階段を駆け上がると 屋上につながる扉が開いていた。
るな
るな
なおきりさんっ!!
なおきり
久しぶりですねー
シェアハウスの屋上…
るなとなおきりさんが付き合い始めて ここでよく二人きりで会っていた。
るな
なんで?どーして?ゆあんくんがいるの?
るな
るな
私が一気に喋ったからか なおきりさんは驚いてきょとんとしてる。
なおきり
フェンスにもたれかかり腕を組んで話し始めた。
なおきり
なおきり
なおきり
るな
なおきり
からぴちに入って欲しいって
なおきり
るな
なおきり
なおきり
なおきり
るな
なおきり
なおきり
るな
なおきり
つまり…
なおきり
リスナーさん達も他のメンバーもついていけないでしょ?
るな
なおきり
るな
どうしてだろう ゆあんくんの言ってることはとっても真っ当なのに
グループのこと考えて 幼馴染を秘密にしてるだけなのに…
赤ちゃんの頃から知ってて 他人だなんて思ったこと一度もない
るな
るな
"他人" ゆあんくんとの、初めての関係だった。
るな
るな
なおきり
なおきりさんが目を細める。 冷ややかな声だった。
なおきり
目の前のこと頑張ろうね…
るな
なおきり
るな
なおきり
なおきりさんが私に近づいて
るな
なおきり
両手で私の顔を持ち上げる
るな
びっくりしてなおきりさんの手を離そうとした。 強い力で引き剥がせない。
なおきり
なおきり
るな
なおきり
るな
私がゆあんくんに思った "他人と見られて寂しい気持ち"
るな
なおきりさんわかったんだ
るな
そんな甘えた気持ち、
持っちゃダメっていうこと?
なおきり
るな
るなわかってるよ。
なおきり
なおきり
"そっち"じゃない
るな
なおきりさんが眉をキュッと寄せた。
るな
るな
なおきり
顔を近づけて 私の目をまっすぐ見てこう言った。
なおきり
なおきり
るな
なおきり
るな
続く言葉を飲み込んだ
…ううん、飲み込むしかなかった。
ガチャ
ゆあんくん
るな
japp
あれ、二人ともこんなとこにいたの?
たっつん
声がする方に振り向いたら 一番前にいたゆあんくんが顔を真っ赤にしている。その後ろから じゃぱぱさんとたっつんさんが顔を出した。
るな
るな
慌ててなおきりさんと距離を取った。
なおきり
たっつん
japp
ゆあんくん
ゆあんくんがあわあわ慌ててる。
るな
入ってきた時、ゆあんくんと目があってしまった。
japp
るな
たっつん
なおきり
たっつんさんがじっとりとした眼差しで なおきりさんを見た。
ゆあんくん
たっつん
ゆあんくんがぐるりと後ろを振り返って
大急ぎで下へ戻って行った。
japp
たっつん
japp
たっつん
とりあえず下に戻ろうか… 四人で入り口の扉へと戻っていく。
るな
なおきり
力強くなおきりさんの腕を引いた。
るな
誰かくるかもっていったのに!!)
…こっそり耳打ちする
なおきり
なおきり
なぁんにも見てないでしょ?
るな
japp
たっつん
なおきり
たっつんさんの呆れ返った視線が痛かった。
ゆあんくん
…リアルに見た。
ゆあんくん
ゆあんくん
想いを寄せる幼馴染と 会社の先輩のだなんて
リアルすぎる!!!
ゆあんくん
頭ではわかってる。 るなの彼氏はなおきりさんで 付き合ってんだからそーゆーことはあるって…
ただ、目の前にしてしまうと
ゆあんくん
あんなとこ見ちゃったし るなは幼馴染としてしかオレ見てないし
ゆあんくん
ゆあんくん
---あの顔 向けられてるのはオレじゃない
現在勝率はほぼゼロ。 振られてるとおんなじ…
ゆあんくん
そうだよ!頑張れ、オレ!
ゆあんくん
るな
ゆあんくん
ゆあんくん
オレの後を追ってきたのか? るなが息を切らして立っていた。
思わず動悸がすごくて 心臓あたりを鷲掴んだ。
るな
ゆあんくん
ごめん。オレのわがままで…
ゆあんくん
るな
るな
真面目なゆあんくんで。
ゆあんくん
るな
るながいるから入るー!って言ったのかと思っちゃって…
ゆあんくん
るな
ゆあんくん
るな
やだ、そんなわけないのにね?
ま、まちがってナイ…
ゆあんくん
るな
ゆあんくん
るな
ゆあんくん
いつも一緒にいて双子みたいだとよく言われたから どっちが上かでよく揉めていた。
ゆあんくん
るながお姉ちゃんだな。
るな
ゆあんくん
いつも自分が引っ張ってるとばっか思ってたけど…ここでは素直にるなに引っ張ってもらおう
るな
指をさしながら…編集部屋とは 反対方向に行こうとするから
ゆあんくん
ゆあんくん
るな
ゆあんくん
"おねーちゃん"www
るな
るなが真っ赤になって顔を伏せた。
やっぱり、どっかほっとけないわ。 オレここでも…しっかりしよう。
しば
えとちゃん
しば
えとちゃん
しば
えとちゃん
しば
絶対叶わないって思ってただろ。
まだ想いが叶う前 オレは偶然えとさんの片思いを知った。
えとさんもまた、オレの叶わないと思ってた るなさんへの気持ちを知ることになって…
ふたりでよく、ぽつりぽつりと 行き場のない気持ちを話していたことがあった。
えとちゃん
奇蹟みたいなこと…
えとちゃん
しば
えとちゃん
しば
しば
えとちゃん
心が掻きむしられるような焦りとか 胸に込み上げてくる不安とか
しば
押しつぶされそうになって 俺は悩みに悩んで打ち明けた。
しば
しば
しば
えとちゃん
しば
しば
えとちゃん
しば
気持ちなんて、絶対がない…だからさ。
恋愛なんて所詮人と人だ。 だれにも最後なんてわからない
しば
えとちゃん
しば
もし気持ちが消えてくの待ってたら…
しば
えとちゃん
しば
えとちゃん
しば
怖いは怖いまま受け入れよーよ。
えとちゃん
しば
しば
もしかしたら 伝わるのならそれは 奇蹟的な出来事かもしれない
しば
伝わるのは愛かもしれないから
えとちゃん
えとちゃん
背中をバシバシと叩かれる。いってぇ…
しば
俺カッコイイこと言ったよね!?…いたたっえとさん力…!!
えとちゃん
しば
えとちゃん
…正直どうしたらいいかわからないけど
えとちゃん
えとちゃん
えとちゃん
しば
えとさんもっと適当じゃん、いろいろ…
えとちゃん
えとちゃん
…だからシヴァさんもぜったいぜったい!!
えとちゃん
しば
目の前の大問題に直面して思わず萎える…。 えとさん応援してる場合じゃないんだよ ホントは…
えとちゃん
ちょ、ほんと頑張って!!私結構応援してるんだから!!
しば
てか頑張るしかないし…
うり
hiroくん
しば
えとちゃん
突然の片想い相手の登場で えとさんが変な声を出した。
うり
編集部屋きてだって!
うり
えとちゃん
うり
えとちゃん
うり
えとちゃん
こーやってると普通に話せてるのになぁ 二人とも仲がいい方だし… 俺にはお似合いに見えるけど。
しば
うり
俺とうりが先に部屋へと戻る その後ろをえとさんとヒロくんがついてきていた。
hiroくん
えとちゃん
hiroくん
えとちゃん
hiroくん
のなな
ここでは えとちゃんがだいぶ恋愛に悲観的に書いています。 仲良かったのにもし自分が気持ちを伝えてギスギスしちゃうのが怖いから、言わないという感じにしています。 またすぐ怖がってしまうえとちゃんは 自分に恋愛が不向きだと思ってるんです。 そこを少しでも前に進んでもらいたくて 怖いままでも大丈夫だよ、とシヴァさんが言いました。(じゃないと思い募らせて辛くなってくるから) 怖くたっていいってことなんですが…
のなな
シーン1 なおきりさんが「るなの彼氏は誰?」と聞くところがあります。 ここ、るなちゃんは「なおきりさんと、シヴァさん」と言おうとしたところを「なおきりさんと、」で切られているんですね。 自分の名前だけ言って欲しかった 他は聞きたくなかった そう表現しています。 あとたっつんとじゃっぴだけに見てないよね?と聞いてるのは見てないとわかっていたから。 …ということは、一番前にいた彼が見ていたことは、"知っている"…かもしれない。 幼馴染を隠すことにショックを受けたるなちゃんを見て 幼馴染の壁が思いの外厚かった、ちょっとやきもきしたなおきりさんなのでした。
"奇蹟"みたいな恋愛 えとちゃんとシヴァさんの会話によくでる奇蹟みたいな---ですが キセキって "奇跡"と"奇蹟"、ふたつあるんですよ。 私は"奇蹟"で表記してます。 奇蹟は"常識では起こるとは考えられないような、不思議な出来事。特に、神などが示す思いがけない力の働き。また、それが起こった場所。" という意味があり、神レベルの"奇跡"…そんなふうに解釈してます。 本来なら振られるはずだったシヴァさん。 ふたり彼氏なんてなかなかないので、そう表現してます。
のなな