あれから数十年後。 俺はすっかり老人になっていた。 未来の俺が言っていたように、金を貯めて船を作って宇宙へと飛び立った。 技術の進歩のおかげか、意外と安く済んだのを覚えている。 少しくらいは遊んでも良かったなと後悔もした。
照彦
ハッピー
誰も俺には着いて来なかった。 頭がおかしくなったのだと言われ馬鹿にされ、渋々一人で宇宙へと出た。 皆も逃げられるように広めに特注したのだが、広い部屋にAIのハッピーと一人きり。 気が狂いそうだ。
ハッピー
照彦
実際に宇宙人は来たし、異世界も行けた。未来の俺は、何一つ間違った事は言っていなかった。
ハッピー
照彦
ハッピー
照彦
ピコピコ耳障りなんだよ!
ハッピー
ハッピー
照彦
まだボケてないぞ!
ハッピー
未来の照彦様は本当に間違っていないピコ?
照彦
ハッピー
けれど、現在の照彦様は約60年経ってもまだ生きているピコ
ハッピー
照彦
そうならないように誘導してくれたんだろ。
ハッピー
照彦
ハッピー
パラレルワールドが新たに生成されるだけピコ
助ける意味なんて未来の照彦様には無いピコ
ハッピー
照彦
ハッピー
照彦様は未来の照彦様に弄ばれてるだけピコ
照彦
ハッピー
照彦
うるさいうるさいうるさーい!
照彦
ハッピー
そうプログラムされてるピコ
ハッピー
だからハッピーはずっと悲しいピコ
照彦
ハッピー
今からでも遅くないピコ
照彦
照彦
照彦
こんな箱生活は辛い。
照彦
ハッピー
謝るくらいなら笑えピコ
ハッピー
そうだ、そうだよな。 辛いんだよ、今のこの状況が。 帰ろう。その結果がどうなろうとどうでもいい。 ただ、疲れたんだよ、俺は。
ハッピー
照彦
ハッピー
ハッピー
12年か。それまで生きれるかな。 船の中の生活は、味のしないガムを延々と噛み続ける。そんな毎日だった。 人生なんて、どう長く生きるかじゃ無い。 どう色濃く生きるかだ。 どうせなら、こんな船の中じゃなく友達や家族と過ごしたかった。地球で死にたかったな。
照彦
ハッピー
照彦
ハッピー
法律で禁止されてるピコ
照彦
ハッピー
ハッピー
道徳倫理プログラムをシャットダウンするピコ
照彦
ハッピー
悪用厳禁ピコ
ハッピー
こんな無味無臭な人生を歩まないよう。 過去の俺だけでも、導いてあげよう。 そんな思いで、過去へ新たにメールを送る。







