短編集！皆DEもっと光クラブ★

ぱしゅん！！

深夜を回った時間帯に、狩りをしている少女が一人....。

少女の名前はレイチェル。螢光町を騒がせたあの事件のある意味

＜生き残り＞である。

放った矢がウサギの息の根を止めていた。

レイチェルはウサギを持ち、廃墟になっている小屋へ入っていく。

小屋の中には包帯でぐるぐる巻きになっているニコが藁の山に座っていた。

あの時、

ニコはゼラを殺し息絶えたと思っていたが、またもや息を吹き替えし、

それに気づいたレイチェルはニコを連れ、基地を脱出した。

それ以来、ニコとレイチェルは世間から隠れるように過ごしていた。

しかし、ニコの火傷は未だに完治していない。

完治するまで、1日に5回は包帯を取り替えなければならない。

レイチェルは狩ったウサギの処理を始める。干し肉にすれば日持ちする。

レイチェルは万札を何枚も出して見せた。

レイチェルは夜な夜な、あの場所...基地に行き、ゼラが管理してたであろう資金を探しに行っている。

ニコに抱き寄せられ、レイチェルは自然とニコを抱き締める。

二人で決めたこの生き方。

最初は、ニコだけでも生きていることを伝えようとしたレイチェル。

しかし、ニコは自宅から金をいくら盗みに行き、レイチェルの手を取り、

この山へ逃げた時には、レイチェルはニコの意思を尊重した。

レイチェルがニコを支えながら、森の中を少し散歩する。

ニコは包帯だらけの手をゆっくり開くと、その手の中には

ニコは火傷だらけの体で片方の膝をついて、レイチェルの苦労が刻まれた手を優しく握る。

星と月が壊れた夜。

二人、静かな森で式をあげた。

あの頃とは違い、成長しあれだけ軽蔑していた大人になった二人。

世間から隠れるようにひっそりと暮らしていく。

消して楽な暮らしではない。それでも

二人は生きていくのだ。

数年後....

あれから、数年後。

レイチェルとニコの間には子供ができた。

長男の名前はタミヤ。次男の名前はカネダ、三男はダフと名付けた。

そして、今レイチェルのお腹には新しい命が宿っている。

火傷後がうっすら残っているニコは完全に完治し、今は体力づくりのため、

狩りに出たりしている。

レイチェルの左手の薬指には木彫りの指輪をしていた。

タミヤとカネダ、ダフは手を洗いに家の中に走っていく。

その後ろ姿を昔のあの三人に重ねているニコにレイチェルが寄り添う。

ニコはレイチェルの手を引いて、二人も家の中に入っていく。

数ヶ月後。

生まれた子供は女の子だった。

そこの名前はすでに二人の中で決まっていた。

産声をあげ、疲れて眠っている我が子を抱き、幸せを噛み締めるのだった。

完

★終演★