雛
アキくんて、自分がモテてることに気付いてんだね
アキ
当たり前ですよ
アキ
こんなに可愛くてモテないわけないじゃないですか
雛
(…なんとも言えない)
アキ
て言うのは嘘でー
アキ
ボクらが知らないとでも思ってます?
アキ
ここが──
ソウ
アキー!
ソウ
帰んぞ!
ソウ
…って、お取り込み中だった?
アキ
そんなわけないでしょ、バーカ
アキ
キョウは?
ソウ
遅いから門で待っとくってよ
アキ
行くか
雛
じゃあねアキくん
アキ
ん?
アキ
一緒に帰んないの?
雛
…(そんなこと言って好きになったらどうしてくれるよ)
雛
ううん、別に──
ソウ
つべこべ行ってねえで帰るぞ
ソウ
お前、友達いなくて寂しいだろ?行くぞ
雛
(なんでみんなこんなカッコいいんだ…)
雛
ちょちょちょ痛い痛い!
ソウ
お前のろいな
雛
酷いでしょ勝手に連れてきといて!
アキ
晴天ですねー
ソウ
おん
キョウ
…
雛
(…てゆうか)
雛
みんな学年違いますよね、ここ?
アキ
ボクは1年でキョウは2年、ソウは3年だもんね
雛
(そしてコーくんも3年、レンくんは2年と。)
雛
どうして学年違うのに仲良くなれたんですか?
アキ
…仲良くってのはちょっと違いますね
アキ
ボクらは一応えたらぶとして一緒に活動してるし
ソウ
そうそう
ソウ
ってん?
ソウ
お前それ知ってて入ってんじゃねえの?
雛
え?
キョウ
…それ言っていいやつだっけ
ソウ
おうよ
ソウ
細けーこたァ黙ってろって言われたけど
ソウ
オレらはモノホンで、自分の正体もここにいる目的も知ってる
ソウ
そこまではいいらしー
雛
確かにどう見ても本物だったけど…。
雛
でも、じゃあなんでこんな普通に過ごして──
雛
…っ!
アキ
言われましたよね?
アキ
「両思いになるまで出られない」
アキ
ボクらがどれだけ足掻いたってそれはボクらにも適用してて
アキ
変えられないんです
雛
…そんな
雛
そんなの酷すぎる…っ
雛
あたしは…そんなに無理やり恋愛なんて、しなくてもいいよ…
アキ
そうですよね
アキ
…まあオレもキミにオチる気はしねぇけど
雛
雛
…え?
アキくんがボソッと言った言葉にビクッとする
表情も声色もパッともとに戻して、アキくんは言う
アキ
そこそこだよ、顔も体も性格も
アキ
ね、ソウ?
ソウ
やーめとけ
ソウ
お前、キャラ崩れてるから
アキ
ふふ
雛
えと、アキ…くん?
アキ
んっ?
アキ
どうしたんですか、有栖川センパイ
天使のような微笑みにクラクラとする
アキくんのキャラが本当じゃないことは仕方がないけれど
まさかこんなに…腹黒だったとは…。
さっきのアキくんの表情と声色を思い出す
雛
(割といつもショタに近い声なのに、1オクターブくらい声も低くて)
雛
(表情だって…)
雛
(笑ってたのに、怖かった)
雛
(目が笑ってなかった)
ソウ
ごめんな
ソウ
もともとこういうヤツなんだよ、根が腐ってる
アキ
今オマエなんつった?
ソウ
ん?なんも
雛
(これはこれで絡みとしては好きだわ)
雛
(だけど…)
アキ
あ、じゃあボクらこっちなんで
ソウ
キョウ、相手が困るから仲良くしてやれよ
雛
え、キョウくんこっちなの?
キョウ
…はあ、そうです
雛
(同い年なのに敬語…)
みんながみんなアキくんのように本性を持っている
そりゃあいつだってアイドルな訳じゃない
それにここならただの一般人として好き放題だ
本性を隠したまま恋愛なんてしても惹かれないだろうしな。
雛
キョウくん一緒帰ろっか!
キョウ
…はあ。
そう思うと
先を思いやられた
雛
(だけどあたし、やってやる)
雛
(絶対みんなを楽しいって思わせる存在になる)
雛
(恋愛関係になんて進めなくても)
雛
(えたらぶのみんなが幸せなら、それだけでもすごいことだよね)
雛
(…こんな悪い世界はダメだ)
雛
絶対に…もっと幸せな世界に戻してあげるよ
キョウ
はい?
雛
ねーキョウくん!
雛
同じ年なんだから、タメにしよーよ!
キョウ
…別にどっちでもいいですけど
キョウ
オレ別にアンタに心許してないんで
雛
そんなことわかってるよ!
雛
でも
キョウ
?
雛
そんなもの、変えてみせる
友達
そんなちっぽけかもしれない存在に向かって
あたしはみんなの気休めや相談相手でもいい
利用されてでも陥れられてもなんでもいい
ここに来たからには
ここで精一杯走り抜けるしかないじゃない!







