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主
アイドルの撮影現場。
潔は壁際の椅子にちょこんと座っていた。
人の声、ライトの眩しさ、カメラのシャッター音――全部が怖い。
でも、凪と玲王がステージに立っているから、なんとか耐えられていた。
「おーい!凪、玲王ー!」 突然、明るい声が響く。
スタジオに飛び込んできたのは、蜂楽廻だった。
まるで太陽のように笑顔で、ひらひらと手を振っている。
玲王
蜂楽
自由すぎる言葉に、スタッフが苦笑する。 だが蜂楽は気にせず、すぐに潔の方へ目を向けた。
蜂楽
蜂楽が近寄ってくる。 (――やだ……来ないで!)
潔はとっさに凪の後ろに隠れた。
凪
凪がちらりと見て、守るように立つ。 だが蜂楽は首を傾げ、にこっと笑った。
蜂楽
その言葉と笑顔は、驚くほど柔らかかった。 まるで自分を責めないでいい、と言われているみたいで――潔の心臓が少し落ち着いていく。
蜂楽は距離を保ったまま、しゃがみこんで目線を合わせる。
蜂楽
その声音に、潔は目を瞬いた。 人懐っこいはずなのに、不思議と押し付けがましさがない。
潔
潔はスケッチブックにそう書き、恐る恐る見せる。 蜂楽は嬉しそうに笑った。
蜂楽
玲王が感心したように笑う。
玲王
蜂楽
凪はあくびをしながら、ぽつりとつぶやく。
凪
潔はほんの少しだけ、凪の背中から顔をのぞかせていた。 蜂楽の笑顔が、ほんのひと欠片だけ――心の壁を溶かしたのだ。
主
主
主