう。
それでも彼は自然な笑顔でにこやかに対応していた
俺はその現場を見て初めて彼を変な人だと思った
mf
アニメや漫画でありそうなぶつかったり持っていたものを落とす。なんて展開はなく、ただ通り過ぎ教室へ入った
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あれから1年、長くも短くもない歳月が経ち、 気づけば春休みは終わって次は新入生を迎える立場になった。
まだはっきりとしない脳で予定を確認しながら 朝食を口にする
mf
同じ学年であるがクラスが違う。関わりが あるわけでもなく話したこともない。
互いに廊下ですれ違う程度の同級生としか思っていない
mf
mf
正直目立つのはあっちだけだ だから俺は顔も覚えられてないだろう
今後も関わりはないだろうし別に覚えられてようが どうでもいいけど
mf
母の返事を背中で受け止め春休み明け初の登校 変に落ち着かなく家にいても仕方ないので学校で1年の復習でもしようといつもより早く家を出た
mf
そういえば、今年度から毎年クラス分けするんだっけ
春休み前に言われたことだから曖昧だけど、下駄箱前に クラス分け名簿があるならそういうことだろう。
mf
mf
1年とは違う別のフロアは新鮮で、早めに来て良かったと思えた
mf
早朝の学校、静かで綺麗な空気、誰もいない教室… 気持ちを整えるには十分すぎる環境だ
俺は流れるように机に教材を並べ自習を始めた
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自習を初めて1時間ぐらいだろうか、 扉を引く音が聞こえ反射的に顔をあげ音のした方へ 視線を向ける
mf
視線の先には今日夢に出てきた彼が立っていた
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まさか挨拶されると思ってなかった 彼もする気は無かったと思う
けど驚きのあまり俺が凝視してしまったから 挨拶せざる負えなかったのだろう
mf
やはり環境が変わると落ち着いてると思っていても 緊張してしまうものなのか、
なんて自己分析しながら再び手元に目線を落とす
特別仲がいい友達なんてものもいないので自分の名前だけを探し見つけたから誰が同じとか全く気に留めてなかった
mf
毛嫌いしている訳でもなければ嬉しいという感情もない
今後はクラスメイトとしてよろしくするだけだ
ただそれだけ_
『変な人』