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夜空には、無数の星が瞬き、ひとつひとつが夜を照らすかのように輝いている。その中で、一筋の光が空を横切った。それは一瞬の閃光であり、儚くも他の星々よりも鮮やかに煌めいていた。青く、ターコイズブルーの尾を引きながら、その光は瞬く間に消えてしまった。僕はその瞬間を見つめながら、その美しさと儚さに心を奪われた。 星々は暗い夜空の中で、まるで手で掴めそうなほど近くに感じられる。掴めそうで掴めない、その距離感が僕を惑わせる。もし、本当に星を掴めたなら、僕は星のコレクションを作りたいと思った。昆虫の標本のように、丁寧にケースに収め、厳重に保管して部屋に飾る。それは夜にしか咲かない月下美人のように、夜のうちにだけ輝きを放つ星々だ。そして、朝に咲くアサガオや、明けの明星、宵の明星が織り成す天体の美もまた、僕を魅了する。
アストレス
手を前に出し、呪文を唱える。小さな星が魔法によって生まれ、僕はそれを空に打ち上げる。星が夜空に輝き始めた瞬間、僕の仕事は完了する。何年もこの作業を繰り返してきたが、最近では星がかすんで見えるようになり、力の衰えを感じ始めている。そろそろ引退を考える時期かもしれない。 弟子を取ることを考えたこともあったが、教えるべきことなど何もない。この仕事に興味を持つ者が果たしているのだろうか。毎晩、小さな星を誕生させるたびに、僕はささやかな喜びを感じ、その喜びが次の夜へのモチベーションとなる。しかし、時には荒々しい星が生まれ、それが彗星となって消えてしまうこともある。そのたびに、まるで命を失ったかのような深い悲しみが胸を締めつけるのだ。 それでも、僕は今日もまた新たな星を生み出す。星を作り出す瞬間、僕は母親が子を産むときに感じるような喜びと儚さを胸に抱きながら、その小さな輝きを夜空へ送り出す。命の誕生の神秘と、それがもたらす感動を日々味わっている。 誰にも気づかれることのない、影から支える裏方の仕事。しかし、その星々は夜空を照らし、時には人々の心を明るく照らす。彼らは空を見上げ、時折変わる月の光とともに、夜に安らぎを見出しているのだ。