ホオズキ

ドイツの机にはからのエナドリと半分まで減った書類が積んである

そう言いながらも手だけは黙々と動かし続けている

タンっと軽快な音を立て、エンターキーを押す

今やっていた仕事はこれで一区切りつくだろう

少し背伸びをして、席を立つ

もうすぐ大切な会議がある

少し仮眠を取ろうとオフィスを出た

目の前には実現するのには到底難しい案が細かい文字でびっしりと書いてある

もし実現できてもこっちの負担が大きいだろう

舌をグッと噛み眠気を堪える

だがまだ会議は続きそうだ

ジリリリリ

不快な警戒音が室内に響き渡る

ガタリと音を立て立ち上がる

バタンと大きな音を立てながらイギリスが入ってきた

しかしのその顔から血の気が引いていた

イギリスだけでもみな、焦っている

そして、次の瞬間には図書室へ走っていた

目の前に広がっていたのは、スプリンクラーで消された燃えかすだった

みるも無惨な姿になった本の束はなぜか緑の絨毯の真ん中で燃えていた

もし、自然発火したのなら本棚ごと燃えているだろう

国連は苦虫を噛み潰したよな顔でそう呟く

慌てて、駆け出そうとする

しかし、イギリスが国連の手を掴み抑える

少し驚いたような顔をしていた国連だったが、それを聞くと安心したように肩の力が抜ける

グッと噛んでいた舌から少し血の味がした

ドイツの調査メモ

無計画な案

まじであいつこっちのこと考えてない

絶対無理だろ

⭐︎警報器が鳴った

↓

何かあった？