🎲 ATTENTION 🎲
当作品は『nmmn』に該当します。 この単語に見覚えのない方は即座にブラウザバックすることを推奨いたします。
実在する人物、団体とは一切関係ございません。
スクショなどの拡散行為はおやめください。
当作品には以下の内容が含まれます ・B/r/a/v/eパロ ・腐向け表現 ・青黒要素 ・エセ関西弁 ・流血表現 ・死ネタ
以上が大丈夫な方は先へお進みください。
黒
魔物がまろの背後に迫っている。
そう気づいたときには、もう既に足が動いていた。
まろを背に庇い、咄嗟に盾を構える。
次に来るであろう衝撃に備え、全身の筋肉にありったけの力を込めた。
黒
一瞬にして襲ってくる、衝撃と鋭い痛み。
腹部に走るそれは、焼け付くような熱さに姿を変えていく。
どうやら、完全に威力を殺し切ることができなかったらしい。
まろは無傷のようだが、防ぎ切ることのできなかったその一撃は、俺の腹部を貫いた。
青
大きく見開かれた青い瞳には悲哀の色が宿るが、それも一瞬のこと。
キッ、と殺気のこもった鋭い眼光で魔物を睨みつけたかと思うと、抵抗する間も与えず切り捨てていた。
水
白
白
白
赤
赤
霞む視界の中で、ほとけ、初兎、りうらの三人が魔物と対峙しているのが見える。
必死になってこっちに駆け寄ってこようとしているのが分かるが、次から次へと現れる魔物たちがそれを阻む。
黒
黒
黒
声を張り上げた反動で、腹部の傷がじくじくと痛みを主張する。
視界がぐらつき、その場に倒れそうになった身体をまろが咄嗟に支える。
その瞬間、傷口が勢いよく開き、その場を鮮血が赤く染めた。
青
黒
青
青
まろは自身のマントに手を伸ばしたかと思うと、何の躊躇いもなく引き裂き、俺の腹部に巻き付けた。
だが、群青色のそれは、数秒も経たぬうちに赤に染まってしまう。
国から賜った清廉潔白な騎士である証だというのに、あまりにも躊躇いがなさすぎるだろう
青
青
血に濡れることも構わず、必死に俺の傷口を押さえ続けるまろ。
だが、無慈悲にも血が止まることはなく、溢れ続ける一方で。
まるでうわ言のように止まれ、止まれと何度も呟かれる。
ここは魔物が幾千と湧いて出るダンジョンだ。
一度攻撃を防いだところで、二の手三の手が飛んでくるような戦場だ。
だが、今、まろは冷静さを欠いている。
まろの注意は、完全に俺に向けられていた。
この戦場において、魔物から注意を逸らせばどうなるか。
そんなこと、火を見るより明らかだった。
黒
黒
青
青
鋭く研ぎ澄まされた爪が、今にもまろの首を跳ね飛ばさんとしたその瞬間、
バキュン、という銃声がダンジョン内に響き渡った。
同時に、再びまろの背後に迫っていたはずの魔物は、頭部から血を流してその場に倒れ込んだ。
頭ごと動かす気力はもう俺には残っておらず、目線だけを銃声のした方へ向ける。
そこには、ライフルを構えたないこが立っていた。
桃
青
桃
桃
青
青
青
青
ないこの力強い言葉に、まろは冷静さを取り戻したようだった。
すぐさま表情を引き締め、真剣な表情で周囲の魔物に目を向ける。
魔物の数と位置、そして、りうら、ほとけ、初兎それぞれの位置を一瞬にして把握したまろは、鋭い眼光で周囲を見回しながらゆっくりと口を開いた。
青
青
青
青
赤
白
白
青
桃
青
青
青
まろのカウントに合わせ、一斉に初兎とほとけが魔法を展開する。
魔物の足元には魔法陣が浮かび上がり、それはまるで足枷のように魔物を拘束する。
そして、能力強化を受けた二人の身体からは、オーラのような淡い光を纏っていた。
青
赤
同時に地を蹴り、魔物の元へと一直線に駆け出す二人。
一瞬のうちに距離を詰めたまろとりうらは、それぞれ剣と槍で確実に魔物を仕留めていった。
黒
黒
桃
桃
黒
先程までパーティーメンバーを激励していたリーダーはどこへやら。
眉はへにょんと下がり、目には大粒の涙を浮かべ、俺の身体を支え続けるその手は、微かに震えていた。
ごめんな。
そう声には出さず、ただ口で形だけを描いた。
それに気づいたのか、ないこはくしゃりと顔を歪め、首を横に振る。
桃
桃
桃
傷に障らないよう、俺の腹部に巻かれたマントをゆっくりと解くないこ。
元の色も分からないほど赤黒く染まったそれを傍らに置くと、自身の上着を傷口に押し当てるようにして止血を試みる。
多少出血が抑えられてはいるようだが、それでも治まることはない。
ないこがその身に纏う立派な軍服。
これも国から賜ったものだ。
この惨状を国王が見たら何と言われるだろうか。
揃いも揃って国からの支給品を止血のための道具にするか、普通。
……そんなことを言えば、きっと二人は『あにきを失うくらいなら、国の支給品なんて使い潰してやる』とでも言うのだろう。
桃
桃
桃
水
桃
水
水
水
桃
桃
水
水
そう告げるほとけの声は震えている。
だが、それでもその瞳からは確固たる意志が見て取れた。
すぐさま俺の傷口に杖をかざし、魔法の詠唱を開始するほとけ。ないこはその様子を不安げな表情で見つめている。
ほとけの詠唱が止んだ瞬間、俺の身体が淡い光に包まれる。
出血が止まることはなかったが、それでも幾分か痛みが和らいでいく気がした。
ほとけの優しさが込められたような、あたたかな光がどこか心地よい。
黒
桃
水
水
水
水
水
桃
黒
桃
桃
水
水
桃
桃
桃
口をはくはくと動かし紡ぐ俺の言葉を、ないこがしっかりと汲み取ってくれる。
置いていくはずがない。 死ぬわけがない。
そう言葉にしながらも、俺はとっくに気づいていた。
悟って、しまった。
自身の限界が、刻一刻と迫ってきていることに。
この出血量では、ここまで持ち堪えたことの方が寧ろ奇跡に近い。
それなりの長い付き合いだ。きっと、この言葉がお前らを安心させるためだけの嘘だなんてことは、こいつらにはお見通しだろう。
その証拠に、二人が吐き出す言葉とは裏腹に、今にも泣き出してしまいそうな、そんな表情を浮かべていた。
ないこは時折嗚咽を零しながら俺の傷口を押さえ続け、ほとけも唇を噛みしめ、悔しそうな顔で治癒魔法をかけ続けている。
ごめん。ごめんな。
お前らにそんな顔、させたかったわけちゃうのに。
黒
腹から止めどなく流れ続ける血。 時が経つ毎に奪われ続ける熱。
指先から全身にかけて冷えていくのが嫌でも分かる。
……あぁ。これ、ほんまにあかんやつや。
もう、俺に残された時間が少ないというのなら。
最期は、お前の……お前の、腕の中で眠りにつきたい。
なぁ、叶えてくれるか…?
黒
青
今、一番欲していた群青が、視界いっぱいに広がる。
全身を包み込むぬくもりに、全てを委ねるように身を預けた。
黒
赤
赤
白
黒
視界の端に映った紅白に目を向ければ、大きく目を見開き、今にも泣き出してしまいそうなりうらと、呆然と立ち尽くす初兎がそこにいた。
青
白
黒
初兎が魔法書を掲げ、移転の魔法陣が足元に浮かび上がった、その瞬間。
俺は震える手を必死に伸ばし、引き止めるように初兎の裾を引いた。
黒
街に帰還してしまえば、治療のために一度こいつらの元を離れることになる。
そうすれば、きっと、もう二度とこいつらの顔を見ることは叶わないだろうから。
だから、今ここで伝えておきたい。
白
白
赤
赤
黒
そう懇願すれば、二人はきゅっと口を噤み、押し黙るようにして俯いた。その瞳から零れる雫が、重力に従い頬を伝う。
ほとけは縋るようにないこの袖を握りしめ、静かに嗚咽を零していた。そんなほとけを抱きしめ、ないこも静かに涙を流している。
もう、誰も俺の言葉を咎めようとはしなかった。
黒
青
青
黒
黒
黒
黒
黒
黒
黒
黒
最初は、タンクとしての誇りなんてものは存在しなかった。
ただ生きるため、金を稼ぐためだけにこの盾を手にしていた。
けれど、この盾に意味を見出したのはいつからだっただろうか。
依頼を出されれば、タンクとしてパーティーに臨時加入し、ダンジョンに同行する。
依頼料を受け取れば、それで関係は終わり。
仲間と賑やかな日常を共にするなんてこともなければ、硬く結ばれた熱い友情、なんてものもない。
そんな生活を繰り返していた俺の元へ、突如としてないこが現れたのが始まりだった。
俺とパーティーを組んでくれ、と毎日毎日しつこいくらいに猛アプローチを受けたことを、今でも鮮明に覚えている。
あまりのしつこさにうんざりしつつ、次第に断り続ける理由も見当たらなくなった頃、とうとう俺は根負けするような形で、ないこの提案に首を縦に振ることとなった。
そうして加入したパーティーでの毎日は、騒がしくて、やかましくて、退屈とは程遠いものだった。
加入を決断したのも、結局効率的に金を稼ぐことができるからであって、馴れ合うつもりなんて全くなかったのに。
気がつけば、笑いの絶えない明るい日々が、日常の一部と化していた。
なぁ、
黒
ないこに出逢ってから。
りうらに、ほとけに、初兎に出逢ってから。
黒
まろ。お前に、出逢ってから。
毎日がこんなにも楽しくて。 これ以上ないくらい幸せで。
黒
俺は、心からお前らのことを、───
黒
意識が落ちていく中、最期に視界に映ったのは、泣きじゃくりながらも必死に俺の名を呼ぶ、愛してやまないやつらの姿。
黒
ただ、最期は笑って見送ってほしいから。
最後の力を振り絞って、精一杯口角を上げた。
俺の最期の願いは、きちんと届いていただろうか。
───fin.
コメント
1件
初コメ失礼します! 好きすぎます…!まじ泣いちゃいました…😭 フォロー失礼します!!🙇♀️