tr
……それを、言うなら……

tr
俺だって、クロノアさんを犠牲にするような選択が行われるなら、

tr
……仕事をするつもりはない

sn
え……?

tr
クロノアさんとぺいんとを天秤に掛けるって話だろ?

tr
だったら、俺。

tr
……しにがみさんには悪いけど、クロノアさんを、助ける

pn
と、トラゾーッ……?!

tr
悪く思うなよ、ぺいんと。

tr
……お前が嫌いだ、って言ってる訳じゃない

tr
俺は、クロノアさんが言った、持病があるクロノアさんより、

tr
ぺいんとの方が耐えられるはずだという意見に、賛成なだけだ

sn
……本当にそうですか?

sn
トラゾーさん、今、……すっごくぺいんとさんを見る目が冷たかったですけど?

tr
気のせいですよ。

tr
俺は、全員がここを出られる一番の方法に賛成しているだけ

tr
お願いだ、ぺいんと。

tr
今こそヒーローの出番だろ?

tr
囚われの人質の、身代わりになれよ

kr
……大丈夫。ぺいんとなら絶対大丈夫だって

tr
クロノアさんが病気なの、知ってるだろ?

tr
知ってて見殺しにするのか?

pn
う、……ううぅ………、

sn
ぺいんとさんをいじめるなッ!!

sn
クロノアさんは病気があるだけ!

sn
いつも体育では成績優秀じゃないですか!!

sn
2人を比べたら、クロノアさんの方が運動神経ありますッ!

tr
そうだとしても、俺は助けるとしたら、クロノアさんを助ける

sn
させません、絶対にぺいんとさんを助ける!

sn
トラゾーさんが"無罪"を出して、仮にぺいんとさんを<死刑囚>にしてたとしても、

sn
僕は絶対に、拷問レバーを引いたりなんかしませんッ。

sn
例え、ここで全員で焼け死ぬとしても!!

tr
それはこっちも同じだっ。

tr
俺も、クロノアさんの拷問レバーを引いたりなんか絶対にしない!

kr
ははは、

kr
あっははははははははは……っ

kr
……トラゾー。"無罪"と言って

tr
む、"無罪"ッ!

その途端、ぺいんとの首輪に繋がる鎖が勢いよく巻き取られた。
ぺいんとの身体があっという間に、拷問椅子に引き摺られ、その手足を枷で拘束してしまう……。
sn
ぺいんとさん……?!

pn
あぅ、ぐ………、

pn
えほッ、げほ……ッ、

kr
"有罪"

tr
"有罪"!

sn
よ、よくも………ッ

kr
……やっぱり、馬鹿だなぁ、……お前はぁ……

kr
まさか、お前。

kr
……<断罪者>同士、互角の関係だと思ってたのぉ……?

クロノアは、不気味な笑みに表情を歪ませながら、ゆっくりと、解放された拷問椅子なら立ち上がる。
kr
宣告する<断罪者>と、拷問レバーの<断罪者>はさ、

kr
……互角の立場じゃないんだよ……?

tr
……まさか……、クロノアさん……

kr
宣告は、生きてなきゃ出来ない。

kr
でも拷問レバーは、<断罪者>の手ではえあれば、操作できる

kr
拷問レバー担当の<断罪者>は、別に生きてなくても、仕事は出来るんだよ……?

pn
よ、よしてくださいッ、クロノアさんッ、……何を考えてるんですかッ

kr
もちろん、そんな物騒はしたくないよ……

kr
せっかく、3人は生き残れるのに、

kr
……1人減らすなんて、勿体ないもんね……

sn
……はッ、……ははっは!

sn
僕はビビりませんよ……?

sn
元から人の心を裏切るヤツだと思ってましたし!

sn
むしろ、やっと正体を現してくれて、清々する!

kr
……トラゾー。一緒に生き残ろう

tr
……はぁ、はぁ、はぁ……

kr
死を覚悟している人間に、死を与えることに、……何の罪悪感があるの……?

sn
……クソッタレが、クソッタレが……、

sn
このゲロカスがぁ……ッ……

kr
俺とトラゾーの2人掛かりで、しにがみくんを"説得"する

kr
しにがみくんが状況を理解してくれれば、3人で生き残れる。

kr
でも、それが無理なら……

kr
俺たちが生き残る為に、最善を尽くす他はない。

kr
……それで、2人が生き残れる

pn
と、トラゾー……!

pn
なんで俺が嫌いなのかは知らないけどッ、

pn
友達を殺そうなんて平然と言えるクロノアさんのことを、

pn
本当に信用できるのかよ?!

tr
…………ぅ、……ぅ、

ついさっきまでは、しにがみと対立する形になっていたけれど。
あれは、親友のクロノアを見殺しにしようというしにがみの売り言葉を買ってしまい、反射的に言ってしまっただけの暴言。
本当に誰かを見殺しにしたいなんて気持ちは、トラゾーにはない。
しかし、このような状況下だったので、どうしても暴言めいた言い方になってしまい、混乱してしまった。
本心は、膠着状態の中で、みんなで生き残る知恵を出し合うように、流れを変えたかっただけなのだ。
tr
……誰かを見殺しにとか、どっちを犠牲にとか、

tr
……そういう話じゃなくて……、

tr
4人で生き残る方法を、みんなで考えよう……!

……突然、背後から、トラゾーの首に、鎖が巻き付いた。
tr
うぐッ、………ッ、……………?!?!

kr
……やっぱり、……お前も馬鹿だなぁ……

kr
こんな非常事態だッ、……ってのに……、

kr
綺麗事を言い出すんだからさぁ……

クロノアが、自分の首輪に繋がる鎖で、トラゾーの首を恐ろしい力で締め上げている……。
tr
ぅぐぐぐ、……ッぐ………ぁ…………、

pn
く、クロノアぁッ……!

pn
止めろットラゾーを放せッ……!!

sn
……や、やめろぉおぉおおぉ……!!

しにがみが取っ組みかかろうとした時、……トラゾーはがくりと膝をつく。
ジュウ……と、灼熱の金網にトラゾーの膝が焼ける音がしたが……、
たちまちの内に、髪が焦げて、おぞましい臭いを立ち込めさせた……。
kr
……火事場の馬鹿力って、あるんだね……

kr
ゴキッて、……感触あったよ。

kr
……すごいね、……トラゾーに勝てちゃうなんて……

pn
トラゾーッ、トラゾーぉおおぁああぁあ!!

pn
クソクソ、畜生ッ、クロノアッ、よくもッ!!!

sn
……トラゾーさんは、お前を庇ってくれたのに……、殺すなんて………
