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なんでも屋

第2話 - 3つの依頼

2020年12月31日

#(；´・ω・)

rai(レミラ)

紅井穂乃花

ほんと困る…

ピンポーン。

紅井穂乃花

何こんな時に…

紅井穂乃花

はい？

？？？

…

紅井穂乃花

なにあんた。

？？？

依頼。

紅井穂乃花

あぁ、ここ私の家。

紅井穂乃花

なんでも屋の場所、こことちゃうで。

？？？

知ってる。

紅井穂乃花

なら何？

？？？

命を貰いに来た。

紅井穂乃花

ふむ。

紅井穂乃花

なるほどねぇ…

紅井穂乃花

これまた厄介な依頼だね。

紅井穂乃花

とりあえず場所変えよ。

？？？

ん。

紅井穂乃花

それで？

紅井穂乃花

私の命貰いに来たってどゆこと？

？？？

依頼が来た。

？？？

お前の命を奪って欲しいと。

紅井穂乃花

誰に？

？？？

言うわけないだろ。

紅井穂乃花

あんた何もん？

？？？

殺し屋。

紅井穂乃花

ふぅん。

紅井穂乃花

だったら依頼にせず直接殺せばいいじゃん。

？？？

それだと確実には殺せないと思った。

紅井穂乃花

‪w賢いじゃん。

紅井穂乃花

名前は？

快斗

快斗。

紅井穂乃花

快斗ね、いいよ、承りましょう。、

紅井穂乃花

対価は…

紅井穂乃花

掃除、洗濯、洗い物、料理、買い物諸々の家事やって。

紅井穂乃花

そしたら自由に殺せる時に殺しなよ。

快斗

わかった。

紅井穂乃花

でも仕事中だけは殺そうとしないこと。

紅井穂乃花

邪魔になるからね。

快斗

了解した。

紅井穂乃花

はぁ…

快斗

仕事が終わるのはいつだ？

紅井穂乃花

22時30分まで。

快斗

初めは？

紅井穂乃花

基本7時。

紅井穂乃花

…

快斗

お前友達とか居ないのか。

紅井穂乃花

勝手に思っとけ。

快斗

なら居ないとみた。

紅井穂乃花

お前いつもそんな喋り方じゃないでしょ。

快斗

なんで？

紅井穂乃花

似合ってない。

快斗

なんだ、わかってたんだ。

紅井穂乃花

バレバレ。

快斗

つまんねーの。

紅井穂乃花

…

紅井穂乃花

あー、来なさそうだな。

快斗

だったら仕事終わる？

紅井穂乃花

いや終わんないから。

紅井穂乃花

とりあえず仮眠とるから誰か来たら起こして。

快斗

はいはい。

紅井穂乃花

Zzz…

快斗

さて、今のうちにこいつについて調べるか。

快斗

なんかないかな。

快斗

昔の依頼資料か。

快斗

不倫夫殺害依頼。

快斗

…友達依頼

快斗

また変なやつがいたもんだな。

快斗

運動会司会役依頼

快斗

子供かよ。

快斗

まぁあとは全部…殺し系依頼か。

紅井穂乃花

…

依頼者1

すみません…

快斗

ん？

快斗

依頼か？

依頼者1

う、うん。

快斗

ちょっと待ってろ。

快斗

おーい、依頼だぞー。

紅井穂乃花

んん、

紅井穂乃花

依頼内容は？

紅井穂乃花

…ってどうしたの？

依頼者1

依頼したいの…

紅井穂乃花

どんな依頼かな？

依頼者1

お母さんを倒して欲しいの！

紅井穂乃花

倒す？

依頼者1

ほら！

依頼者1

ゲームだと1回倒してもまた生き返るでしょ？

依頼者1

現実世界だと倒したらもう戻って来れないでしょ？

紅井穂乃花

あぁ、そういう事ね。

紅井穂乃花

でもどうして？

紅井穂乃花

君はお母さんのこと好きじゃないの？

依頼者1

…大嫌い。

依頼者1

お母さんいつも弟ばっかり。

依頼者1

私とは遊んでくれないの…

依頼者1

たまにね、殴られたり奴隷のように私を扱き使うの…

依頼者1

そんな生活もうしたくなぃ…

紅井穂乃花

そっか、辛かったね。

紅井穂乃花

わかった、依頼、受けるよ。

依頼者1

ほんと！

紅井穂乃花

うん、でも対価支払わないと出来ないな。

依頼者1

対価って？

紅井穂乃花

ものを買う時はお金で払うでしょ？

紅井穂乃花

それと同じ。

依頼者1

えーと…私の大事なくまちゃん人形！

紅井穂乃花

…

依頼者1

と、お小遣いで貰った100円…

依頼者1

これじゃダメ？

紅井穂乃花

いいよ。

紅井穂乃花

契約成立。

紅井穂乃花

お母さんのお写真ある？

依頼者1

うん、あるよ！

紅井穂乃花

ありがとう。

紅井穂乃花

あとは任せてね。

依頼者1

うん！

ｶﾞﾁｬ

快斗

あんな子供の話マジでウケるんだ。

紅井穂乃花

まぁなんでも屋だし。

紅井穂乃花

あの子自身、母の死を理解しているから殺しても大丈夫でしょ。

快斗

お前殺し何回目？

紅井穂乃花

んー、数えられないぐらい。

快斗

そんなやったの？

紅井穂乃花

うん。

紅井穂乃花

それじゃ夜にこの依頼は実行だ。

紅井穂乃花

手伝えよ？

快斗

はいはい。

紅井穂乃花

んじゃまた起こしてー。

快斗

もう起きとけよ。

紅井穂乃花

やだ、こう見えてあんま寝れてないんだから寝かせてよ。

快斗

わかったわかった。

紅井穂乃花

Zzz…

快斗

よし、探すか。

快斗

でもあとはこの棚ぐらいだよな。

快斗

鍵かかってるし。

快斗

…開けてみるか。

ｶﾞﾁｬｶﾞﾁｬ…ｶﾁｬﾝｯ!

快斗

開いたわ。

快斗

なになに〜

快斗

…なんだ、写真か。

快斗

依頼者から受けとった写真。

快斗

そしたらあとは全部あいつの家…というわけか。

依頼者2

依頼いいですか？

快斗

ん、ちょっと待ってて。

快斗

おーい、依頼来たぞー！

紅井穂乃花

ん…

紅井穂乃花

ようこそ、何でも屋へ。

紅井穂乃花

どのような依頼で？

依頼者2

じ、実は…

依頼者2

好きな子がいるんです…

紅井穂乃花

恋愛相談ですか？

依頼者2

は、はい…誰にも言えなくて…

依頼者2

どうか僕の話を聞いてください！

紅井穂乃花

いいですよ、

紅井穂乃花

対価は？

依頼者2

お好きなものは…？

紅井穂乃花

え、うーん。

紅井穂乃花

じゃぁさ、今でもいい？

依頼者2

は、はい。

紅井穂乃花

この近くにコーヒーショップがあってね。

紅井穂乃花

見える？あれなんだけど。

依頼者2

はい。

紅井穂乃花

あそこに売ってるいちばん苦いコーヒー豆を買ってきて欲しいの。

紅井穂乃花

わからなかったら店員さんに聞けば教えてくれるはずだよ。

依頼者2

わかりました！

紅井穂乃花

契約成立。

紅井穂乃花

それじゃ待ってるね。

依頼者2

はい。

快斗

依頼者まで使いに行かせるのかよ。

紅井穂乃花

だって恋愛相談なんだから。

紅井穂乃花

それに好きな物、なら別になんでもいいでしょ？

快斗

コーヒー豆っていくらぐらい？

紅井穂乃花

あそこは安いから学生でも買えるよ。

依頼者2

お待たせしました！

依頼者2

これで合ってます？

紅井穂乃花

うん、上出来。

紅井穂乃花

待ってて、今入れる。

紅井穂乃花

あ、コーヒー飲める？

依頼者2

はい。

紅井穂乃花

砂糖は？

依頼者2

2本で。

紅井穂乃花

ミルクは？

依頼者2

入れてください。

紅井穂乃花

苦いの嫌なのかな？

依頼者2

そうですね、苦いコーヒーはちょっと苦手です。

紅井穂乃花

そう、快斗は？

快斗

俺砂糖5本とミルク多めね。

紅井穂乃花

…

依頼者2

（この人の方が苦手なんじゃ…）

紅井穂乃花

お前の方が苦手だってことがわかったよ。

快斗

ち、違うし…あ、甘党なだけ…だもん。

紅井穂乃花

ハイハイ。

紅井穂乃花

…

依頼者2

あの、快斗…さん？とあの方はどういう関係で？

快斗

俺？

快斗

俺も依頼者なんだ。

依頼者2

え、そうなんですか？

快斗

あぁ、でも対価でこいつの世話係さ。

依頼者2

どういう依頼なんですか？

快斗

知ったら帰れねぇーぞ？

依頼者2

え？

快斗

無駄な犠牲は出したくないんだ。

快斗

まぁそうだな、人の死に関する以来さ。

依頼者2

人の…死？

快斗

そう。

紅井穂乃花

はい、できたよ。

紅井穂乃花

これお菓子、こんなのしかないけど。

依頼者2

ありがとうございます。

紅井穂乃花

それじゃ、始めようか。

依頼者2

はい、好きな子はこの子なんです。

紅井穂乃花

なるほど…確かに可愛いね。

依頼者2

いつもクラスの人気者で成績優秀。

依頼者2

僕とはまるで住む世界が違う人なんです。

紅井穂乃花

ふーん。

紅井穂乃花

いつもこの子の周りに女子はいるの？

依頼者2

え、まぁそうですけど。

紅井穂乃花

なるほど。

紅井穂乃花

君のクラス、いじめとかあるんじゃない？

依頼者2

え…はい。

依頼者2

でもそれとこれ、どう言う関係が？

紅井穂乃花

いんや、それでこの子の性格は？

依頼者2

そうですね、最近の女子って感じです。

依頼者2

凄いオシャレとかしてます。

依頼者2

あとは地味な人はあまり好みじゃないと。

紅井穂乃花

それは本人から？

依頼者2

はい、たまたま聞いたんです。

紅井穂乃花

そっか。

紅井穂乃花

そしたらまず君もオシャレするべきだね。

紅井穂乃花

あ、君成績は？

依頼者2

えと…下からの方が早い…ですかね。

紅井穂乃花

あ〜、なるほど。

紅井穂乃花

なら成績もあげた方がいいかも。

紅井穂乃花

服は放課後とか休みの日なら白のオシャレ系。

紅井穂乃花

学校なら髪型を良くするといいかも。

紅井穂乃花

制服は綺麗に、でも逆にビシッとしすぎると多分この子に悪印象。

依頼者2

なるほど。

紅井穂乃花

で、告白する時の言葉は…

紅井穂乃花

今はなんて言おうとしてるの？

依頼者2

え、えぇと。

依頼者2

いつも明るい君がいつの間にか好きになってました。

依頼者2

これからもその明るく元気な君を守りたい、いや、守らせてください！

依頼者2

一生守ると誓います、なので付き合ってください！

紅井穂乃花

まぁいいんじゃない…？

快斗

おぉ。

依頼者2

なんですかその反応。

紅井穂乃花

良すぎて呆然としてたんだよ。

依頼者2

ならいいんですが…

紅井穂乃花

あ、そうそう。

紅井穂乃花

もしこれで振られてこの女が笑いだしたら…

紅井穂乃花

ぼーっと突っ立ってないですぐ走って帰るんだよ。

依頼者2

え、

紅井穂乃花

自分の命は大事だろ？

紅井穂乃花

あとは助けに行かないこと。

紅井穂乃花

行ってもいいけど君の人生が終わる。

依頼者2

は、はぁ。

紅井穂乃花

あとはなるべく人が通った時すぐ気づいてもらえる場所で告白したらいいかも。

紅井穂乃花

部屋だと鍵のない場所、どこからでもすぐ出れる部屋にしてね。

依頼者2

はぁ？

依頼者2

その、ありがとうございました。

紅井穂乃花

うん、

紅井穂乃花

君は無理して助けなくていい。

紅井穂乃花

私が無償で彼女を助けよう。

依頼者2

え？

紅井穂乃花

助けたいとは思ってても助けに行けないでしょ、怖いから。

依頼者2

…

紅井穂乃花

嘘でしょ？告白したいとか言ってたの。

依頼者2

…

紅井穂乃花

大丈夫、告白したいならすればいい

紅井穂乃花

でもいじめられてる子は。

紅井穂乃花

私が助ける。

依頼者2

…分かりました

ｶﾞﾁｬ。

紅井穂乃花

よし、いい時間だしそろそろ行くか。

快斗

どこに？

紅井穂乃花

最初の依頼者の家。

なんでも屋

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