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なぁ、ノート見せて?

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なぁ、ノート見せて?

1 - なぁ、ノート見せて?

♥

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2019年11月03日

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なぁ、ノート見せて?

その言葉が始まりだった

え?

結菜

ちょ、宙…

宙の隣の席の子が

「自分で黒板見ろ」 とでも言うようにツッコむ

いや、マジで見えやんのやって

俺マジで視力悪いから!

弁解すると教室は

花が咲いたように 笑い声がおこった

大知

隣の人でええやん

だって隣の人書いてないもん

結菜

なっ…

また、教室内の笑いをとる君

その、世界の中心にいるような

どの星より輝くような笑顔が 好きだった

それから君は私の机を 覗き込む事が多くなった

顔近いし不意打ちだしで

私の心臓は脈を増やす

なぁ、ノート見せて?

毎時間そう言って振り向く君

……うん

見やすいように気を使って 彼の方にノートを傾ける私

きっと私の顔は赤ペンで記した みたいに赤くなってる

やだな…あんま見られたら バレちゃうじゃん

それでもなんでもない君との やり取りが楽しかった

あ、そーだ。

……ふふっ

薄く笑ってまた君が 振り向くのを待つ

カッターシャツの白さは まるでノートみたいで

真っ白なノートに 君への想いを書き綴りたかった

なんて、 ちょっと重いかな?

ノート見せて?

きたっ!

一瞬、不思議そうに私を見る君

そりゃぁ…ね… 私こんなことするキャラでもないし

それでも君は

その文字の下に何か書き出した

いたずらっぽくクシャッと笑って 自分のノートに戻る君

その笑顔に

……やられた

誰にも聞こえないような声で呟いた

この出来事は 付箋でも貼っておこうかな

で、弁当何だったの?

宙とは班が違うので

班になって昼食を食べ終わった 昼休み、君は聞いた

あ、サンドウィッチだったよ

そっか。

たったそれだけ

それだけの会話だったけど

また話せちゃった…

私の気持ちは弾むばかりだった

君はすぐに友達の輪に入っていって

その場所はすぐに笑いが起こる

好きな人を誇れるって 幸せ………

日菜

そんなに好きなら告っちゃえば良いのに。

日菜ぁ?!

日菜

サンドウィッチだったよ♡……じゃなくて!

日菜

サンドウィッチだったよ、宙はサンドウィッチ好き?

日菜

うん、好きだけど…

日菜

そっか…じゃあ、私のことは?

日菜

……沙夜、好きだよ。
ってなろうよ!!!

日菜。

日菜

ん?

少女漫画の読み過ぎ

私達のミニコントの 終わりを告げるように

昼休み終了のチャイムが鳴った

昼休みが終わって5限目

国語の時間だった

告白、かぁ……

さっきの日菜の言葉が蘇る

「そんなに好きなら告っちゃえばいいのに」

出来てたら こんなに悩まないよ…

ブルーな想いが インクが滲むように広がっていく

投げやりな思いをノートに書くと

芯が折れたみたいに切なくなる

なぁ、ノート見せて?

ふぇ…?

ヤバいヤバいヤバい

まだバカって消してないじゃん…!

これじゃ宙にバカって 言ってるみたい

アワアワしてるうちに 覗き込んでくる君

そして、私の顔を一瞬見て

ノートに何かを書いて 黒板の方を向いた

縦書きのくせに横読みなんて

ガンバレ、なんて

ズルいよ、君の事で 悩んでるのにさ。

だけど

半分告白みたいな言葉を書いた

今度君が振り向く時に ノートじゃなくて

私に振り向いて欲しくて

ノート見せて?

私は頷いて いつもどおりノートを見せる

君に届くようにと願いながら

私が書いた文字を見て 君は優しく微笑んで

俺も好き。

二人だけに聞こえるような

人懐っこい声で囁いた

きっとこの出来事は

ピンクのマーカーで なぞるような出来事だ

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