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(さて…結構深くまで来たつもりではあるんだが…)

ガルルルル…

お!みっけ!

よぉし、すぐには死んでくれるなよ?

ダッ

スカッ

琳寧

え?

あれ?

あ。

…そうじゃん…『捕まえ』なきゃいけないんじゃん…

琳寧

『捕まえる』…?

はい。鉱石は普段の姿では実体を持たないんです。 今は鉱石がそれぞれ姿を持っているように見えると思います。

琳寧

あ、うん

それは僕の記憶だからです。 実際、普通に見える鉱石は岩に埋まっているただの鉱石しか見えません。 そのため、普通はお互い、実際に触ったり認識することはできません。 しかし、そんな鉱石が唯一実体を持てる方法…それが『捕まえる』です。

琳寧

なるほど…

まぁ、『捕まえる』という呼び方は勝手に誰かが言い始めただけです。 本当の名前は『狩人からの招待状』って名前です。 この術を発動させると、特定の相手に自分の姿を見せることができるのと同時に、お互いが接触できる状態にさせます。 そしてこれは、周りにいる者にも同じ状態にさせます。

あ、これから始まりますよ

ー我は獲物を見つけ、追い詰め、仕留める狩人。
 汝は我から怯え、逃げ、狩られる獲物。
 そんな汝を我の領域に招待しよう。そして楽しませておくれー

ブワッッ

琳寧

今のは詔?

はい。…恥ずかしながら、当時は無詠唱ができなくって…

琳寧

(確か…普通、何かの術を使うとしたら詔、または呪文を言う必要がある。そして、練習を積み重ねる事によって、無詠唱で使用する事が可能になる…ってやつのはず…!)

その通りですよ。学習の成果が出てますね!

琳寧

((良かった…合ってた))

さて、これでやっとで戦えるようになったな

ガルッ?!

へぇ、猛獣も驚くことがあるんだな

さて…

殺ろうか

グォォォ!!

ダダッダダッ

デカい図体の割には、結構速いんだな!!

よっと!

ブンッ (鋭い爪が振り下ろされる)

うわ〜、あれに当たったらタダじゃすまねぇな

ま…

チャキッ (焔が刀を構える)

当たればの話だけどなぁ!!

ガルッ!!!

    

    

…ったく…

ごしごし (顔についた血を拭き取る)

すぐ死ぬなって言ったのに…一撃入っただけで動きが遅くなったし…

琳寧

わぁ…すごい戦い…

本当ならあまり琳寧様には見せない方が良かったと思うんですが… 気分は悪くなってないですか?

琳寧

うん、大丈夫だよ

琳寧

ただ…焔は純粋に戦いを楽しむんだね

この頃の自分は道徳心なんてありませんでしたから…

この程度なら来た意味もないし…帰るか

そこのお前!何者だ!!

あ‘‘?

金髪の鉱石

その雰囲気…ここの者ではないな!どこから来た!!

人に聞くなら自分から言うのが筋じゃないか?

金髪の鉱石

…!

金髪の鉱石

そうだな…ワタシはここ、「リンクス鉱脈」の最下層の鉱石である、「シューイ」だ

シューイ

さて、お前の名前を言え

俺は焔。もう用は済んだし、これから帰る。

じゃぁなー

ガシッ

…なんだよ

シューイ

あ…っと、すまん

シューイ

ワタシはお前をどこかで見たことがある…お前はどこ出身だ?

俺はクゥドゥス鉱山出身だが?

ゾワワワッ

シューイ

クゥ…ドゥスって…あの…魔界と…天界の…間の…?

あぁ、そうだが…(なんでこいつ、こんなに動揺してるんだ?)

シューイ

ッ……

シューイ

先ほどお前が殺したその獣…そいつは討伐対象だったんだ

討伐…?

シューイ

あぁ。その獣の主食は鉱石…つまり我々なんだ

シューイ

食われるとなると、私たちは消滅の道しかなくなる。だから、討伐しなければならなかった

シューイ

しかし、その獣はかなり強くて、ワタシが直々に出向かなければならなかったんだ

シューイ

そんな獣を、お前が討伐してくれたのは感謝している。ありがとう

お、おう…?

シューイ

しかしだな…

お前も殺さなければならなくなった

あ”?なんだお前、喧嘩売ってんのか?

シューイ

別に喧嘩を売ってる訳じゃない。ただ、そうゆう決まりなんだ

決まり?誰が決めたんだよ

シューイ

ワタシの父上…「鉱王」だ。

琳寧様、少し補足をさせてください。 鉱石は、自分の子を持つことが難しいだけで、可能ではあるんです。 一つの鉱石のほんの少しの欠片が、生き物に運ばれたりすると別の鉱山に移動することが あります そうなった場合、その欠片は自動的に近くの岩や壁などに入り込むんです。 すると不思議なことに、入り込んだ鉱石は成長していきます。 そうして鉱石の子は広がっていくんです。

琳寧

へぇ…なんか植物みたいだね

…クソ野郎が

お前、鉱王の息子…いや、娘だな

シューイ

…何言ってんだお前

それは俺のセリフだ

女が最下層の鉱石なんてこと、よくある話ではあるだろ

シューイ

…そうだな

シューイ

ワタシは「鉱王の娘」、シューイだ

シューイ

なぜ分かった?

あー、勘?

クスッ

シューイ

そうか、勘か…

おい!クゥドゥス鉱山の奴が居たぞ!殺せ!!!!

追手が来たな

シューイ

なら、勘が鋭い焔よ。これからワタシはどうすると思う?

まぁ、俺を殺しに来るだろうな

シューイ

ふふっ、違うな。答えは…

『君を逃す』だ

は?

シューイ

言ったろ?君をどこかで見たことがあると

シューイ

思い出してくれると嬉しいが…その様子じゃ恐らく無理だろうな

シューイ

ワタシは君から貰った恩がある。恩返しだと思ってくれ

シューイ

そして、これからこの壁に大穴を開けるほどの力を使って、そのまま飛ばす。死ぬなよ

ちょ、待て、意味がわからnー

シューイ

さようなら

ドォォォン

兵士

シューイ殿!この辺りにクゥドゥス鉱山の奴が居たはずですが…

シューイ

あぁ。確かに居た

兵士

どこに行ったか分かりますか?

シューイ

あぁ知ってるぞ。だが、この世にはもう居ないだろうな

兵士

というと?

シューイ

ほら

兵士

!!…おぉ…

兵士

これ程大きな穴を空けるぐらいの威力の技を放ったのならば…流石に砕けてますよね

シューイ

あぁ。そうだと思う

シューイ

((…頼む。生きててくれ。))

救い主〜神様編3〜

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