黄赤
昔から、俺が対象外ってことは分かっていた
幼馴染だし
男だし
どうしても、恋愛としては見られないんだろうな、って
理解はしていた
それでも、友達としてなら
親友として、側にいるくらいなら
それくらいは、許して欲しい
って、そう思ってた。
赤
…え、っ
黄
……フラれました
夜中に突然押しかけてくることなんて
今まで一度も無かったのに
赤
っとりあえず、中入りな、?
黄くんはこくん、と頷いて
俯きながら部屋に入っていった
赤
飲み物、お茶しかなかったや、ごめんね、
黄
…ううん、ありがと、
ここまで暗くなった黄くんは初めて見た
そこまで好きだったのか、彼女のことが
黄
…優しすぎて、物足りない、って
暫く黙っていた黄くんが、口を開いた
黄
……僕じゃ、駄目だったのかな、
黄
大事に、してたつもり、なんだけどなあ、っ
聞いてられなかった
俺は無性に腹が立って
気づいたら、黄くんを押し倒していた
赤
…ね、そんな女より、俺にしない?
赤
絶対幸せにするよ、?
赤
優しすぎて物足りないなんて言わない
辞めろ
赤
俺のが、誰よりも黄くんのこと好きだよ、?
止まれ
赤
…俺のこと、好きになってよ、っ
黄
…ぇ、?
赤
…、っ、
最悪だ
ずっと閉じ込めてきたのに
蓋をして、溢れないように
黙ってたのに、
赤
…なんて、
赤
……嘘だよ、
元気でた?、なんて
乾いたような笑顔で
黄くんから離れる
赤
もう寝なよ、ベッド貸すしさ
そう言って、空っぽになったコップを片付けようと
机に手を伸ばした、
黄
…っいいんですか、?
気づけば目の前に黄くんの顔があって
俺は押し倒されていることを理解した
黄
…僕が赤を利用するってことですよ、?
苦しそうな顔
そんな顔するならいっそ
いっそ、利用してくれればいい
少しでも、黄くんの中に入れるなら
俺を、意識してくれるなら、
赤
…いいよ、利用してくれて、
俺は、何でもする