TellerNovel

テラーノベル

アプリでサクサク楽しめる

テラーノベル(Teller Novel)

タイトル、作家名、タグで検索

ストーリーを書く

テラーノベルの小説コンテスト 第4回テノコン 2025年1月10日〜3月31日まで

城内に設けられた広い屋上テラスに 招かれた私。 国王から着席を勧められ 使用人の方が運んできた紅茶を受け取る。

使用人

熱いのでお気をつけて!

保安官

ありがとうございます。

ハツラツとした活気のあるメイドさんより 手渡されたカップを見ると 真雪の如く白い器と純金で誂られた取っ手… やはり王室のものだけあり 気品に満ち溢れる気配を放っていた。

保安官

おぉぉぉ…!
じ、純金の取手…?

国王ハイネリウス

しばし仰々しいか?

保安官

へぁ!?

そ、その!

とても綺麗だと思いました!

国王ハイネリウス

うむ、であるか。

そら、冷めぬうちに

保安官

で…では

勧められるままにカップから漂う香りから味わう なんとも言えない奥深いダージリンの香りが 鼻を満たした。 ゆっくりと口元から紅茶を味わうと…

保安官

美味しい…

使用人

ありがとうございます!

国王ハイネリウス

うむ…

ふぅ、やはりお主の入れる一杯は格別であるな

使用人

奥方様の教えのおかげです陛下!

国王ハイネリウス

うむ、であるな…
此度の甘味は何がある?

保安官

甘味!!

これはなんとも心躍る質問をする! 前世 西部の荒野といえば堅焼きにされた焼き菓子位 とにかく甘いもののレパートリーが少なかった。 時折オーブンを持つ家のものから差し入れで アップルパイをいただいた時なんか 食い意地の貼った保安隊員達と殴り合いの 奪い合いまでするくらいだった。 対してここは王宮、であれば出てくる甘味は 話に聞くケーキやチョコ菓子だってきっとある!!

使用人

本日はスコーンのご用意がございます!

保安官

スコーン!!

大英で上流階級の者が口にする 紅茶に合うという焼き菓子だ!

保安官

た、たくひゃんありまひゅか?

使用人

ブッ…クク…!

おっと、私としたことがみっともない 期待が高く体を乗り出した挙句ヨダレ垂らして 使用人の方を見てしまった…

使用人

おぉ、と…
失礼致しました。

コホン
沢山ご用意してますよ!

国王ハイネリウス

うむうむ。
実に良い

他にはなにかないか?

使用人

それからホイップを扱ったクレープに

ブランマンジェとアッシュクーヘン!

使用人

加えて!

ショコラを始めとしたケーキをいくつかご用意しております!

・・・

いや量多くないか!?

国王ハイネリウス

ほぉ…!実に良い…!

其方、何か好きな甘味はあるか?

保安官

へ?!

あ、そ、そうですね…!

動揺を必死に隠して見守る。

そういえば、高貴なもの達は お客人を招く時 相手を物足りないと感じさせるのを嫌って 敢えて多めに菓子や飲み物を出す作法があると 聞いたことがある。

グレイオス陛下も気を遣わせるのは みたいなこと言っていた

何個か聞いたことの無い名前もあったが お菓子類は好物だから多分大丈夫だろう…

国王ハイネリウス

よろしい、持ってまいれ

使用人

かしこまりました!
少々お待ちください!

数分後 テーブルの上におびただしい数の 菓子が並べられ唖然とした

国王ハイネリウス

どれ、もらっていこう。

其方も好きなものを取るといい

保安官

あ、ありがとうございます…!

呆気にとられながら 1番近くに並べられているスコーンをつまむ…

やはり美味しい

ひとつまみ またひとつまみと どんどん手が止まらなくなる。

保安官

むふぅ〜☀

国王ハイネリウス

気に召したようで何よりよ

保安官

はぁい〜

どのお菓子もとても良…

ッ!!!???

陛下の方の皿を見る なんということか… 既に何枚かのお皿が空になっていた

いや陛下凄いなおい!!

国王ハイネリウス

頼めばまだまだある。

夕食に障らん位に楽しむのだぞ?

保安官

おおおぉぉ…

もしかして 私が遠慮するといけないから 敢えて今日は多く食べている?

保安官

あ…あの…

使用人

そう思い横に控える使用人の方を手招きする

首を傾げた様子で近づいたので 耳を貸してもらう為に 両手を口元に添えた。

保安官

あの…陛下

私に気を使って沢山食べてるという事でしたらそれとなくお止めくださると…

使用人

いえ?
そんな事ないですよ?

陛下はいつもお茶の時になると
もっと沢山召し上がりますよ?

保安官

もっと沢山…!?

使用人

それどころか

王族の皆様いつもあのくらいの量はペロリと平らげますし

いや王族の皆様 すごいなおい!!!

国王ハイネリウス

ふぅむ…

やはり菓子は良い。

すまぬが焼き菓子をもうひと皿頼む。

あと、アッシュクーヘンをもう二皿

紅茶もくれ

使用人

かしこまりました!

国王の要求に笑みを浮かべ こちらにウィンクする。

使用人

ね?

保安官

ええええぇ…

世には常人の数倍食べて ようやく満足する種類の人種がいるというが 目の前の高貴な人物を見たら きっと腰抜かすだろうなと思うばかりだ

10分程経過して

運ばれてきた菓子類を次々に平らげ 満足した陛下が飲み物にて喉を潤す。

国王ハイネリウス

此度も実に美味であった。
料理長にもよろしく伝えてくれ

使用人

ありがとうございます❤

国王ハイネリウス

うむ。
それはそうとすまぬが
目の前の娘と話がしたい。

しばし2人にしてくれるか?

使用人

かしこまりました。

何かございましたらお呼びください!

他に控えていた使用人たちに 目配せをすると 空になったお皿を下げ、代わりのポット と綺麗なカップがテーブルに置かれる

使用人の方々が一礼の後、退いた。

同時に私の中に嫌な予感が走る… もしかしたら 昨日のやらかしに対しての お沙汰があるかもしれないからだ…

自然と体が身構えてしまったその時

国王ハイネリウス

其方

保安官

は、はいっ!

何が来る!? コーヒーでシーツ汚した話か! 軍馬に跨った話か! 研究室で大騒ぎした話か! あるいは法術使ってしくった話か! 心当たりが多すぎるどれだ!!!!

国王ハイネリウス

城での生活はどうか?

国王ハイネリウス

先程食した様子を見るに食事は問題ないとみた。

それ以外になにか困ることは無いか?

保安官

違った、純粋な配慮から来る質問だった… 身構えていた自分が馬鹿らしい

保安官

お気遣い恐縮です。

ご配慮下さっているおかげで不便ございません。

国王ハイネリウス

うむ、であるか…

着るものに関しても不便はないか?

保安官

あ、それにつきましては…

着るものに関してはものすごぉぉぉく 不便している… だってドレスだもの… こんな下がヒラヒラするもの着る日が来るとは 夢にも思ってなかった 今の私を生前のもの達が見たらなんていうか

ジョンソン

『し…保安官がドレス姿に!?』

カスター

『ブーーーーっ!!!
あっっははははは!!!』

アメリア

『アラアラアラアラ!
可愛いおちびちゃん完成♥️』

うん… 1人目は動揺して… 2人目は腹抱えて💢 3人目は目を輝かせるような気がする💧

保安官

二人目腹立たしいな…

国王ハイネリウス

うむ?

何か据えかねている事があるのか?

保安官

あ!
い、いえ!
故郷のもの達の事が頭をよぎりまして💦

国王ハイネリウス

ほぉ?

そのもの達思い浮かべると腹立たしいのか?

保安官

正確に申し上げるとそのうちの一人が爆笑するのではないかと思いました。

少々物珍しい光景を茶化す所がある者でしたので。

国王ハイネリウス

ふむ

陛下が、ティーカップを口元で傾け 美しい所作でお茶の味を楽しむ。 その姿勢があまりにも綺麗だったのでついつい 見惚れるような感覚を覚えた。

国王ハイネリウス

其方の故郷とは、如何様な地であったのだ?

保安官

そうですね…

テラスの端、柵の向こう側に広がる景色を眺める。 景観はもちろん違うものの 空の色は故郷と変わらないと感じた。

保安官

一言でいえば広大です。

小高い山があちこちにあり

針葉樹の木々が森のようにも見えます。

国王ハイネリウス

のどかであったか?

陛下の方を向き直し 紅茶を一口飲み込む。

保安官

えぇ。

時折、無法を働く輩はありましたが…

それでも自然に富む豊かな地でございます。

保安官

四季があり、夏は暑く冬は寒くもありました。

プロメセウスという山がございますが

冬になるとその山が実に美しい雪化粧を纏うのです

国王ハイネリウス

ほぉ?

其方、山の民であるのか?

保安官

そうともいえるでしょうか?

ただ、西の方へ向かうと広い荒野も構えており、そちらの方は砂塵が吹き荒れるような地域です

国王ハイネリウス

ふむ、面白い…

その地はなんというのだ?

保安官

ネバダのオースティンでございます陛下。

都会というしがらみを忘れたいものにとっては心を癒せるような土地です。

国王ハイネリウス

ほぉ、ネバダ国のオースティンとな?

保安官

いいえ

ネバダは国名ではなく
州でございます。

国王ハイネリウス

州?

保安官

国に属する土地が名乗る地名として州という呼称がございます。

私の故郷、とにかく広い土地を持っておりました

国王ハイネリウス

なんと…するとあれか?

其方の故郷、その州というものがいくつもあるのか?

保安官

大きさは様々ですが、ネバダを含め

35以上の州がございます。

こちらの国の領土がどれほどの大きさかは分かりかねますが、小さな王国が30程は収まる大きさです

国王ハイネリウス

ふむ……

広大の文字に偽りなしとはまさにその通りよな。

その国の名はなんと言う?

保安官

アメリカでございます。

いくつもの州をあわせた連合国のような姿からアメリカ合衆国…と呼ばれる国です。

この作品はいかがでしたか?

30

コメント

0

👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!

チャット小説はテラーノベルアプリをインストール
テラーノベルのスクリーンショット
テラーノベル

電車の中でも寝る前のベッドの中でもサクサク快適に。
もっと読みたい!がどんどんみつかる。
「読んで」「書いて」毎日が楽しくなる小説アプリをダウンロードしよう。

Apple StoreGoogle Play Store
本棚

ホーム

本棚

検索

ストーリーを書く
本棚

通知

本棚

本棚