テラーノベル
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――異変はすぐそこに
朝の町はいつも通りだった
パン屋の煙 開く店の扉 水桶を運ぶ人の足音
こさめ
LAN
ちゃんと、音はある
でも、引っかからない
違和感は説明できないほど小さい
みこと
みことが露天の並びを確かめる
みこと
すち
すちが言う
すち
すち
暇72
すち
広場の中央
噴水の水は問題なく流れている
子どもが一人、縁に腰かけていた
石を投げ、水紋を眺めている
暇72
俺は思わず声をかけた
暇72
俺は息を止めた
暇72
子供は不思議そうに笑う
暇72
そう言って立ち上がった
少し離れたところで、いるまが腕を組んでいた
いるま
LAN
LANが頷く
LAN
すち
すちが続ける
こさめ
みこと
みこと
暇72
沈黙が広がった
暇72
五人の視線が、集まる
暇72
こさめ
暇72
暇72
暇72
暇72
みこと
暇72
LANの目が見開かれる
LAN
いるま
すち
すちが言い換える
その言葉が、全員の中で形になる
暇72
暇72
みこと
暇72
俺は町を見渡す
人々は変わらず歩いている
笑っている
生活を続けている
暇72
誰も否定しなかった
世界はまだ静かだ
滅びにはまだ名前がない
けれど町は確かに“歪み始めている”
そして六人はそれを見過ごせない場所に、もう立っていた
___1人を除いて