テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!
主
主
スタジオに足を踏み入れた瞬間、潔は全身が強張った。 知らない人。 男の人ばかりの空間。 視線が自分に集まっている――。
(やだ……怖い……!) 潔は凪の後ろにぴったりと隠れる。
玲王
一番最初に駆け寄ってきたのは御影玲王だった。 派手で、元気で、笑顔がまぶしい。
玲王
差し出された手を、潔は怯えて見つめた。 喉が震える。声は出ない。 (触れたら……ダメだ……!)
ぎゅっと目を閉じる潔。
凪
凪がぼそりと言った。 だが玲王は慌てることなく、屈んで潔の目線に合わせた。
玲王
玲王は手を引っ込めて、にかっと笑った。
玲王
その真っ直ぐな目が眩しすぎて、潔は息をのむ。 すぐに視線を逸らしたけれど、心臓が少し速く打っていた。
スケッチブックを震える手で広げる。
潔
玲王はそれを読んで、一瞬だけ真顔になった。
玲王
でも次の瞬間、明るく笑った。
玲王
潔は驚いて顔を上げた。
玲王
その言葉に、胸の奥がほんの少しだけ温かくなる。 (この人……怖いはずなのに……)
まだ触れることもできないし、声も出せない。 でも、潔の心のどこかに「この人は大丈夫かもしれない」という小さな芽が芽生えた。
その光景を横で見ていた凪は、眠そうな目を細める。
凪
玲王
凪は面倒くさそうに肩をすくめる。 けれど、その表情はどこか嬉しそうだった。
主
主