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あなたと一緒なら🍣💎

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あなたと一緒なら🍣💎

1 - あなたと一緒なら

♥

703

2025年01月21日

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しづ

どーも、しづです!

しづ

復帰後一作目✨

しづ

珍しくないむです!ずっと書きたいと思ってたんですけど青水やら赤水やらを優先させてしまい…👉👈

しづ

復帰後一作目と言うことで今回はちゃんとサムネ描いたんです!

しづ

制作時間2時間でした✌️

 

 

 

 

ないこ

高校を卒業したら俺と一緒に駆け落ちしてくれませんか…?

そう、不安そうに瞳を揺らしてこちらの様子を伺うないちゃん

人より多くのことを考えて、他人を最優先にするないちゃんにそこまで言ってもらえたことが嬉しくてないちゃんの両手を握って笑顔で答える

ほとけ♀

どこまででもついていくよ、ないちゃんが望むなら

 

 

 

 

ほとけ♀

眠たい?

ないこ

うん、そうかも…

ないこ

ちょっと肩貸して欲しい

ほとけ♀

うん、良いよ

ぼくの肩に自身の頭を預けて目を瞑ったないちゃんを確認してからぼくも目を瞑る

そして少し前のことを思い出していた

 

 

 

 

回想

ぼくらが仲良くなったのは2年生に進級した頃

校舎裏でこっそり捨て猫のお世話をしていたところを生徒会長に就任したないちゃんに見つかったことが始まりだ

そこから2人で猫ちゃんのお世話をして仲良くなった

お互い気を許し始めた頃急にないちゃんがぼくの家に住ませて欲しいと懇願してきた

普段のないちゃんを知っていると只事じゃないってわかったし、ないちゃんが本当に申し訳なさそうにしてたから一つ返事で了承した

たまに帰ってくる兄は「これでほとけも寂しくないな」って寂しそうにそれでいて安心したように笑ってないちゃんを認めてくれた

一緒に暮らしていく中でなんとなくないちゃんの今までが垣間見えたこともあったけど深くは聞かなかった

その分ないちゃんを真綿で包むように大切にした

それは同情かもしれないし、家族同然となったないちゃんを手放したくないぼくのエゴかもしれないし、それ以外の気持ちからかもしれないが

いつしかそこにはないちゃんへの恋情を帯びていった

その想いを伝えるつもりはなかったけど、親友のしょうちゃんが「伝えなかったことを後悔する方が苦しい」って背中を押してくれたから3年に進級するときに告白をした

予想通りないちゃんはぼくの気持ちを受け取ってはくれなかったけどないちゃんの中に葛藤があったから「待つよ」って告げたんだ

待つことは辛いけど慣れっこだったから

そして高校卒業の一週間前、ないちゃんが駆け落ちして欲しいと言ってきた

ないちゃんなりの答えだったんだろう

だからぼくはついていくって言ったんだ、この先の人生をないちゃんに捧ぐ覚悟も添えて

そしてぼくらは通帳やパスポートなどの必要そうなものだけを持ってどこにいくかもわからない電車に乗り込んだ

 

 

ほとけ♀

(ぼくらしか居ない…)

数分おきに停まる電車のアナウンスは聞いたことのない地名で遠くに来たことを実感する

ほとけ♀

ねぇ、ないちゃん

ぼくの肩にもたれるないちゃんの手をぎゅっと握ると同じようにないちゃんもぎゅっと握り返してくれた

ないこ

ん?

ほとけ♀

この旅のお供はぼくでよかったの…?

ないこ

もちろん、いむこそおれについてきて後悔してない?

そう言われて数時間前に一緒に卒業したしょうちゃんと保護者として来てくれた兄のいふくんを思い出す

ほとけ♀

しょうちゃんもいふくんも寂しそうな顔をしてたけど、ちゃんと送り出してもらったよ

ほとけ♀

しょうちゃんには泣かれちゃったけど…

ほとけ♀

いふくんもずっとぼくの1番の理解者でいてくれた

ほとけ♀

ないちゃんは家族にさよならしなくてよかったの?

ないこ

察してるくせに意地悪な質問するね

ほとけ♀

うん、ないちゃんのことちゃんと知りたいから…

ぼくがそう言うとないちゃんはぼくの手をさらに強く握り、感情の読めない表情をしてぽつりぽつりと話し出した

ないこ

昔から両親の愛情が妹に傾いてるなって感じてたんだ

ないこ

別に暴力とかご飯を用意してもらえないとかはなかったけどただただ俺に対して無関心だった

ないこ

ずっとなんでだろうって悩んでたけど今なら説明がつく

 

ないこ

両親と血が繋がってなかった

 

ないこ

正確に言うと両親だと思ってた人は本当は叔父夫婦だったんだよね

ないこ

高校の卒業後はどうしよっかな、海外にでも行こっかなって思ってパスポートを作るために戸籍謄本を確認したら俺は養子で父に聞いた

ないこ

めんどくさそうにしながらもちゃんと教えてくれたよ

ないこ

俺の家、そこそこ由緒正しい家ならしくて実父がもともと当主だったんだ。
けど俺が3歳のときに亡くなったらしくて…

ないこ

実の両親は家の反対を押し切って結婚してたらしくて、父がいなくなって立場がなくなった母を一族の連中は追放したんだって、俺を置いていくっていう条件を課して

ないこ

その後俺を次期当主として養育せよと一族の連中が実父の弟、つまり叔父に押し付けたらしいけど、まあ厄介者扱いでそんな養育されてないよ

ないこ

それで真実を知ったのならこの家に置いておく義理はないって家を追い出されて…

そこで一息ついたないちゃんに思わず抱きつく

ないちゃんは何も悪くないのに大人のエゴに振り回されていたないちゃんを想うと哀しくて哀しくて…

ないこ

そこからはいむの知ってる通り、いむの家に転がり込んで甘えてた

ないこ

高校を卒業したら天涯孤独で生きていくつもりだったのに、いむが今までの寂しさを埋めるようにそばにいてくれて…
気がつけばそんないむに依存して離れられなくなってた

ないこ

いむにはまろとかしょうちゃんとかいむを大切に思ってくれる人がいたのにね

ないこ

いむと離れたくない気持ちを断ち切れなくてこの逃避行に巻き込んだんだ、ごめんね

ほとけ♀

ううん、ぼくがないちゃんについて来たのはぼくの意思だよ

ないこ

そっか

ないこ

俺の実母、ヨーロッパのどこかにいるらしい…

ほとけ♀

会いたい?

ないこ

わかんない、会って何を話せばいいのって感じだし

ないこ

けど行くだけ行ってみたいかも、そっちの方に住んでたらワンチャン会えるかもって期待しながら暮らすの

ないこ

いむの行きたい場所があるならそっちを優先させたいけど…

ほとけ♀

ううん、行こないちゃんについていくよ

ないこ

うん、ありがとう

 

 

 

 

 

数年後

チーン

ほとけ♀

お、いい感じ♪

ないこ

いい匂いだね、今日は何作ったの?

ほとけ♀

あ、ないちゃん!

ほとけ♀

今日はね、ガトーショコラを作ってみました〜✨

ないこ

わぁ✨美味しそう!!

ほとけ♀

もうすぐ子どもたちが帰ってくる時間だし、ないちゃんも一緒に食べる?

ないこ

うん、そうしよっかな

あれからぼくたちはドイツのとある田舎で個人経営の学童をしている

これはぼくらみたいに寂しい思いをする子どもたちが少しでも減らせるように、とないちゃんと2人で相談した結果だ

大変なことも多いけどご近所さんに助けられてなんとかやってきている

ないこ

あ、けどこれだけ提出してきたいかも

ほとけ♀

あ、新刊?ないちゃんが帰ってくるまでみんなと一緒に待ってるね

ないこ

うんありがと

ないこ

それと、毎日言ってるけどいむも1人の身体じゃないんだから無理しないこと!!

ほとけ♀

ふふ、心得てますよ〜

ないこ

ん、じゃあ行ってくるね

ほとけ♀

いってらっしゃい!

ないちゃんは副業として作家をしている、なかなかに好評ならしくてなんなら小説一本で生活できるほど稼いでる

そして結婚して数年の今年、ないちゃんとの間に待望の第一子を妊娠した

順風満帆で幸せな毎日を過ごしている

この先、試練もたくさんあるだろう

けどなんだって乗り越えられる気がする、ないちゃんと一緒なら──

 

 

end

 

 

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