あの日の夜
あの日が
私の運命を
人生を
大きく変えたんだ────
冬乃
???
???
???
???
それからどれ程時間が経ったのだろう
真っ先に目に止まったのは見慣れた真っ白な天井だった。
冬乃
私は、橋清冬乃(はしきよふゆの)
今年高校生2年生の17歳
___と言ってもこんな体だ。物心着いた頃には入院生活だったが、以前は病院から外泊許可が出る事もあった。
しかし、最近は症状が悪化しベッドから容易に降りることも許されない。
今時の高校生みたく学校帰りに友達と遊んだり、オシャレして、メイクして、彼氏作って…
そんな日常とは大分かけ離れた生活をしている。
冬乃
────ガラガラ
母
冬乃
この人は私の母親で入院生活の私を幼い頃から大切に見てくれている。
今では私の唯一の家族だ。
半年前、父親と弟が交通事故で亡くなった。
車に同乗していた母だけは後遺症を多少足に残しながらも何とか一命を取り留めたのだ。
母
冬乃
母
冬乃
母
そう言ってママは優しく私を抱きしめた
それと同時にママの肩が少し震えているのが分かった
冬乃
母
冬乃
母
冬乃
母
冬乃
冬乃
母
冬乃
ふと時計を見る
母
冬乃
冬乃
母
冬乃
母
冬乃
母
冬乃
ガラガラ────
ママが帰ると、あぁ1日が終わる。 そう感じさせられて少し寂しくなったりする。
でも毎日来なくたって、少しは自分の時間に使って欲しい、そんな矛盾した気持ちが日々堂々巡りする。
もう時刻は夜の9時半。
あと30分もすれば、ナースが巡回に来る。
もう寝なければならない。
しかし…どうしてだろうか…
何故か今夜に限って眠れない。いや…
寝たくなかった。
冬乃
何とか歩き回る体力は戻っていたため、そう心に決め布団にくるまった
コンコン…──ガラガラ
………………コツ…コツ…………………………
冬乃
私は、物音が立たないように、そっと起き、扉を開けた。
冬乃
どれ程歩いただろうか
ゆっくり歩いているのもあるだろうが、随分と歩いている
確かこの奥は…
冬乃
そんな気持ちを押し殺し、私は前へ進む
大分大広場の椅子などの形が薄暗闇でも分かる距離まで来た
と不意にガラス張りのドアを見る
────フワッ
外を眺めていた彼も私に気づいたのか、驚いた様子で振り返る
冬乃
そっと見据えた透きとおるような目
とても柔らかそうな長めの髪の毛
少しだけ開いているピンク色の唇
そして…
とても温かく、優しく
いるだけでその場を包み込んでしまうような柔らかい匂い
私は、まるで何かに魅力されたかのように、その場から_
彼から目を離すことが出来なかった────
コメント
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続きが気になるなぁ~