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交差するオモイ

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交差するオモイ

5 - 交差するオモイ

♥

9

2021年06月19日

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白瀬 美麗

どうしたの?

白瀬 美麗

もう帰ったと思ってた

結城 樹

忘れ物したんだよ

白瀬 美麗

そうなんだ

結城 樹

白瀬も用すんだのか?

白瀬 美麗

うん、終わったよ

結城 樹

じゃ、帰るぞ

白瀬 美麗

あ、ごめん

白瀬 美麗

私、ちょっと残って勉強するの

結城 樹

あ?んなもん家でやれよ

白瀬 美麗

家だと集中力切れちゃうの

結城 樹

確かにそうかもな

白瀬 美麗

結城くんは先帰ってて

結城 樹

…………

俺は白瀬の前の席に座る

白瀬 美麗

え?帰らないの?

結城 樹

俺も勉強する

白瀬 美麗

でも、咲希と雄飛くんが…

結城 樹

先帰ってて貰ったから大丈夫だ

結城 樹

何の勉強するんだ?

白瀬 美麗

数学

白瀬 美麗

私、理数系苦手なんだよね

結城 樹

前回何点だったんだ?

白瀬 美麗

……引かない?

結城 樹

引かねぇよ

白瀬 美麗

53点…

結城 樹

何とも言えねぇ…

白瀬 美麗

だ、だよね~…

結城 樹

何がわかんねぇんだ?

白瀬 美麗

これとか、かな

結城 樹

これか

結城 樹

仕組み分かればすぐだ

結城 樹

これをこうして…

白瀬 美麗

あ、そっか…!

白瀬 美麗

じゃあ、ここは───?

数十分後

結城 樹

はぁ、疲れてきたな

白瀬 美麗

うん、でも凄く分かりやすい

白瀬 美麗

ありがとう!

カーテンが風で小さく揺れる

微笑む白瀬に淡い光が降り注いだ

目を離せば消えてしまいそうで

不安なくらい美しく、儚かった

結城 樹

み、美麗…

白瀬 美麗

結城くん…?

結城 樹

お前は…お前は…!

結城 樹

もう何処にも…

結城 樹

行かない…よな…?

結城 樹

行かない…よな…?

白瀬 美麗

……?

私の目に映る結城くんは

いつもより幾分も幼く見えた

触れれば壊れてしまいそうな

凄く繊細な瞳だった

白瀬 美麗

私は、何処にも行かないよ?

白瀬 美麗

ほら、ここに居るでしょ?

私は結城くんの手を優しく包み込むように握った

結城 樹

…………

結城くんは落ち着いたようで

「ほっ」と息をついた

結城 樹

だ、だよな…

結城 樹

何言ってんだ俺

結城 樹

忘れてくれ…

白瀬 美麗

うん、私は何も見てない

白瀬 美麗

ねっ?

結城 樹

あぁ、ありがとう

白瀬 美麗

じゃあ、そろそろ帰ろうかな

白瀬 美麗

結城くんも帰る?

結城 樹

あぁ

一方、咲希と雄飛は…

東雲 咲希

何かさ~

伊織 雄飛

ん?

東雲 咲希

最近、樹丸くなったと思わない?

伊織 雄飛

そんなに太ったかな…?

東雲 咲希

そっちじゃなくて!

東雲 咲希

性格が丸くなったってこと

伊織 雄飛

…まぁ、確かにね

伊織 雄飛

言葉使いとか、表情とか

東雲 咲希

やっぱりそう思うよね

東雲 咲希

あの子が変えたのかな…

東雲 咲希

私、じゃなくて

伊織 雄飛

あの子って白瀬ちゃん?

東雲 咲希

うん

伊織 雄飛

嫉妬してるの?

東雲 咲希

そう…なのかな

東雲 咲希

美麗って可愛いし、謙虚だし

東雲 咲希

おしとやかで女の子らしい

東雲 咲希

私と大違い…

伊織 雄飛

何言ってんの

伊織 雄飛

僕は咲希の事好きだよ

東雲 咲希

え?

東雲 咲希

ちょっと…何言ってるの

伊織 雄飛

ん?好きって言った

東雲 咲希

ちが…そうじゃなくて

伊織 雄飛

ごめん、混乱させたね

伊織 雄飛

今の全部忘れて

伊織 雄飛

じゃあ、俺こっちだから

伊織 雄飛

またね!

東雲 咲希

…………

ただ突っ立っていることしか出来なかった

色んな感情が複雑に絡まって

毛糸の玉みたいにもつれあって

力が入らなくて膝から崩れ落ちる

東雲 咲希

何で…分かんないよ…

東雲 咲希

どうするのが…正解なの…

結城 樹

咲希?

白瀬 美麗

咲希、どうしたの?!

東雲 咲希

あ…2人とも…

白瀬 美麗

雄飛くんは?

結城 樹

あいつに何かされたのか?!

東雲 咲希

ち、違う!違うの…ただ…

東雲 咲希

ただ…

結城 樹

何だ?

東雲 咲希

いや、何でもない

東雲 咲希

じゃあ、私帰るね

東雲 咲希

また!

白瀬 美麗

あ、ちょっと…!

結城 樹

待てよ、咲希!

家に帰るなりベッドに倒れ込む

東雲 咲希

はぁ…

東雲 咲希

樹…私、どうしよう

私が樹を好きになったのは2年前

入学式で彼を一目見た時から惹かれていた

俗に言う一目惚れだった

入学式

東雲 咲希

(退屈だなぁ…)

東雲 咲希

(暇だしどんな人が居るか見てよっと!)

東雲 咲希

(わ~!あの子可愛いなぁ)

東雲 咲希

(あの人は勉強出来そう!)

東雲 咲希

(後は…)

東雲 咲希

……!

東雲 咲希

(あの人…)

入学式後

東雲 咲希

(あ、あの人同じクラスだ…!)

東雲 咲希

(名前は…?)

東雲 咲希

(結城くんって言うんだ…)

東雲 咲希

(話しかけてみよ!)

東雲 咲希

ねぇ、結城くん!

結城 樹

あ?誰だてめぇ

東雲 咲希

東雲咲希だよ!

結城 樹

シノノメ…?

東雲 咲希

珍しい苗字だよね~

東雲 咲希

咲希って呼んでよ!

結城 樹

あぁ

東雲 咲希

結城くんの下の名前は?

結城 樹

東雲 咲希

じゃあ、樹って呼ぶね!

結城 樹

あ?

東雲 咲希

ダメ…かな?

結城 樹

勝手にしろ

東雲 咲希

やった!

周囲からは驚きの声が上がっていた

「あの不良と速攻で仲良くなりやがった」

「あの子凄い…」

「結城と打ち解けるなんて…」

結城 樹

てめぇらうるせぇよ

結城 樹

別に俺はこいつと打ち解けた訳じゃねぇ

東雲 咲希

もう、こいつじゃない!

東雲 咲希

咲希、でしょ!

結城 樹

うるせぇなぁ…

東雲 咲希

ほら、咲希って言って?

結城 樹

んで俺がそんな事…

東雲 咲希

早く!

結城 樹

分かったよ!咲希!

東雲 咲希

ふふん、それで良し!

そこからの発展は早かった

私は樹に積極的にアピールした

その甲斐あって樹と付き合う事が出来た

不器用だけど優しい彼といられて

私はとても幸せだった

あの子…

そう、美麗が来るまでは

この作品はいかがでしたか?

9

コメント

1

ユーザー

昨日更新した物語の順番に不具合がありました。本当に申し訳ございません…🙇間違いを修正しておきました。

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