その後まんば君に部屋まで送ってもらい。そこから荷物を片付け初め、今やっとみんなから贈られた荷物をやっと仕舞うことができた。瑠璃様からの家具は入れ替えた。
柘榴
ふう、やっと終わったー!
能力を使っていなかったらいまだに終わっていなかっただろう。特に紫水のアクセサリーは何千種類とあって驚いた。それに翡翠の薬も堕胎剤以外にも解毒剤や風邪薬などの種類もあったし、志桜里様の化粧品も色違いなどが大量にあった。おそらくそのあとで選んだであろう瑠璃様の家具には薬棚や大きめの箪笥や鏡台があってとても助かった。
柘榴
瑠璃様はそこまで考えて家具一式を……というか、こんちゃん私の衣服持ってったな
?
審神者さん居るかい?
柘榴
居るよ
?
少し失礼するよ
柘榴
あ、伊達政宗さん
?
その呼び方やめてくれるかな……?政宗公は僕の元の主なんだ
柘榴
そうだったんですか!?じゃあなんとお呼びすれば?
?
僕は燭台切光忠。呼び方は…そうだね、光忠って呼んでほしいかな
こちらの目をまっすぐ見て優しげに微笑みながら言われた。めちゃくちゃイケメンじゃん!ここに居る皆イケメンすぎでしょ!イケメンか可愛いしか今のとこ見てないし。私ももっと美女に生まれたかった。
柘榴
了解、これからは光忠って呼ぶね!で、それは?
光忠は両手で美味しそうなご飯が乗ったお膳を持っている。そういえば部屋に入ってきたときも両手で持ってたけど襖どうやって開けたんだろ。
燭台切光忠
あ、うん。これはキミに。確か何も食べてなかったよね?それと薬研君から薬を飲ませる前に何か食べさせておいてって頼まれてね
柘榴
あのお医者さんみたいな子か~。ん?ってことはこれから薬研が来る?
燭台切光忠
うん、風邪薬を持ってね。って、どうしたの?その格好…
食事の乗ったお膳を畳に置きながら私の格好をじっと見てきた光忠。
柘榴
ん?ああ、この服のこと?さっきお風呂に入ってきたんだけど着替えが盗まれちゃってさ。イケメンに借りたんだよね。
燭台切光忠
イケメン…僕に言ってくれれば良かったのに。服くらい何時でも貸すよ。
そういって私の正面(お膳を挟んだ向かいあたり)に微笑みながら座った。あれ?ふつう居座るものだっけ。あ、そっか。お膳を下げるのも兼ねて座るのかな?
柘榴
服がなくなるなんてそうそうないから大丈夫だよ、多分借りることはないと思う。でももしあったらお借りしようかな。
燭台切光忠
そうして。後何か困ったことがあったら遠慮なく言ってね?さ、冷めないうちに食べて
柘榴
ありがとうございます
少しお辞儀をしてから盛り付けも彩も完璧の和食に手をつけ一口食べた。
柘榴
美味しい…すっごく美味しい!
燭台切光忠
ははっ、それはよかったよ。しっかり食べて栄養付けないとね
柘榴
ブラック本丸って聞いてたけど、この本丸に来れてよかったかも。みんないい子だし、暖かくて優しいから
燭台切光忠
審神者には警戒心を向ける刀ばかりだけどね。でもまあ、キミを邪険にしたりする刀はいないと思うけどな
柘榴
どうして……?私だって審神者だから皆から見たら前任たちと一緒だよ?
燭台切光忠
んー、何て言ったらいいかな。キミは僕たちに審神者だからってことを押し付けないし、物みたいに粗末に扱わないでしょ?歌仙君の時だってキミは自分よりも歌仙君を心配してた。その優しさが今の僕たちにはすごくありがたいんだ
柘榴
うーん、そっか。私は審神者だからって刀の皆に何でもしていいって思わないかな。寧ろこれからずっと一緒に暮らすだろうから仲良くしたいし、みんなで楽しく笑って過ごしたい。失ってから気付いても意味はないからあとの祭りってやつだしね。それに、こんな私を信頼してくれるのならその気持ちを大事に守りたいから
私はご飯を食べながら不安げな顔で話す光忠に話掛ける
燭台切光忠
…ありがとう。キミのこと信用できそうだよ
柘榴
そう言われると私もうれしい。私も皆の事を信用できそう!あ、これ毒入ってないよね?
燭台切光忠
信用できそうって言ってるのに普通疑うかい?
柘榴
あはは、冗談だよ。だってこんなに美味しいんだもん!
燭台切光忠
はは、やっぱり主って面白いよね。ほんとに審神者なのか疑うくらい
柘榴
それって褒めてるの?
燭台切光忠
もちろん。女の子らしさには欠けるかもだけどそれも可愛いし
柘榴
それ貶してるでしょ。女の子らしさはなくても所作は綺麗でしょ?
燭台切光忠
そう言えばそうだね。習ってたの?
柘榴
私それなりに格が高いからさ、マナーだけでもしっかりしてないとダメなんだよね
燭台切光忠
口調はいいのかい?
柘榴
それはいくらでも取り繕えるから!
燭台切光忠
そう言ってる主って何でもできそうだよね
柘榴
何でもはさすがに無理かな。でも大体のことなら出来るよ!
燭台切光忠
大体、に何でも入ってそうだね
柘榴
そんなことないってば
その後雑談を続けながら私はご飯を食べ、しばらくして食事を終えた。
柘榴
本当に美味しかった~ずっと空腹だったから満たされた。ありがとう光忠
燭台切光忠
お役に立てたようでよかったよ。って、主ここ、ついてるよ?
柘榴
え?どこ…
燭台切光忠
ココ…だよ
光忠に口元を指さしながら指摘され、手探りで探すが全然見当たらない。あれ?私ってもしかして不器用?そう思いながら探していると光忠が近づいてきて間近に顔が近づいたと思ったら急に口元を舐められ私はフリーズした。
柘榴
え?今、一体何が起きて…あっ。い、いきなり何!
燭台切光忠
付いてたからね
柘榴
え、付いてるからって舐めるものなの!?光忠って紳士じゃなくて変態だった?
燭台切光忠
人聞き悪いなぁ…まあ否定はできないけど
柘榴
え……
否定しないの!?普通そこ否定するよね!ってことは変態なの?いいや、光忠はイケメンイケボの紳士だ。
燭台切光忠
ここは刀と言えど、男ばかりだからね…主、気をつけたほうがいいかもね
柘榴
意味深な忠告ありがとうございまーす